公民館等を中心とした社会教育活性化支援プログラム(H26)

若者の自立・社会参画支援プログラム

もくじ

支援プログラムテーマ
受託自治体名
取り組みタイトル
ダウンロードファイル
1.この事業に取り組んだ背景(地域の現状、抱える課題)
2.事業の目的、目指した成果
3.事業の概要
4.計画立案段階及び取組実施段階における関係者、団体等との連携・協働体制
5.この事業によって得られた成果・得られなかった成果
6.事業実施により構築できた取組プロセス、それを実現するためのノウハウ
7.今後、事業の継続・展開の具体的な方針・戦略
事例シート
この情報の問い合わせ先

支援プログラムテーマ

テーマ1 若者の自立・社会参画支援プログラム

受託自治体名

東京都国立市

取り組みタイトル

「自立に課題を抱える若者」の社会参加支援事業

ダウンロードファイル

(PDFファイル)

ページ上部へ

1.この事業に取り組んだ背景(地域の現状、抱える課題)

「若者の自立・社会参画支援」のテーマに関して、国立市周辺においては、厚生労働省の地域若者サポートステーション事業などによる就労支援の取り組みや、東京都のひきこもり対策事業の取り組みなど、ターゲットサービスが近年進展しているものの、若者が「居場所」にできる場や「社会参加」が可能な取り組みは、地域に十分にあるとはいえない現状がある。これまで国立市公民館では青年室事業として、一般の若年層とともにしょうがいがある若者が活動できる「居場所」機能提供や、喫茶コーナー活動等を通した「社会参加」支援に取り組んできた経過がある。国立市公民館では、開館から60年の歴史のなかで、子育て期の女性、高齢者、しょうがいしゃ、外国にルーツがある市民など、とりわけ孤立しがちで地域に学習機会が少ない市民を対象にした事業を発展させてきた背景がある。青年室における若者対象の事業もそのような学習権保障の観点から、主要事業の一つとして位置づいてきた。この既存の青年室事業に地域の多様な若者の参加を拡大させ、特に「自立に課題を抱える若者」に青年室事業の成果を波及させることを目的に、平成25 年度から標記事業(以下本事業と略記)に着手した。国立市では、近隣の立川市や府中市などに比べ、首長部局における若者支援施策への取り組みが遅れている現状があり、公民館が本事業によって先駆的に取り組むことにより、「自立に課題を抱える若者」のニーズが明らかになり、支援体制構築の必要性に関する認識を庁内外に広げていくことができるものと思われる。

ページ上部へ

2.事業の目的、目指した成果

そこで、本事業では、短期・中期・長期に分けて事業目標を設定した。
■短期目標
より幅広い若者の参加の「きっかけ」を創出していく取り組みを充実させると共に、本事業の実施自体の広報に取り組み、若者のニーズを顕在化させることを短期的目標とした。

■中期目標
若者当事者のニーズを引き出す講座やニーズに対応した事業に取り組みながら、すでにある青年室事業の「居場所」機能や、喫茶コーナー活動の「中間的就労」へつなげ、若者の継続参加及び「支えあう主体」として成長していくプロセスを支えることを中期的目標とした。

■長期目標
他の支援機関や相談窓口に訪れる、「社会参加」のニーズを有する若者や、逆に公民館の諸機能では対応できないニーズを有する若者を、互いにリファーできる関係を構築し、多様な機関・支援者が連携できる支援ネットワークを構築していくこと、また、本事業の成果を丁寧に検証し、対外的に発信していく取り組みを実施していくことを長期的目標とした。

ページ上部へ

3.事業の概要

■短期目標(開放性)への取り組み
平成25 年度の取り組みから継続して、「若者による若者へのアプローチ」の充実を図った。若者自身が企画に関わり当事者視点の問題意識や関心から、多様な若者へ訴求していく講座内容、広報を実施した。具体的には、食事づくりをする〈今日、ご飯作ってみる?〉や野外活動を行う〈初心者山部〉などの交流型講座によって「支援の顔」をしない公民館への「入口」機能が充実してきた。また、平成25 年度に課題を抱える若者のニーズから生まれた〈中高生への学習支援〉が平成26 年から定例化(毎週実施)し、重要な「入口」になりつつある。

■中期目標(共同性→相互主体性)への取り組み
多様な若者たちがさまざまなルートからアクセスできる開放性が確保されてきたことによって、本事業の取り組みを知った保護者や若者当事者の相談から、喫茶コーナーでの実習体験(=中間的就労)や青年室での自主活動(=居場所)への参加希望が増加している現状を踏まえ、活動への参加と定着に向けたコーディネートを担当公民館職員の職務に位置付けた。「自立に課題を抱える若者」が社会関係資本(=溜め)を獲得していくために、集団活動への参加と成長を支援する取り組みを重視している。

■長期目標(包括性)への取り組み
相互に主体的な関わりをつくっていく共同性が育まれてくるなかで、公民館の諸機能だけでは対応できないケースも生まれる課題が出てきた。〈中高生への学習支援〉の取り組みでは、外国にルーツをもつ中高生が多数参加しているため、公民館事業「生活のための日本語講座」担当者と連携事業を実施すると共に、学校教育分野で困難を有する中高生への支援を行うSSW等との連携関係を深めている。また、平成26 年度後半には、しょうがいしゃ支援課と連携した「成人期発達障害者支援事業」(滝乃川学園への委託事業)に着手した。公民館が実施する本事業に、社会福祉士・精神保健福祉士等の資格を有するケースワーカーに参加してもらい、公民館における「保健室」機能を付加していく取り組みを試行している。さらに、平成27 年2月に全国喫茶コーナー交流会を実施し、市内のコミュニティカフェや精神障害者支援機関などと共同で分科会を企画・運営したこと、また保護者・支援者セミナーを発展させてNHK学園高等学校と3月に共催事業を実施することは、問題への包括的アプローチが可能な公民館だからこそ、ネットワークのハブになることができたと考えている(関係図参照)。

ページ上部へ

4.計画立案段階及び取組実施段階における関係者、団体等との連携・協働体制

ページ上部へ

5.この事業によって得られた成果・得られなかった成果

(得られた成果)
@本事業の実施により、外国にルーツがある者や発達障害、精神疾患がある者などの参加が増加し、「自立に課題を抱える若者」のニーズを顕在化させることができた。

Aそうした若者のニーズに対し、公民館における学習支援や「居場所」、「中間的就労」を通じて人間関係を豊かにしていくユニバーサルなアプローチが有効に作用することを明らかにできた。

B若者支援における公民館職員の役割として、若者の継続参加と成長を支えるユースワーカー的役割と、若者と他者、関係機関・支援者を繋ぐネットワーカー的役割の2つの側面が重要であることを示すことができた。

C公民館の諸機能の限界を補完していくために、有用なネットワークの構築準備に着手できた。

(想定していたが得られなかった成果)

本事業は、3カ年での継続実施を念頭に計画を立案していたため、成果測定と事業評価は中途段階にある。「自立に課題を抱える若者」の人数が成果として求められがちだが、ターゲットサービスではなくユニバーサルサービスである点に公民館の強みがあるなかで、特別な支援が必要な「自立に課題を抱える若者」をどのように定義して対応するのか、また、試行的な教育事業である以上、成果を定量的に測定するよりも定性的にどのような学習・変容があったのか明らかにする方が重要ではないか等の視点も指摘されており、評価の指標や方法論の再検討は平成27 年度に残された研究課題である。

ページ上部へ

6.事業実施により構築できた取組プロセス、それを実現するためのノウハウ

3.に示した3段階の目標に対応して、本事業の取組プロセスを3つの要素に整理できる。

第一に、「開放性」の確保である。まず、若者が公民館の取り組みにアクセスするルートを豊富化するために、当事者ニーズを踏まえた事業内容と広報を充実させる。その際、若者の声を企画に反映させたり、SNSを活用して情報を拡散したりするなど、「支援の顔」をしていない(スティグマを伴わない)、敷居の低い「入口」にする必要がある。

第二に、「共同性→相互主体性」のプロセスへのコーディネートである。参加のきっかけを得た若者を「居場所」や「中間的就労」などの集団活動につなげ、他者との関係づくりを通じて、結果として社会関係資本の獲得(社会参加)につながる成長を公民館職員が支援していく必要がある。その際、被支援者であった若者がその後、相互に主体性をもち「支えあう主体」として成長していく可能性を伸ばしていく視点が重要になる。

第三に、公民館が本来有している「包括性」を活かしたネットワークづくりである。様々な地域課題に取り組み、諸団体と関わる公民館だからこそ、他の関係機関とつながり、コーディネートすることが可能になる。若者の課題に公民館が自前資源だけで取り組まずに、他の関係機関等と協働して事業づくりを行い、公民館の学習支援としての役割を見つけていく必要がある。

ページ上部へ

7.今後、事業の継続・展開の具体的な方針・戦略

平成27 年度は、当初見込んでいた国庫財源を事業予算に充当できないため、事業規模を縮小しつつ一般財源を中心に事業を継続し、成果測定・事業評価(事業報告書作成)に取り組む。その結果をフィードバックし、平成28 年度以降、市の総合的な若者支援施策を策定していくために、関係機関と協議していく。また、若者の自立支援に向けたネットワークが進展している立川市との連携を継続し、広域連携に向けた取り組みに発展させていく。

ページ上部へ

事例シート(ダウンロードファイルに同梱)


ページ上部へ

この情報の問い合わせ先

文部科学省 生涯学習政策局 社会教育課 公民館振興係
〒100-8959 東京都千代田区霞が関3-2-2
電話:03-5253-4111(内線2974)