公民館等を中心とした社会教育活性化支援プログラム(H26)

地域振興支援プログラム

もくじ

支援プログラムテーマ
受託自治体名
取り組みタイトル
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1.この事業に取り組んだ背景(地域の現状、抱える課題)
2.事業の目的、目指した成果
3.事業の概要
4.計画立案段階及び取組実施段階における関係者、団体等との連携・協働体制
5.この事業によって得られた成果・得られなかった成果
6.事業実施により構築できた取組プロセス、それを実現するためのノウハウ
7.今後、事業の継続・展開の具体的な方針・戦略
事例シート
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支援プログラムテーマ

テーマ4 地域振興支援プログラム

受託自治体名

三重県

取り組みタイトル

図書館のチカラによる地域活性化支援プログラム

ダウンロードファイル

(PDFファイル)

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1.この事業に取り組んだ背景(地域の現状、抱える課題)

三重県立図書館は、従来から県内47館の蔵書一括検索が可能な総合目録、県立図書館と県内の図書館を最大週2回で結ぶ物流網などハード面での県内図書館とのネットワーク構築を進めてきた。平成23年度からは、@全県域・全関心層へのサービス提供、A先進的なサービス提供の2つを県民との約束として掲げた改革実行計画「明日の県立図書館」に基づき、「電子書籍」「東日本大震災」「伊勢神宮式年遷宮」などのテーマで、県内の図書館との連携展示や連携企画を通じ、ソフト面での連携強化も図ってきた。

一方で、県内には、図書館が設置されていないなど、図書館サービスがぜい弱な自治体(以下「未設置自治体」という)がある。上記の取組は、自治体に図書館サービスの拠点となる施設があってはじめて住民が活用できるものである。そこで、三重県立図書館では、未設置自治体における図書館サービスの底上げを重要な課題と捉え、県立図書館の本の配本などのサポートを行いつつ、未設置自治体への訪問を行ってきた。訪問を進める中で、未設置自治体の住民には、「図書館は小説を読むところ」といった旧来のイメージが強く、日々の課題解決やまちづくりに図書館が役立つことが知られていないことがわかった。また、自治体の首長や議会にも、図書館の必要性や可能性をPRしていく必要があることもわかった。このような課題を解決するため、未設置自治体等と連携し、その自治体の中で催し等を開催することで、首長と住民の関心を喚起し、図書館づくりの機運を高める長期的な取組を行うこととした。

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2.事業の目的、目指した成果

(1)プログラム実施当初の目的
・未設置自治体住民の図書館への理解を深め、図書館づくりの機運を高める。
・未設置自治体が抱える課題をテーマとしたフォーラムを開催し、その記録集を作成して住民や図書館関心層とともに図書館づくりのアクションにつなげていく。

(2)平成25年度の事業実施から見えてきた課題
平成25年度の事業を振り返り、平成26年度事業の中間報告で意見をもらう中で、プログラムの進め方に以下の課題があることがわかった。
・フォーラムの開催ありきで、住民の意向の聞き取りが不足していた。
・企画したフォーラムに幅広い年齢層の住民に来てもらえず、住民の声の集約が不足していた。
・「図書館未設置」の視点にとらわれ、関連施設など町にある資源に目を向けられなかった。

(3)目的の見直しと成果
・未設置自治体の住民、職員にヒアリングを行い、それぞれの自治体の課題を把握する。
・図書館サービスの向上により解決する課題をテーマに、未設置自治体等と連携して事業を行う。

《定量目標》
催し参加者のうち、町の図書館を利用したことがない方が50%以上
催し参加者のうち、図書館が日々の暮らしに役立つと感じた方が70%以上

・自治体内で活動をしている住民が図書館などを活用して活動を行えるよう、環境整備を行う。
・事業で得たノウハウを県内で展開し、県内全体の図書館サービスの底上げを図る。

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3.事業の概要

【平成25年度】
(1)大紀町における取組
文化フォーラム「地元のテーマで話し合う」を25年11月に開催した。フォーラムでは、住民に関心の高い瀧原宮、熊野古道伊勢路、東日本大震災について関わりの深い有識者を招き、地域情報を保管、活用する場所としての図書館の可能性について話をしてもらった。また、記録冊子を町内中心に配布してフォーラムの内容を広く住民と共有した。さらに、大紀町のまちづくり団体と意見交換を行い、地域の事情を把握した。

(2)南伊勢町における取組
文化の集い「わたしたちの町に図書館ができた!」を26年2月に開催した。集いでは、南伊勢町長、書店や図書館の現場で全国的にご活躍の方々を招き、本や図書館が持つ力と、まちづくりについて話をしてもらった。また、大紀町と同様、記録冊子の配布を行った。

【平成26年度】
2.(2)に記載した課題を踏まえ、未設置自治体である度会町で取組を行った。
まず11月に、度会町のまちづくり団体代表、高校の先生・生徒、町の職員など10名以上へのヒアリングを行い、町の課題の把握を行った。また、ヒアリングを行った方を中心に、12名の方に参加してもらい、住民ワークショップを12月に開催した。

ヒアリングと住民ワークショップの結果、町内に図書館機能を持つ3つの施設と町の歴史を学ぶ歴史館があるにも関わらず、周知・連携不足のため住民が施設を活用しきれていないことがわかった。そこで、町の施設のモデル連携事業として「町の図書室でつながる」をテーマに2月に座談会を開催した。座談会では、度会町のまちづくり団体代表、度会町にある県立高校生徒にも出演してもらい、当事者の立場で意見を出してもらうとともに、図書館と住民が一緒になって様々な取組をされている町外の方々に住民の交流拠点としての図書館の可能性を話してもらった。また、子ども向けのおはなし会とお面づくり教室も同会場で開催し、子育て世代の方にも参加しやすくした。

その後、県立高校の生徒による手づくりの町内施設PRポスター8枚を町内で展示して施設のPRを行うとともに、座談会の記録冊子を町内中心に配布して座談会での意見やアイデアを広く住民と共有するようにした。

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4.計画立案段階及び取組実施段階における関係者、団体等との連携・協働体制

(1)大紀町の連携・協働体制
大紀町教育委員会とは企画当初から打ち合わせを行い、事業を行った。また、事業実施後、大紀町のまちづくり団体との意見交換を行った。

(2)南伊勢町の連携・協働体制
みなみいせ図書室指定管理者であるNPO法人みなみいせ市民活動ネット、南伊勢町教育委員会とは企画当初から打ち合わせを行い、事業を行った。

(3)度会町の連携・協働体制
度会町と度会町教育委員会とは企画当初から打ち合わせを行い、事業を行った。ヒアリングの準備段階においては、美し国おこし三重※事務局から、度会町のまちづくり団体である「地域資源を守る会」と、住民ワークショップの経験豊富なコーディネーターを紹介してもらった。これにより、住民ワークショップの企画段階でコーディネーターの助言をもらうことができた。座談会では、地域資源を守る会と三重県立南伊勢高等学校度会校舎に出演してもらい、具体的なアイデアを出してもらえた。

※自発的に地域をよりよくしていこうとする県民の地域づくり活動を、行政や企業、大学、地域づくり関係者などさまざまな主体が実行委員会を組織し、総合的に支援する取組。自立・持続可能で元気な地域づくりへつなげていくため、平成21年から平成26年を取組期間としている。
(詳細http://www.pref.mie.lg.jp/UMASHI/HP/)

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5.この事業によって得られた成果・得られなかった成果

(1)大紀町の取組について
(得られた成果)
・フォーラム参加者のうち、図書館が日々の暮らしに役立つと感じた方の割合は75%となり、目標数値を達成することができた。また、アンケートにより、「町内にも図書館が欲しい」「小中学校の図書室を開放してはどうか」など、大紀町の課題とニーズの把握を行うことができた。

・フォーラムに参加したまちづくり団体との話し合いの場を持つことができた。

(得られなかった成果)
・大紀町長がフォーラムを欠席したため、出演者の話や参加者の声を直接聞いてもらうことができなかった。また、出席者に高齢者が多く、幅広い住民の関心を集めたとは言い難かった。

・フォーラムに参加したまちづくり団体や商工会とは、単に主催者と参加者の関係で終わってしまった。

(2)南伊勢町の取組について
(得られた成果)
・文化の集い参加者のうち、図書館が日々の暮らしに役立つと感じた方の割合は95%となり、目標数値を達成することができた。また、南伊勢町長の出演により、町長の図書館への期待を住民に知ってもらうとともに、他の出演者の報告を通じ、町長に図書館の持つ可能性を知ってもらうことができた。さらに、アンケートにより「開館時間や開館日の検討」「井戸端会議ができるような図書館」というニーズ把握を行うことができ、実際に開館日の変更が行われた。

(得られなかった成果)
・南伊勢町の住民と意見交換を行うことができなかった。

(3)度会町の取組について
(得られた成果)
・ヒアリング、ワークショップにより、度会町全体の課題と、公民館等の施設の課題を把握し、度会町における目標を明確に設定することができた。

・座談会において、町内で様々な取組をしている方々に出演してもらった。また、住民に出演してもらったこと、親子連れへの配慮を行ったことにより、幅広い年齢層の住民に参加してもらった。

・座談会参加者のうち、町の図書館を利用したことがない方の割合は77%、図書館が日々の暮らしに役立つと感じた方の割合が88%で、ともに目標数値を達成することができた。また座談会の中で「個人宅に眠っている貴重な町の歴史資料を図書館で保存する」「小学生や保育園の子どもを高校に呼んで絵本を読んでみたい」などの取組のアイデアが出された。 ・今回の取組で連携をしたそれぞれの施設が、自発的に連携事業をスタートさせた。


(得られなかった成果)
・度会町長が所用により途中退席したため、出演者の話や参加者の声をすべて聞いてもらうことはできなかった。

・座談会参加者より、意見交換の時間が短いとの指摘があった。参加者の意見を聞きつくすことはできなかったと考える。

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6.事業実施により構築できた取組プロセス、それを実現するためのノウハウ

(1)ヒアリングとワークショップ
・図書館は、自治体それぞれの課題、ニーズに合わせた機能を持たなくてはならない。県立図書館が事業を行うときは、まず、その町の住民、町職員に幅広く聞き取り調査を行うことが最も重要となることがわかった。

・聞き取りの際は視野を限定しない。図書館と関係ない課題、町の施設であっても、取組を進める上で重要となってくる場合があることがわかった。

・聞き取り段階から外部と連携する。当館は住民ワークショップの経験が豊富とは言い難い。そのため、県のまちづくり担当部署からコーディネーターを紹介してもらい、進め方の相談をすることができた。

(2)イベント実施
・住民にも出演してもらい、当事者として意見やアイデアを出してもらう形が良い。

・子育て世代に参加してもらい、意見を集める工夫が必要となる。例えば、度会町では「お子様連れ可」とし、おはなし会・お面づくり教室を同時開催した。

・意見が活発に出るよう工夫する。例えば、「座談会」形式で気軽な場づくりをするなど。

・住民の参加とともに首長の参加も不可欠である。出演者の話や参加者の声を直接聞いてもらうことは、その後の進め方において重要な点となる。

(3)常に外部の目を意識する
・外部コーディネーター、まちづくりプロデューサーなど、図書館の外の方に進行の都度情報共有し、意見をもらうことで、図書館と町だけで考えたものより良い進め方、企画を行うことができる。

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7.今後、事業の継続・展開の具体的な方針・戦略

(1)度会町における今後の取組
5月に度会町教育委員会と連携し高齢者向けの催しを行う。また、度会町、まちづくり団体、県立高校と連携し、座談会で出た意見の実現に向け働きかけを行う。それに加え、「地(知)の拠点整備事業」の採択を受け地域人材育成事業を進めている皇學館大学と連携し、度会町の図書館を地域資源とした地域活性化に取り組む。

(2)大紀町、南伊勢町における今後の方針
度会町で新たに得たノウハウを大紀町、南伊勢町で活用し、それぞれの町に合わせた図書館の活性化について協議を進めていく。なお、上記「地(知)の拠点整備事業」は大紀町、南伊勢町も範囲に含まれているため、皇學館大学との連携も検討する。

(3)他の自治体への展開
他の未設置自治体の状況をみながら、今回得られたノウハウを活用し、自治体で様々な活動をしている方々が図書館等を活用して活動を行えるよう取組を進めていく。
平成25年度は、大紀町と南伊勢町において図書館の可能性をテーマにフォーラムを開催するとともに、記録冊子を配布してフォーラムの内容を広く住民と共有した。平成26年度の度会町においては、住民、職員へのヒアリングとワークショップを行った。その中で出て来た課題を解決するため、住民にも出演してもらい、座談会「町の図書室で“つながる”〜人とつながる、地域とつながる〜」を開催した。その後、県立高校の生徒による手づくりの町内施設PRポスターの展示、座談会の記録冊子の配布を行った。

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事例シート(ダウンロードファイルに同梱)


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この情報の問い合わせ先

文部科学省 生涯学習政策局 社会教育課 公民館振興係
〒100-8959 東京都千代田区霞が関3-2-2
電話:03-5253-4111(内線2974)