公民館等を中心とした社会教育活性化支援プログラム(H26)

地域の防災拠点形成事業プログラム

もくじ

支援プログラムテーマ
受託自治体名
取り組みタイトル
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1.この事業に取り組んだ背景(地域の現状、抱える課題)
2.事業の目的、目指した成果
3.事業の概要
4.計画立案段階及び取組実施段階における関係者、団体等との連携・協働体制
5.この事業によって得られた成果・得られなかった成果
6.事業実施により構築できた取組プロセス、それを実現するためのノウハウ
7.今後、事業の継続・展開の具体的な方針・戦略
事例シート
この情報の問い合わせ先

支援プログラムテーマ

テーマ2 地域の防災拠点形成事業プログラム

受託自治体名

茨城県鹿嶋市

取り組みタイトル

公民館防災マニュアルシート・家庭版防災ノートを活用した防災訓練
家庭版防災ノートわが家・わたしの防災ノート全集落(自治会)作成事業

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(PDFファイル)

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1.この事業に取り組んだ背景(地域の現状、抱える課題)

東日本大震災において、鹿嶋市では津波や道路・宅地の液状化、マンホールの隆起等甚大な被害を受け、市内数箇所の公民館は避難所となり、地域住民、行政関係者などが手探りで避難所運営を行っていた。住民の防災意識は一気に高まり、公民館においても平成23年度以降、地域の防災マニュアル作成の取り組みに段階的に着手した。
一方で、行政機関などによる支援「公助」には限界があり、自分の身は自分で守る「自助」、隣近所や地域で協力して守る「共助」の重要性が再認識されているにもかかわらず、鹿嶋市においては自治会の加入率の低下が進むなど地域コミュニティの弱体化という課題がある。東日本大震災以降、地域住民が高い関心を示している防災を切り口とし、訓練等を通じてお互いの役割や存在を確認することで、地域コミュニティの強化につながることが期待できる。

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2.事業の目的、目指した成果

(1)公民館防災マニュアルシート・家庭版防災ノートを活用した防災訓練
公民館が中心となり、集落・自治会等と連携して防災事業(防災訓練等)を実施していくことで、地域における防災力の向上を図るとともに、避難者自らが避難所運営に積極的に参画することで、さらに災害に強い地域づくりを推進することができる。また、これらを集落・自治会等と連携して展開していくことで、地域住民一人ひとりの自助・共助の意識を育み、高めていくとともに、地域コミュニティの強化、ソーシャルキャピタルによる自治会活動の活性化を目的とする。

(2)家庭版防災ノートわが家・わたしの防災ノート全集落(自治会)作成
「わが家・わたしの防災ノート」を地区住民とともに作成し、全集落・自治会に配布することで、外出先で災害が起きた時、家族はどこに避難するのか、わが家・わたしの必需品は何なのか、頼り合える仲間は誰なのかなどの情報が共有できることで、いざという時に地域(公民館区単位、集落・自治会単位、家庭の単位)で連携し合い、自分の身を自分で守る「自助」、地域や隣近所の人たちが協力し合う「共助」の意識を醸成していくことで、地域のソーシャルキャピタルの向上を目的とする。

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3.事業の概要

 「地区公民館防災マニュアルシート」に基づき、実際に地区防災訓練を実施することで、地区公民館が避難所となったときに『何が必要』で、避難者同士が『どのような役割』を担うことになるのかを体験し、地域住民相互の助け合いにより避難所を運営していくために必要な役割を整理していくとともに、訓練をとおしてみえてくる課題と必要な取り組みを「地区公民館防災マニュアルシート」に反映(修正)していく。また、地区防災訓練を地区公民館が中心となり、集落・自治会等と連携して展開していくことで、地域住民一人ひとりの自助・共助の意識を育み、高めていくとともに、地域コミュニティの強化を図る。
 さらに、家庭版防災ノート「わが家・わたしの防災ノート」においては、平成25年度の取り組みにより整理された必要な情報や基本的な項目に、それぞれの地域ごとの特性を加味して作成し、全集落・自治会に配布する。また、「わが家・わたしの防災ノート」に基づき、一時避難場所への参集と避難や、家族の安否確認方法などを盛り込んだ地区防災訓練を実施することで、いざという時の地域(公民館単位、集落・自治会単位、家庭単位)の連携を確認し合い、今後の災害に備える仕組み作りを図る。

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4.計画立案段階及び取組実施段階における関係者、団体等との連携・協働体制

事業の計画段階においては、地区公民館長と地区代表者からなる「鹿嶋市まちづくり連絡協議会」と協議を行い、事業の再委託をお願いした。防災訓練実施については、全10地区の中から2地区を選出し、それぞれの地区で防災訓練実施向けて会議等を行った。災害を想定した時に子どもや高齢者の安否確認、避難所運営に必要な人材確保などの観点からまちづくり委員会と公民館で事前に協議し、参加協力を呼びかける団体を決めた。その結果、多数の地区内学校関係者(教員、PTAなど)、地区内協力者(区長、子ども会、まちづくり委員・民生委員・消防団・地区社会福祉協議会など)が出席をし、避難訓練の運営方法などについて活発な議論が交わされた。特に、小中学校からは意欲的な参加協力の申し入れもなされた。防災訓練時は、消防署や市役所防災担当課などとも連携し、市が公民館に配備する災害備蓄品の内容を点検し、さらに必要な物品等についての確認を参加者と共通認識しながら行った。防災ノート作成においては、市内81地区の自治会長・区長を中心に作成を依頼し、作成の補助を各地区まちづくり委員や公民館主事が行った。

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5.この事業によって得られた成果・得られなかった成果

(得られた成果)
○防災訓練の参加者の増加や下記のアンケートの結果から読み取れるように地域住民一人ひとりの自助・共助の意識は高くなっている。参加者増加の要因としては、学校の積極的な協力が得られ、児童・生徒・教員ばかりではなく、児童・生徒の参加が保護者などの参加を誘発した。家族単位での参加については、地域を形成する小集団の中でも最小集団である家庭のソーシャルキャピタルの向上につながったと考えられ、大きな意味がある。また、防災訓練実施向けて地区内の様々な機関・団体が連携して事業を行ったことで、普段交わることのない人たちが交流することができ、地域コミュニティの強化につながったと考えられる。特に、地域の大人たちが汗を流す姿を子どもたちが目の当たりにしたことで、将来につながるコミュニティ意識の醸成を図ることができた。

・防災訓練参加者数(鹿島・平井地区の合計)H25:約230名→H26:約1、500人
・アンケート(避難場所を知っているか?)H25:78.4%→H26:97.5%

○学校関係と連携して事業を進める体制が構築出来たことは、防災事業以外の様々な地域課題についても、その解決に向けた協力の枠組みを形成できたと実感した。学校側も学校教育における、地域社会との関わりの重要性を認識しており、今後の事業展開の後押しとなることが考えられる。

○防災ノート作成において、多くの地区で公民館が避難所として指定されていることや、防災訓練を公民館が中心となって行うことで、公民館が地域の住民の参加やふれあいの拠点(プラットホーム)になっていることを多くの住民に印象付けることができた。

(想定していたが得られなかった成果)
○防災ノート作成作業を通した地域のソーシャルキャピタルの向上を想定していたが、大半の地区において作成作業は区長などの役員が中心とならざるを得ず、必ずしも住民全体のソーシャルキャピタルの向上に直結しなかった可能性はある。地域住民全体が集まって作成作業をすることは難しく、一部の役員で作成する方法がまとめやすいためだと思われる。それでも、かなりの地区で正式な役員会議等の機会において検討していただいた。

○「地区公民館防災マニュアルシート」の避難所運営組織を細分化しすぎて分かりづらくなってしまったという課題があり、防災訓練の反省会で、修正を加える予定だったが、今年度中には結論を出す時間的な余裕がなかったため、次年度への課題となっている。

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6.事業実施により構築できた取組プロセス、それを実現するためのノウハウ

地域住民に課題を提示し、それに対する方策を住民自らが実施し、実施した内容について自ら評価する取組プロセスを取った。ノウハウとしては、防災という切実なテーマに取り組んだことで、住民の学習意欲を高めることが出来た。地域課題は様々あり、その問題について、公民館が提起するのか、住民が提起するのかは別にして、地域の課題として共通認識を図ることが出来れば、その後は協働して解決に向けた実践につながるように組み立てることが重要である。また、大きなものから小さいものへ落とし込み、モデルを作成し、モデルを基に全体に広げる形で事業を進めた。具体的には、小学校区別防災マニュアルから自治会別防災マニュアルへ落とし込み、自治会別防災マニュアルをベースに防災ノートを20の代表地区に平成25年度作成していただいた。そして26年度、作成した防災ノートをモデルに未作成の81地区分を作成した。準備段階を含めて2年以上にわたる取り組みは、公民館としても初めての経験であり、今後活用すべきプロセスとして期待感がある。

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7.今後、事業の継続・展開の具体的な方針・戦略

来年度以降については、鹿嶋市全ての公民館で防災マニュアルシートを活用した防災訓練を実施し、防災訓練をとおしてみえてくる課題と必要な取り組みを防災マニュアルシートに反映(修正)していく。またアンケートを実施し、地域の分析・評価を行い、防災面のみでなく、広く地域課題や生活課題にアプローチするような事業の企画立案に活かしていく。防災ノートについては、作成した防災ノートが各家庭で活用されるように広報活動を継続して行う。また、防災ノートの内容については、地域の現状に合わせて定期的に見直していくことが必要であり、行政区区長、副区長を中心とし、公民館職員がフォローしながら防災ノートのブラッシュアップを行っていく。現在、防災訓練の反省会やアンケートの結果から「災害時要援護者」や「一人暮らしの高齢者」へのケアのあり方などの福祉に関する課題が出ており、鹿島と平井地区ではこの課題に対して、防災からアプローチして事業に活かしてくか、福祉の面からアプローチして新規事業又は既存事業とコラボレーションして進めていくか、議論が進められている。課題の共有に向けての必要な支援を適切に行うことが大切である。

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事例シート(ダウンロードファイルに同梱)


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この情報の問い合わせ先

文部科学省 生涯学習政策局 社会教育課 公民館振興係
〒100-8959 東京都千代田区霞が関3-2-2
電話:03-5253-4111(内線2974)