公民館等を中心とした社会教育活性化支援プログラム(H26)

地域人材による家庭支援プログラム

もくじ

支援プログラムテーマ
受託自治体名
取り組みタイトル
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1.この事業に取り組んだ背景(地域の現状、抱える課題)
2.事業の目的、目指した成果
3.事業の概要
4.計画立案段階及び取組実施段階における関係者、団体等との連携・協働体制
5.この事業によって得られた成果・得られなかった成果
6.事業実施により構築できた取組プロセス、それを実現するためのノウハウ
7.今後、事業の継続・展開の具体的な方針・戦略
事例シート
この情報の問い合わせ先

支援プログラムテーマ

テーマ3 地域人材による家庭支援プログラム

受託自治体名

広島県海田町

取り組みタイトル

おせっかいおじさん、おばさんがまちを変える

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(PDFファイル)

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1.この事業に取り組んだ背景(地域の現状、抱える課題)

当町は人口約3万人、JRで広島駅まで10分という位置で広島市に隣接しており、就業やショッピング、学習活動など広島市の生活圏域であり、住民の地域への帰属意識が薄い中、都市化、核家族化が進んでいる。町が行った子育て支援に関するアンケート調査では、就学前児童は86.8%、小学生児童では79.8%が核家族世帯となっており、そのうち親族が近くに住んでいない世帯が3割ある。子育てが地域の人々に支えられていると思っていると回答した家庭は6割あるが、反面4割の家庭が地域に支えられていなと思っているという結果が出ている。また、転入転出者が毎年約3,000人(人口の1割強)あり、その大半が若い世代であるため、地域とのつながりが薄く、地域に支えられていないと思う家庭が多いものと想定される。これらのことから,本町では,都市化、核家族化や地域における地縁的なつながりの希薄化等による地域の教育力及び家庭教育力の低下が地域課題であると考えた。

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2.事業の目的、目指した成果

子育て世代を対象に講座を開設することで、若い世代の地域のリーダーを育成する。この事業で養成した「未来のまちのおせっかいさん」が自主的に実施する事業で巻き込みネットワークした地域住民(現役のまちのおせっかいさん)と共に、地域の課題に対して「自らの地域は自らの力で変えていく」という機運を醸成することによって、地域コミュニティが再生され、地域を活性化していくことでまちを変えていく。公民館が,課題に関係する行政の部局や地域の団体等と連携して解決できるよう,ネットワークの要となる。

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3.事業の概要

「おせっかいおじさん、おばさん(未来のまちのおせっかいさん)」養成講座の開設
今年度の「未来のまちのおせっかいさん」養成講座は、対象者を「小学生までの子供をもつ親」とし、昨年度受講者(1期生13人中6名)と今年度参加者(2期生4名)で実施した。
○講演会による意識付け及びスキル学習(2回開催)。
○ワークショップによる「当事者目線のまちの情報誌」づくりを通して、まちを知り、地域の課題や問題に気づく。またその情報誌を、情報を必要としている人に届ける方法の研究と実践。
○講座生が、地域を取り込んだ自主企画事業を実施することで、地域のおせっかいさんを知り、絆を紡ぎ、ネットワークを広げていく。

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4.計画立案段階及び取組実施段階における関係者、団体等との連携・協働体制

○福祉保健部こども課(子育て支援センター、児童館)、保健センター
【連携・協働内容】事前協議、職員の派遣、情報誌作成時の情報提供、情報誌の配布等

○企画部企画課
【連携・協働内容】事前協議、情報誌作成時の情報提供、広報への掲載等

○学校教育課(小学校・中学校)
【連携・協働内容】事前協議、情報誌作成時の情報提供、自主企画事業時の児童への参加募集案内等

○子育て支援サークル、まちづくりボランティア団体、文化団体やPTA等社会教育団体、社会教育委員の会議、民生委員協議会、自治会等の地域団体・機関、及び個人
【連携・協働内容】事前協議、情報誌作成時の情報提供、自主企画事業へのスタッフ参加等

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5.この事業によって得られた成果・得られなかった成果

(長期的視点で今後につながる成果)
○講座生の意識が、「自分の子育て」から「地域のみんなが良くなったらいいな」に視野が広がり、若い地域リーダーが「まちのおせっかいさん」として積極的に地域活動が出来る人材が育成できた。

○当事者目線での情報誌を自らが作成したことで、講座生に「少しでも多くの人に情報誌を届けたい」との意識が生まれ、乳幼児のいる家庭を対象に作成した「子育て版」では、自分たちと同様の「子育て家庭」のネットワークを駆使して配布したり、保健センターの1歳6ヶ月児健診や、3歳児健診に直接出向いて手渡しするなど、行政ではできないきめの細かい情報の提供方法を実践できた。また、全ての子育て家庭に情報が届くよう、転入手続き時や保健師が全ての乳児家庭を訪問する5ヶ月児健診時に、情報誌を手渡してもらうよう関係部局に依頼して実施した。今度小学校に入学する子供を持つ家庭を対象に作成した「小学生版」では、一日入学(小学校入学説明会)時に配付することで、情報を必要としている全ての家庭に情報誌が届く方法を実践した。これらの実践から、これまで難しかった小学校就学前児童のいる全家庭への情報提供方法が確立できた。

○地域の団体や組織との交流や地域を巻き込んだ自主企画事業を実施したことで、地域の多くの「現役のおせっかいさん」と知り合い、絆が生まれ、「まちのおせっかいさん」のネットワークが広がった。地域の団体等との交流では、ほとんどの団体等が後継者不足に悩んでおり、お互いの存在や思いを知ることで理解が深まり、連携して事業展開をしていくことの重要性が認識できた。また、講座生が自主企画・運営する自主企画事業では、地域を取り込んだ事業として多くのスタッフが必要な「逃走中ごっこ」を開催することとし、1期生を中心に立ち上げた新グループが自主的に30回以上の会議を重ね、イベントの企画書を作成し、必要な道具等手作りし、準備物を確保し、当日は運営を全て取り仕切るなど、足腰の強い団体に成長するとともに、多くのスタッフと協働で実施したことで、多くの「まちのおせっかいさん」を知ることができ、絆が生まれた。
そして、今回知った「まちのおせっかいさん」の人材データベースを作成し、これから広がりのある活動をしていくための基礎資料ができた。

○公民館が行政関係部局や地域の団体・個人との橋渡し役となり事業実施したことで、公民館がネットワーク行政の要となる筋道が出来た。情報誌づくりでは、講座生が企画した内容の情報を収集するため、公民館が子育て支援センター・児童館への取材では所管する福祉保健部と、小学校の取材では学校教育課と、地域の団体や個人への取材では生涯学習課や企画課等と事前に調整し、取材の依頼をして実施した。また、地域団体等との交流においても、公民館の持つ地域団体や個人の情報や、関係部署が持つ情報を収集し、調整して実施した。

(方策を実施したことで得られた成果)
○講演会後、参加者へのアンケートを実施し、住民の意識を把握するとともに、今後の事業実施の参考にする。
講演会@では、89%の参加者が講演内容について「良く理解できた」と回答している。
講演会Aでは、90%の参加者が「役に立つ話だった」と回答し、86%が「今日の話を聞いて子育てをしている家庭におせっかいをしたいと思った」と回答している。
【成果指標:講演内容の肯定的評価80%以上】

○地域の団体や組織7団体と交流し、お互いの思いを知り、理解を深めていくことができた。
【成果指標:地域の団体や組織5団体以上との交流】

○地域を取り込んだ自主企画事業を実施し、スタッフとして51人のまちのおせっかいさんの参加を得ることができ、ネットワークが広がった。
【成果指標:地域の人のスタッフとしての参加数30人以上】

○きめの細かい情報誌の配布方法の確立
講座生が子育て中家庭のネットワークを駆使して100冊、保健センター1歳6ヶ月健診時及び3歳児健診時に300冊、子育て家庭対象イベントで150冊を直接手渡しした。
【成果指標:直接手渡し数150件以上(新グループ会員1人が10人以上の新たな子育てママを知る)】

○自主企画事業の満足度
「逃走中ごっこ」は、1回目は予想をはるかに超える応募者があり急遽中止し、態勢を整えての再度の開催であったが、当日の天気予報が降水確率70%という開催が危ぶまれる中実施できたこともあり、スタッフのほぼ全員(聞き取り調査による)が良かった、楽しかったと回答した。
【成果指標:参加スタッフの満足度80%以上】

(想定していたが得られなかった成果)
○講座生が地域に出て行くことで、子育て以外にも地域には様々な課題があることに気づくことを想定していたが、2年間では地域の様々な課題に気づくところまではいかなかった。

○行政内の連携について
町には保育士が3人常駐している子育て支援センターが3館あり、福祉行政としての子育て支援は充実した町である。それだけに子育て支援担当部局では「子育て支援」に関しては充実した行政サービスを提供しているという思いが強く、子育て支援センターと同じ子育て中の親を対象に実施する「未来のまちのおせっかいさん」養成講座を開設することについては、行政間の垣根が高かった。そのため、継続した取組みによる実績を作っていくことでまず職員の意識を改革し、その後組織としての対応につなげていくよう考えた。この2年間の情報誌の作成・配付や自主企画事業の実施等により、他部局の担当職員は協力的になり「未来のまちのおせっかいさん」の存在が認知されてきた。次年度以降に、行政が組織として地域住民と協働で事業展開をしていく下地ができたと言える。

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6.事業実施により構築できた取組プロセス、それを実現するためのノウハウ

○家庭の教育力、地域の教育力を復活するため、少し時間はかかるが、次世代の地域リーダー「未来のまちのおせっかいさん」を育成することとした。そのため、地域(行政も含む)とのつながりの中で、子育てに関しての悩みや疑問など当事者として強い問題意識を持つ子育て世代を講座受講者として養成講座を開設した。そして、育成した「未来のまちのおせっかいさん」が「現役のまちのおせっかいさん」と共に主体的に地域課題に取り組む体制をつくることとした。
○事業を展開していく中での基本的スタンスとして、「自らが気付き、自ら考え、自ら行動できる」人材育成とした。
○行政他部局や地域の団体等と連携・協働して事業展開していくため、事業実施する場合に1年ごとに「育成する住民像」を広げていき、行政の関係部局や地域の関係団体が広がるよう企画した。

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7.今後、事業の継続・展開の具体的な方針・戦略

当初から3年計画で事業を企画しており,自立した団体として「自分たちの地域は自分たちで!」としっかり発言し,責任を持った行動が出来るように成長するためには、もう少し時間が必要である。そのため、定着するまでの数年間は単町で予算を計上し、以下の目的を達成できるよう育成していく予定である。

○循環型養成システムの構築
・ワークショップによる情報誌づくりを、「まちを知り、地域の課題や問題に気づく」場ととらえ、情報誌を継続作成することで、「自分たちが生活しているまち」に関心を持つ「未来のまちのおせっかいさん」を増やしていく。そして,修了生は自主グループの会員となるとともに、次年度のワークショップの指導者として参加することで、循環型の育成システムを構築する。なお、自主グループは将来自立した団体に成長することを見据え、情報誌の印刷は外注せず、講座生が作成する原稿を公民館で印刷する方式とする。また、作成する情報誌の内容を、お父さん目線のものや、高校生目線のもの、商工会関係者目線のもの、将来的には子育て家庭の支援にとどまらないものへ広げて行く。その場合、講座生はそれぞれの目線の該当者を対象者とし、色々な世代の受講生を育成していく。

○地域課題解決型の取組
・自主グループの活動をより発展させ積極的にまちに出て行くことや、色々な世代を対象にした育成講座を実施していくことで,多くの現役の「まちのおせっかいさん」を知り,子育て以外の地域の課題にも気付く。それら地域の色々な課題に対し、「まちのおせっかいさん」をネットワーク化し、地域で課題に向け取り組む体制を構築する。
そのため、まずこれまで情報誌の作成や自主企画事業で知り合った「まちのおせっかいさん」との絆を深めていくとともに、作成する「人材データベース」を活用し、地域の様々な情報が共有できる仕組みをつくる。
また、おせっかいさんの活動は地域による家庭支援にとどまらず、将来的にはまちづくり全般の土台となる存在になるため、行政は住み良いまちづくりのため、まちをあげて協働できる体制を構築していく。

○行政に依存しない自立したグループへの育成
・行政の事業として活動する場合の限界を認識する。
・地域の他の組織や団体と連携し事業を展開することで,人的資源や財源などが確保できることを学ぶ。
・より自立した団体として自由に活動できる体制について,先進事例等を学習し,この地域の実態に合った仕組みを作っていく。

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事例シート(ダウンロードファイルに同梱)


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この情報の問い合わせ先

文部科学省 生涯学習政策局 社会教育課 公民館振興係
〒100-8959 東京都千代田区霞が関3-2-2
電話:03-5253-4111(内線2974)