公民館等を中心とした社会教育活性化支援プログラム(H26)

若者の自立・社会参画支援プログラム

もくじ

支援プログラムテーマ
受託自治体名
取り組みタイトル
ダウンロードファイル
1.この事業に取り組んだ背景(地域の現状、抱える課題)
2.事業の目的、目指した成果
3.事業の概要
4.計画立案段階及び取組実施段階における関係者、団体等との連携・協働体制
5.この事業によって得られた成果・得られなかった成果
6.事業実施により構築できた取組プロセス、それを実現するためのノウハウ
7.今後、事業の継続・展開の具体的な方針・戦略
事例シート
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支援プログラムテーマ

テーマ1 若者の自立・社会参画支援プログラム

受託自治体名

愛知県犬山市

取り組みタイトル

青少年センターとNPO との連携によるICT を活用した教育支援事業

ダウンロードファイル

(PDFファイル)

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1.この事業に取り組んだ背景(地域の現状、抱える課題)

ニートや引きこもり、不登校、精神疾患など、子どや若者の抱える問題が犬山市でも深刻化している。犬山市では、不登校の小学生の数(病気による不登校を除く)は19 人(出現率0.4%平成26 年1 月31 日現在)、中学生は71 人(出現率3.2%平成26 年1 月31 日現在)である。不登校の子どもたちの数は、年々微増傾向にある。
一方、就労できない困難を有する若者も増加しており、生活保護費等の社会福祉費が犬山市でも増加の一途をたどっている(犬山市保護率4.29‰ 平成26 年1 月末現在)。全国的にみても大卒者の就職内定率は低く、10 人に4 人は就職できない現状がある。
犬山市では、困難を有する子ども・若者を支援するための組織強化を図るため、平成24 年8月に青少年センターの大規模な機構改革を行い、それに伴い相談事業の充実や、青少年健全育成事業の推進、発達障害の子どもたちへの支援活動等に積極的に取り組み始めたところである。また支援をつなぐしくみづくり、子ども若者育成支援ネットワーク組織に向けて検討を重ねている時期でもあったため、モデル的な取り組みとして、当事業に取り組むこととした。

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2.事業の目的、目指した成果

若者の自立を促すためには、就労に結びつく支援が不可欠である。また、不登校となってしまった子どもたちには、自信を取り戻してもらい、将来に対する夢が抱けるようなキャリア教育を早期に行っていくことが必要であると考えた。
しかし、このような就労支援事業や不登校の子どもたちへのキャリア教育は、行政のみでは実現が困難であるため、青少年センターを核としながら、NPO 等民間の力も活用し、重層的に行っていくことが効果的であると考えた。そのためNPO によるICT 事業を幅広く展開してきた犬山市の地域力「強み」を生かし、ICT に特化した事業を展開することした。
また、本事業が、今後の犬山市におけるICT を活用した就労支援、居場所作り支援のための実践的なモデル事業となることを目指した。就労支援事業においては、就職に有利な資格の取得のみならず、希望する者には、NPO における指導者養成講座にシフトできるような受け皿を提供し、教えられた人が教える立場となることも目的とした。また、キャリア教育においては、IT 機器の利用術、iPad操作及び活用術コンピュータープログラミングを専門的に学ぶ外、共同作業を通して、コミュニケーション力の向上を図り、学校に復帰できるような支援を目指した。
就労支援事業と、不登校の子どもたちへのキャリア教育は、別々の事業として展開したが、将来的には、二つの事業に相関性が生まれ、就労支援事業においてICT を学んだ者が、キャリア教育における指導者へと繋がっていくことを目指していきたい。

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3.事業の概要

3 つのICT を活用した教育支援事業を生涯学習の拠点施設である公民館等を会場とし、青少年センターと、NPO 法人「いぬやまe-コミュニティーネットワーク」の連携により実施した。

@就労支援のためのICT 講座の開催〜めざせ資格取得〜
《対象》
就労していない若者、就職活動中の学生、離職した若者、キャリアアップを目指す若者、身体障害者で自立支援を目指している若者、生活保護受給者で自立支援を目指している若者等20 名を公募(16 歳〜40 歳未満)

《内容》
3 時間×10 回×2 期(前期・後期)×2年間実施、講座修了時に就労に役立つMOS(マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト)の資格取得を目指す

《実績》
H25 年度:46 人受講、29 人受験、内28 人が合格 H26 年度:38 人受講、26 人受験、内25 人が合格 (H26 年度後期講座については、一部試験未実施。今年度中に10 名が受験予定)

《評価》
犬山市社会教育審議会及び青少年問題協議会( 第3 者機関) への報告及び意見徴収

●犬山市社会教育審議会10 人・・・報告会2 月5 日に実施。

(構成)
NPO 団体、文化協会、体育協会、コミュニティ推進協議会、学識経験者(名古屋経済大学教授外)、文化財保護審議会、主任児童委員会、婦人会連絡協議会、社会教育指導員

●青少年問題協議会12 人・・・報告会は4 月15 日に実施予定。

(構成)
子供会連絡協議会、校長会代表、議員、NPO 団体、少年補導委員会、警察、学識経験者、ボーイスカウト・ガールスカウト連絡協議会、保護司会、主任児童委員、青年代表

A不登校の児童生徒のためのICT 講座の開催〜キャリア教育事業〜
《対象》
不登校の子ども達の教室「適応指導教室」に通う児童・生徒

《内容》
パソコンやiPad アプリケーションの活用術及びゲーム等のプログラミング講座
H25 年度2 時間×24 回(延べ48 時間)実施 H26 年度2 時間×20 回(延べ40 時間)実施

《実績》
H25 年度14 名、H26 年度14 名の児童・生徒が参加
事業の実施にあたっては、困難を有する子どもたちを対象者としているため、青少年センターの職員や、適応指導教室指導員、NPO の3 者で包括的な連携を図り、慎重に進めた。毎回報告書を作成し、子どもたち一人ひとりの心に寄り添えるよう、きめ細やかな対応を心掛けた。特に指導方法については、子ども達によって異なるため、子ども達の特性や興味等、指導におけるポイント等を3 者で共有した。報告書については、教育長までの決裁とし、講座終了毎に当事業の内容を教育委員会においても報告し、アドバイスを得ることとした。

《成果》
事業実施の一番大きな成果として、子どもたちがICT 講座に関心を持ち、講座の開催中は、全体行動ができるようになったことが挙げられる。また、この2 年間の事業実施期間において、適応指導教室に通うことができなかった不登校の児童2 名が、この講座の参加を通し、適応教室に参加できるようになった。

B「ロボット塾」の開催〜子どもの居場所づくり事業〜
《内容》
レゴロボット製作キットによるオリジナルロボットの作成
3 時間×5 回(平成26 年7 月22 日(火)〜8 月26 日(火))実施

《実績》
小学生4 年生〜6 年生とその保護者8組が参加(応募総数24 組)
講座終了日にはロボットコンテストを実施し、作成したロボットの成果を競い合った。開催場所であるいぬやまICT 工房が今後も子どもたちの居場所となるよう、講座開催期間中は、子どもたちの質問に随時対応した。

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4.計画立案段階及び取組実施段階における関係者、団体等との連携・協働体制

当該事業を実施するにあたり、計画立案段階では、青少年センターとICT 事業を進めるいぬやまe-コミュニティーネットワークの2組織だけであったが、取組み実施段階では、青少年センターを中心に、福祉課の就労支援員、適応指導教室の指導者、ハローワークの担当者、市内の大学関係者など、様々な団体や個人と結びつくことで、連携・協働体制が図られた。

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5.この事業によって得られた成果・得られなかった成果

(得られた成果)
全体としての成果は、当事業を通して連携が図られ、子ども若者を支援するネットワークが形成されたことが挙げられる。また、指導法や教材は、2 年間の事業実施の蓄積により形づくられた。

@就労支援のためのICT 講座の成果

(1)受講者アンケート(受講後)
就職活動に大いに役立った41%、就職活動に役立った59% (平成26 年度実施アンケート)

(2)就労に実際に結びついたかの追跡調査 (平成27 年3 月19 日現在)
犬山市のICT 講習に現在在籍する当事業の受講生において追跡調査を聞き取りで実施した。5 人中3 人が就労支援講座受講後に事務職又はICT インストラクターとして就職したとの報告を受けた。

A不登校の児童生徒のためのICT 講座の開催〜キャリア教育事業〜の成果
事業実施の一番大きな成果として、子どもたちがICT 講座に関心を持ち、講座の開催中は、全体行動ができるようになったことが挙げられる。また、この2 年間の事業実施期間において、適応指導教室に通うことができなかった不登校の児童2 名が、この講座の参加を通し、適応教室に参加できるようになった。

B「ロボット塾」の開催〜子どもの居場所づくり事業〜
参加者たちは皆創意工夫を凝らし、熱心にオリジナルロボットを完成させた。講座開催期間中は、講座以外の時間帯においても子どもたちの質問に随時対応するなど決め細やかなフォローを行ったこともあり、講座後のアンケートでは、83.3%が満足、16.7%がやや満足の回答があった。

(想定していたが得られなかった成果)
不登校の児童生徒のためのICT 講座の開催については、数値目標の設定が当初から困難であった。子どもたちを学校や社会や未来へ「つなぐ」事業となることを成果として掲げてはいるが、「教育」という効果が早急に現れ難い分野において、成果をどこに見出すかが課題であった。
また、不登校の子ども達の指導においては、個々のペースを重視し、無理強いせず慎重に指導を行う必要があり、指導者が求めるカリキュラムどおりにはいかないことも多々あった。それでも、2 年目は1 年目よりも子ども達のまとまりが良く、継続的な事業実施によるノウハウの積み重ねが大切であると実感した。

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6.事業実施により構築できた取組プロセス、それを実現するためのノウハウ

事業実施により構築できた取り組みプロセスは、事業の積み重ねによって築かれた指導法と指導カリキュラムにおいて構築された。特に不登校の子ども達を対象とした事業では、試行錯誤を繰り返しながら、子ども達への接し方や、効果的な指導法等、回を重ねる毎に様々なノウハウが蓄積された。対応については、子ども達によっても異なることから、どの子がどのようなことに関心を寄せ、特性があるかなど個別の情報も共有し、事業に役立てた。これらのノウハウについては、NPO の指導者間のみで共有するSNS(ソーシャルネットワーキングシステム)で公開してきており、支援者間の情報共有が図られた。また、毎回事業後には指導者が詳細な記録をとっており、その記録自体が取組プロセスであり、本事業の財産であると考える。今後は、さらなる実績を積み重ねていくことで、プロセスを体系化し、「モデル事業としての見える化」を図っていくことも検討したい。

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7.今後、事業の継続・展開の具体的な方針・戦略

犬山市の強みであるICT に特化した事業を展開していくことについては、一貫して取り組んでいきたい。そのため、ICT を活用した人材育成型の講座は、本事業を出発点として今後も子どもや若者を対象に継続的に実施する方向である。来年度以降は他の補助制度も活用しながら、 講座開催時に構築されたネットワークを活用しNPOや犬山市の自主事業として取り組んでいくこととしたい。就労支援のための講座では、ハローワークとの連携を密にし、事業の周知などを積極的に行っていきたい。また、不登校児童生徒のためのキャリア教育については、まずは、自宅で引きこもっている子どもたちが、スモールステップとして、適応指導教室には通学できるようになることを目指していくこととしたい。ロボット塾については、子どもの豊な発想力を育む事業として、誰もが気軽に立ち寄ることができる居場所「いぬやまICT 工房」において継続して実施していく予定である。最終的には、当該事業においてICT 教育を受けた者が、将来キャリア教育等の指導者となり、「支援を必要な人が支援をする側」へ変わり、「支援が必要な人と支援をする人が繋がる」仲間づくり・居場所づくりができるようにしていくことを目標にしたい。そのために、NPO の事業展開において、ICT の技術の習得だけではなく、指導者育成へと繋がる教育が行えるような仕組みづくりをしていきたいと考えている。

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事例シート(ダウンロードファイルに同梱)


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この情報の問い合わせ先

文部科学省 生涯学習政策局 社会教育課 公民館振興係
〒100-8959 東京都千代田区霞が関3-2-2
電話:03-5253-4111(内線2974)