公民館等を中心とした社会教育活性化支援プログラム(H26)

若者の自立・社会参画支援プログラム

もくじ

支援プログラムテーマ
受託自治体名
取り組みタイトル
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1.この事業に取り組んだ背景(地域の現状、抱える課題)
2.事業の目的、目指した成果
3.事業の概要
4.計画立案段階及び取組実施段階における関係者、団体等との連携・協働体制
5.この事業によって得られた成果・得られなかった成果
6.事業実施により構築できた取組プロセス、それを実現するためのノウハウ
7.今後、事業の継続・展開の具体的な方針・戦略
事例シート
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支援プログラムテーマ

テーマ1 若者の自立・社会参画支援プログラム

受託自治体名

広島県神石高原町

取り組みタイトル

若者参画による過疎地域活性化事業

ダウンロードファイル

(PDFファイル)

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1.この事業に取り組んだ背景(地域の現状、抱える課題)

神石高原町の過疎高齢化率は44.56%。中山間の本地域は若者が減り、お年寄りが増え、もはや増えたお年寄りさえ減っている。地域で守られてきた農地も家の消滅や高齢化で耕作できなくなり,耕作放棄地は増加。コメは農作物の中でもあまり手のかからないとされているが、もう米さえ作れない所も多く見受けられるようになった。10年後・20年後、このまま時間がたった場合,自分の住む地域が、また「ふるさと」がどのようになっていってしまうのか。若者は明るい未来が想像できず,地域から目をそらしているのが現状である。この現状での課題は(1)活力ある地域づくり 若者が目的意識をもって地域へ参画すること。(2)新規産業の創出 高齢者でもでき、また地域の雇用が生まれる産業の創出(3)若者を地域へ根付かせ,高齢者や他地域との連携交流 若者世代の希薄化している人間関係を社会的課題の解決を目指した学習、そしてその学習を活用した活動を通して地域全体の絆を深めること。などが挙げられる。また,そのために若者が地域リーダーとしての成長し、活動することが課題となる。

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2.事業の目的、目指した成果

1 若者の地域社会への参加 今すでにある地域行事へ若者が参加、参画することで地域に対する意識,意欲,ふるさと愛を再発見する。また,若者同士のつながり、新しい事業を企画・実施していく上における地域での社会的関係等の基盤づくり,さらに地域(資源)を考える場を創る。成果としては既存行事への参加者増加,行事活性化・新たな展開(リニューアル)をおこなう。

2 若者の地域資源等の学習 自分の住む地域(資源)をより客観的にとらえる協議・学習をおこない理解を深める。成果として地域資源を活用したナマズ養殖事業の成功を目指す。

3 若者の地域のマネージャーへの成長 地域資源を結び合わせ編集する,さらには他の資源と結び付けるコーディネーターとして自分が住んでいる地域をいかに住みよくしていくかを考え,さらには世代間・地域間・都市農村間の関係を築く地域のリーダーへ成長する。事業成果として地域資源・各種団体等を結びつけナマズの商品化・新作業創出による地域の活性化を目指す。事業の実施については地域社会での学習(教育プログラム)と新規産業創出(産業プログラム)のバランスを保ち,経過学習を大切に 若者の成長を目指す。

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3.事業の概要

1 若者の地域社会への参加 既存の地域社会行事への参加として地域で行われている盆踊りは近年参加者が減少し,活気がなくなっていた。この行事について計画段階から若者が参加し,協議した。その結果新しい催しとして「伝統的なくどきの踊り」を地域の盆踊り保存会に習い、銭太鼓、若者のカラオケ,子供向けのアンパンマン音頭などを夜な夜な集まり練習した。そして当日若者が揃いの浴衣で披露し,会場をにぎわせた。運動会へは連携している広島県立大学学生も参加しともに汗を流した。その他,神祇・バレーボール・敬老会などへ計画段階から若者が参加し実施した。来年度も引き続き実施する。

2 若者の地域資源等の学習 ナマズ養殖事業について油木高校・広島県立大学と連携し学習会の開催。そして学習の成果により実際に養殖を実施している。またナマズについてさらに広く知ってもらうため土用の丑の日に中学校の納涼祭でナマズ丼を振舞い,高校と連携し広島マツダスタジアムでナマズのPRを行った。TV・新聞等マスコミを活用し,事業について発信をおこなっている。来年度は高校と自家製稚魚を作る研究を共同実施する予定である。

3 若者の地域のマネージャーへの成長 地域資源のコーディネートする視点でナマズの商品化を目指す。本年度広島県立大学との連携により地域資源とアンケート調査からのCS分析・成分分析からの付加価値などを学習し繋ぐ。運動会へ参加してくれた大学生はCS分析について卒論で取組、地域で発表してくれた。さらに来年度はナマズを起点に世代間・地域間・都市農村間の関係を築く事業を企画する。

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4.計画立案段階及び取組実施段階における関係者、団体等との連携・協働体制

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5.この事業によって得られた成果・得られなかった成果

(得られた成果)
1.地域の各種団体が一同に集結し,意思統一を行い、活動を行うことにより,各種団体の連携が図られ,これまで地域行事の手伝い等で参加率の低かった若者世代が,若者の団体の結成により,地域行事へ企画の段階から主体的に関わって行くようになった。そのため,地域行事への若者の参加が増え、それにともない全体の参加者も増加した。また,地域行事のリニューアルによる活性化が図られた。若者が参画していくことから世代間の絆が深められた。

2.ナマズ養殖等学習を通じ,地域の教育力の向上が図られ,また,各種会議に若者の団体が参加することから,自分の地域について考える意識をもつようになり,将来の地域づくりを考え,形づくるきっかけとなった。その中から新産業の創出という目的を持ちナマズの養殖に取り組んでいる。

3.大学・地元高校など外部人材と連携をとりながらナマズの商品化を目指した地域ぐるみの取組みを行い,マツダスタジアム・地元中学校での納涼祭・地元イベント(雨天のため中止)でのPRをおこなった。また,PTAの研修会等でのアンケート調査を大学生と実施した。アンケートを実施するにあたり,油木高校のノウハウ等を県立広島大学へ伝えたり,合同で研究を行う体制が整った。油木高校と県立広島大学と連携を行える体制を整えたことにより地域と外部との連携だけでなく互いに学び会うネットワークを構築するができた。

(想定していたが得られなかった成果)
1について 地域行事への外部参加者について大学生等の参加があったものの少人数であり,地元出身者や外部参加者についての連携が不十分であった。

2について 養殖について着実に進展しているものの,事業の過程での達成感を感じる企画が不足しており,続く活動において企画していく必要がある。

3について 個々が成長していくために役割分担をし,実施することが必要であるが,効率的・効果的な役割分担が不十分である。

地域における世代間交流以外の地域間・都市農村間の交流が不十分である。

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6.事業実施により構築できた取組プロセス、それを実現するためのノウハウ

地域の若者団体の設立について
1,立ち上げの契機となったこと
@ 若者の声:地元の行事に若者の参加者が少ない。どうにか昔のような賑わいが取り戻せないものか。

A 地域の要請:町まちづくり推進課主宰の「5年後10年後を見据えたまちづくり推進計画策定」を検討している中で,「地域行事への若者参加の促進+若者人材育成」が不足している。これは,今後の「まちづくり」を推進していく上で,大変重要かつ基本的なポイントである。まちづくり計画策定委員会で「一度,若者の意見や要望を聞く会をもってみよう」と共通認識された。

以上の2つのことがらから,「若者と草木を語ろう会」「草木若者協力支援隊の発起会」の開催につながった。

2,組織づくりについて
@ 誰が誰に対して声掛けを行ったのか。
まちづくり計画策定委員,自治振興会の役員が,若者団体の核となってくれそうな地元の若者5〜6人(親を知っていて声がかけやすい)を我が家に呼んで話をした。

A どのような声掛けを行ったのか
内容:現状を話し,地域づくりへの協力(強力)者を依頼し,その為の若者グループの組織づくりを呼びかけた。
方法:ある程度見通しが見える原案を作成して説明した。

B 組織作りで工夫した点
自治振興会組織の中に位置づけた

3,公民館の関わり
@ 地域への連携:若者の声・地域の要望により草木地域での若者団体設立の動きに対して,組織作りの進め方をまちづくり計画策定委員,自治振興会の役員と意見交換を行いながら進めた。また,若者への声掛けは地元組織で行ってもらうこととした。

地域の若者団体の設立後の支援について
1,若者と地域との関係性の構築
@ 若者の地域づくりへの参画を通して,理解や意識の醸成を図っていった。
(自治振興会やまちづくり推進協議会の役員として&地域行事の中へ位置づける)
企画段階から参加することにより,地域行事を手伝わせるから,自ら行うといった意識に変革していった。

2,若者の地域への関心を高める働きかけ
@ 自治会やまちづくり推進協議会の会合の中で,適宜,強力支援隊の活動報告等をしてもらう。
A 強力支援隊の活動内容を地域の広報紙で紹介する。
B 活動をマスコミ(テレビ,新聞)で取り上げてもらう。

以上の3つにより情報提供することで,自己存在感を持ってもらう=地域への存在感→関心につなげた。

3,若者が主体となる活動となるためのポイント
@ 公民館が強力支援隊と自治振興会とのパイプ役として動く。または,動ける人材を見つけて協力をお願いする。
A 公民館が気軽に相談に応じたり,適宜助言もしていく。または,相談に応じるなかで,適宜助言できる人材を見つけて,協力をお願いする。
B 活動に必要な人的援助や経費的援助(できる範囲内で)
今回の事業では,人的援助については自治振興会に要請をおこなった。経費的援助は町,自治振興会で支援をおこなった。
C 自治振興会(まちづくり計画)の活動計画の中で,強力支援隊の活動の場を位置づける
「地域活力が芽生える地域づくり」
1若者を活かした地域づくりを目指す。2新産業の創出を目指す。 D 地域行事(盆踊り・運動会等)の立案に際して,若者の考えを取り入れる。若者の活躍できる場づくりの工夫
(例)
盆踊り:浴衣の貸し出し,若者カラオケ発表,新作踊り発表(アンパンマン音頭)
運動会:売店,係の分担,若者向け種目設定,各種目への参加要請 など
E ナマズ養殖は楽しみながら,半分遊び心でやろう→ 義務感,やれされてる感では長続きしない
興味をもつところからスタートし,やらされてるではなく,自らやっている感覚を若者に持たせることが重要であるため。

以上の6点が事業を進める上でのポイントとなった。

ナマズ事業について
1,なぜナマズなのか
本町唯一の高校である油木高校がナマズの養殖取り組んでおり,廃校となった小学校跡地のプールでそのナマズの養殖を行わせてほしい申し出があり,ナマズの養殖が始まった。その小学校跡地の施設は廃校後に公民館となり,現在は社会教育施設として草木地域の学びの場の拠点として利用されている。その場所でのナマズとの出会いからナマズの養殖に取り組むことになった。

2,耕作放棄地の活用方法について
今回のナマズを養殖している池は,もともと田んぼであった場所である。田・畑は農地法という法律があり農地として守られている。農地以外の用途使用する場合には,用途の変更が必要なってくる。
@ 農業振興地域における農用地区域変更申請
農用地の転用及び地目変更等を希望する場合は,農業振興地域からの除外申請が必要なり,除外申請を希望する場合は,申請書に登記簿謄本及び法務局備え付け地図の写し,位置図,現状写真を添付のうえ,産業課へ提出が必要。申請時期は,4 月と9 月の年2 回のみとなっている。

A 農地等を農地以外に変更する場合(自己所有の転用)農業委員会に申請(4条申請)
(※その農地が,農業振興地域整備計画の農用地区域内に指定されている場合は,区域の除外手続きをしないと許可にならない。)
必要な書類:申請書,登記簿謄本,位置図,現況地番図等,農地法第4条様式現況写真
以上の2件の申請が必要になったため,担当課との連絡調整,資料収集等は公民館でおこない,地権者との交渉は地元組織にお願いをし,分担して養殖池の整備を進めた。

B 養殖池の造成
若者団体と相談し,地元業者に協力を依頼し,重機のみを格安で借り上げ,若者団体の中で重機の免許をもっているものが作業をおこない整備した。

3,大学との連携について
県立広島大学の教授を迎え学習を深めていく過程で,平成26年度より「地域課題解決研究」として町が県立広島大学へ依頼し,ナマズの市場調査,成分分析に取り組んでもらっている。そのなかから,自分たちが育てているナマズについて,学習を深めていく機会をもつことができている。また,県立広島大学の学生が地域行事への参加をしてくれ,地域と大学との交流をもつ機会をつくることができた。
活動する上で核になる若者の団体を作ることが必須であるが,明確な目標があれば別として,具体的なことを後決める場合は今の若者達が団体を立ち上げることは難しい。今回核となる地域の若者団体の設立は地元自治振興会からの切実な要請ではじまった。役割だけ任せられると地域の仕事の丸投げだと感じ,まだ自分たちの順番ではないと感じると思う。しかし,若者たちには地域から必要とされ,これからを託されているという思い伝えられたことが大きかった。団体は自治振興会の傘下として位置づけられ,予算的な措置も当初地域から援助もあり,地域からのバックアップや受け容れもスムーズに運んだ。

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7.今後、事業の継続・展開の具体的な方針・戦略

1,地域との連携
この事業をとおして設立された若者グループが地域で自立し,地元の各種団体と連携し,社会教育施設を中心に地域行事や課題に取り組んでいける体制を構築する。そのためには,地元出身者等に呼びかけ一緒に活動していくメンバーを増やす。

2,ナマズ事業を通しての取り組み
本町としてはこの事業を継続して実施予定である。予算はこの2年間の事業について一定の成果が認め,単独町費で来年度当初予算において生涯学習関係補助金で40 万円を要求している。また油木高校と地域がナマズの稚魚生産を共同研究する池を作るため町産業関係補助金を200 万円,12月補正予算で地域へ予算化し,本年度完成予定である。油木高校は町内唯一の高校であり,高校と連携した事業で成果が上がることは高校への志願率の向上,高校の存続,そして高校入学とともに地域から流出する若者を地元へとどめることになる。これは地域も共有している想いである。具体的な計画としてナマズ養殖事業は各種団体と連携しながら,養殖技術の向上,商品開発・販売・宣伝といった6次産業化を産業プログラムとして進める。また,養殖技術等のノウハウが完成をめざす。ノウハウ完成後には,事業化については,町または住民のどちらが主導で行うのかまた違う形で行うのかを町・大学・高校・地域住民を含めた整理が必要となる。

3,外部との交流
その流れと並行して,若者の地域リーダーとしての成長を促す教育プログラムを事業目標へ向かうための学習,実践として引き続き実施する。特に産業化へも必要となるナマズを食べることを広げるPRや養殖への賛同者を増やすことなどを目指した地域間・都市農村間等の交流をおこない地域資源と社会を繋ぐ企画・実施を若者が行い体験・学習していく事業をおこなっていきたい。

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事例シート(ダウンロードファイルに同梱)




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この情報の問い合わせ先

文部科学省 生涯学習政策局 社会教育課 公民館振興係
〒100-8959 東京都千代田区霞が関3-2-2
電話:03-5253-4111(内線2974)