公民館等を中心とした社会教育活性化支援プログラム(H26)

地域人材による家庭支援プログラム

もくじ

支援プログラムテーマ
受託自治体名
取り組みタイトル
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1.この事業に取り組んだ背景(地域の現状、抱える課題)
2.事業の目的、目指した成果
3.事業の概要
4.計画立案段階及び取組実施段階における関係者、団体等との連携・協働体制
5.この事業によって得られた成果・得られなかった成果
6.事業実施により構築できた取組プロセス、それを実現するためのノウハウ
7.今後、事業の継続・展開の具体的な方針・戦略
事例シート
この情報の問い合わせ先

支援プログラムテーマ

テーマ3 地域人材による家庭支援プログラム

受託自治体名

長崎県南島原市

取り組みタイトル

家庭・地域の絆再生支援事業

ダウンロードファイル

(PDFファイル)

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1.この事業に取り組んだ背景(地域の現状、抱える課題)

本市は少子・高齢化、過疎化の進行や若者の県外流出に歯止めがかからない状況である。日本創成会議の提言では、2040年には若年女性の流出により、本市を含む全国で896市区町村が「消滅可能性都市」になると発表された。加えて、本市の18歳未満の親族がいる世帯に占める核家族世帯数は減少しているものの、その割合は年々増加し、その中の一人親世帯は数も割合も増加傾向にある。このように核家族化が進み、一人親世帯も年々増加している中で、不登校児童・生徒数やいじめ発生認知件数・幼児虐待相談件数の増加からも、家庭教育支援が行き届かない世帯が増加していることが顕著に表れており、いじめや不登校、児童虐待、生活困窮など支援が行き届かない孤立した家庭への支援のあり方が課題となっている。このため、課題解決に必要な施策として、地域人材を最大限活用し、学び合い、育ち合い、そして支え合う、互助・共助によるいじめ、不登校を出さない地域ぐるみの家庭支援環境づくりに取り組むこととした。

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2.事業の目的、目指した成果

「家庭教育の困難がもたらす、いじめや不登校等の児童・生徒を出さない環境づくり」は、発生予防から早期発見・早期対応、保護・支援といった、子供の成長に応じて人を支えつなぐ地域人材の育成と支援のためのプログラム開発及び学習機会の充実、そして、支援のネットワークの構築等が必要である。このため、生涯学習社会における社会教育の役割として、予防的観点から子育て支援は育ちの基盤整備が必要であり、教育的視点に立った引き上げと福祉的視点に立った支えの融合が不可欠であるため、行政の枠組みを超えてなおかつ関係機関と連携しながら支援体制の見直しを行い、公民館等(わくわく広場)を核として、0歳児を持つ親への教育支援をスタートプログラムと位置づけ、成長段階に応じた伴走型の教育支援を地域人材により行うこととした。この取り組みにより、豊かな親子関係をはじめ周りの大人との安心と信頼、同世代の親とのつながり、課題の共有や心の絆が醸成され、いじめ、不登校を出さない地域ぐるみの家庭支援につながり、ひいては互助や共助といった相互扶助の関係を築く「子どもを核とした支え合う地域づくり」展開できると考えている。

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3.事業の概要

(1)0歳から成長段階に応じた南島原ファミリープログラム(MFP)の実施
@はじめてのママプログラムによる0歳からの学びとつながり
・第一子が0歳2ヶ月〜6ヶ月までの乳児母子を対象として行うプログラム
・内容:あやし歌やベビーマッサージを取り入れ、乳児とふれあう実技を行い、後半では初ママどうしのおしゃべり交流会(全6回)
・育児書では学べない実体験をとおして、子育てにゆとりと笑顔が増えていく
・虐待予防や産後うつ予防、母および子の問題の早期発見、DV等家庭問題の発見にも

A成長段階に応じた効果的なMFPの開発と実施
・長崎県で開発された「ながさきファミリープログラム」をベースに改良
・母子の愛着形成や心と体の発達、読み聞かせ、しつけや家庭のルール作り、いじめ防止など、0歳から15歳までの成長期に応じた24プログラム
・学びの機会及び参加者数:H27.2月末時点で497回16,779名参加(乳幼児期:291回6,838名、小学校期:180回5,665名、中学校期:26回4,276名)

(2)わくわく広場機能強化のための地域人材育成と家庭教育支援ネットワーク化
@家庭教育支援サポーター(MFPファシリテーター)地域人材育成
・ファシリテーター63名、家庭教育アドバイザー5名、初ママプログラムリーダー15名養成

A家庭教育支援ネットワーク強化
・子育て支援・家庭教育支援に関わる関係機関との連携の強化

(3)効果的家庭教育支援の検証
@支援が必要と思われる家庭へのアプローチと変容をデータ化。
・専門家機関との支援協定締結に向けた協議を実施

(4)家庭・地域の絆再生に向けた取り組み
@家庭教育支援をとおしたコミュニティづくり
・地域振興部局との連携による子供を核とした自治会コミュティづくり

A家庭教育支援をとおした支えあう地域づくり
この力強い地域人材による0歳児からの成長段階に応じた伴走型のつながりや支えは、家庭教育の不安解消につながり、豊かな親子関係を始め周りの大人への安心と信頼を育み、成長過程ごとに各々の親子で成長し、また次の支援者になるなど支援の輪が拡大し、子育ての不安のない「1のまち」に成長できる。こうした、地域人材が人生各期の支援に携わり、対象者や地域人材をつなげ支援の輪を広げていく社会教育の手法による互助・共助のシステムである。

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4.計画立案段階及び取組実施段階における関係者、団体等との連携・協働体制

【計画立案段階】
・子育て支援、家庭教育支援に関する福祉部局との課題や対策についての協議
・子育て支援センター、幼稚園、保育所、小学校、中学校訪問による子育て・家庭教育力向上への調査
・大学等研究機関への協力及び指導依頼

【取組実施段階】
・市民協働による家庭教育支援のため人材養成を職種(保育士、栄養士、看護師、保健師等)ごとに関係機関へ依頼
・子育て支援センター、幼稚園、保育所、小学校、中学校等へ学習機会の充実に向けた依頼
・専門家チームとして大学等研究機関へ支援協定の打診

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5.この事業によって得られた成果・得られなかった成果

(得られた成果)
成果指標として掲げていた指標名を平成23年度と26年度を比較すると、不登校児童数:4名→1名、不登校生徒数:42名→20名、いじめ発生認知件数:5件→0件、幼児虐待相談件数:10件→3件といった数値となり、数値上は一定の成果が見て取れる。初ママプログラムにおいては、受講者の同意を得て16項目からなるアンケート調査を事前・事後に実施し、調査結果を解析して、今後の支援へつなぐなど伴奏型の支援体制の構築に寄与した。また、家庭教育支援サポーターの増加や学習機会及び図書館等の支援の場の拡大は、地域で支える体制の整備につながった。加えて、学習者のサークル化や支援を受けていた母親がサポーターとして支援者側に回るなど循環型の支援体制も見られており、支え合う地域づくりの一助となっている。

(想定していたが得られなかった成果)
困難を有する児童・生徒(乳幼児含む)やその家庭へのアウトリーチの支援は、関わる人々の共通認識と理解がなくては困難を取り除くことはできない。公民館が家庭教育支援の拠点となり、地域人材の活用、効果的なネットワークからの支援、地域全体での支援に向けた意識の統一など総合的な支援からおのずと効果が表れると考える。特に今後はより一層専門家チームとの連携協議が必要である。また、適応指導教室に通級している児童生徒に対し、社会教育の領域における地域素材を活かした体験プログラムの開発も必要である。

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6.事業実施により構築できた取組プロセス、それを実現するためのノウハウ

【プロセス】→【ノウハウ】
・福祉と教育の補完体制→縦割り行政の打破と融合体制(乳幼児期からの家庭教育支援)
・市内関係団体との連携→地域人材による子育て支援・家庭教育支援の市民協働体制
・県福祉部局・教育部局との連携→地域人材による伴走型支援のための支援プログラムの開発や改良及び実施
・家庭教育支援施設「わくわく広場」の設置→公民館のプラットホーム化による図書館等他施設への家庭教育支援の波及

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7.今後、事業の継続・展開の具体的な方針・戦略

公民館はひとづくり・地域づくりの拠点であり、現在、地縁や血縁による従来のコミュニティから知識縁や問題縁による新たなコミュニティへと地域が変貌してきている。これは地域の教育力のみならず家庭の教育力においても、新たな関わり方を余儀なくされる時代ともいえる。そのような中、支え合う地域づくりは、社会教育や公民館が目指す最終到達点であると考える。集い、学び、繋がり、結ぶといった循環の構築がなせる業であり、最終課題として常にとらえる必要がある。少子・高齢化や過疎化が進む本市にあって、今回取り組んだ公民館GPによる、子どもを核とした地域の教育力を生かした活動が、家庭や地域の絆を再生し、地域住民が支え合って生きていく住民自治力の強化や、安心して暮らせる地域社会の基盤を築くものと確信している。このため、今後も引き続き、親の育ちを応援する学びの機会の充実や支援体制強化のための人材育成、支援を必要とする家庭への伴走型の支援等を充実させ、家庭・地域の絆再生に努めたい。

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事例シート(ダウンロードファイルに同梱)


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この情報の問い合わせ先

文部科学省 生涯学習政策局 社会教育課 公民館振興係
〒100-8959 東京都千代田区霞が関3-2-2
電話:03-5253-4111(内線2974)