公民館等を中心とした社会教育活性化支援プログラム(H26)

地域振興支援プログラム

もくじ

支援プログラムテーマ
受託自治体名
取り組みタイトル
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1.この事業に取り組んだ背景(地域の現状、抱える課題)
2.事業の目的、目指した成果
3.事業の概要
4.計画立案段階及び取組実施段階における関係者、団体等との連携・協働体制
5.この事業によって得られた成果・得られなかった成果
6.事業実施により構築できた取組プロセス、それを実現するためのノウハウ
7.今後、事業の継続・展開の具体的な方針・戦略
事例シート
この情報の問い合わせ先

支援プログラムテーマ

テーマ4 地域振興支援プログラム

受託自治体名

北海道砂川市

取り組みタイトル

百人一首による地域活性化支援事業

ダウンロードファイル

(PDFファイル)

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1.この事業に取り組んだ背景(地域の現状、抱える課題)

砂川市においては、少子高齢化が進む中、誰もがいきいきとした生活が送られるよう、高齢者を地域で見守り支える活動を市民とともに行うなど、協働のまちづくりを推進しており、公民館では、元気な高齢者が中心となり自主的な学習活動を行っている。しかし、砂川市における急激な過疎化の進行は、将来的な大幅な人口減を招き、町の存続自体を脅かす可能性がある。現在、地域活動に参画する人材は固定化され、高齢化に伴う団体活動も衰退してきている。また、様々な社会教育活動における世代交代が進まず、中間年齢層の参加が少ないなど社会教育行政においても、早急に解決を図らなくてはならない課題に直面している。

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2.事業の目的、目指した成果

砂川市のまち全体が活気のあったころを知る高齢者や、当時百人一首を楽しんでいた住民を中心に、公民館(市の中央部に1館のみ)を核に学びのきっかけを作り、さらに、様々な世代を巻き込みながら活動の幅を広げ、地域コミュニティの再生、地域の活性化を図ることを目的として、本事業に取り組むこととした。また、様々な施策との連動や関係組織、団体等との連携により、住民の地域活動への参加・参画の意識を高めるとともに、住民の学習機会の充実を図り、人材の育成と主体的な活動につながる仕組みを作っていくことで、これまで以上に協働のまちづくりの推進を図ることも目的とした。

《目指した事業の成果》
1.人材の発掘・育成・活用
@百人一首サポーターを募集することで人材発掘が図られるとともに、学校や地域の活動にサポーターが参画することで、人材の活用が図られる。

Aボランティアワークショップの開催により、様々な人材や団体が交流するとともに、学びの成果を生かし、様々な活動に参画することで、人材の育成や仲間づくりが推進される。

2.学習機会の充実、まちづくりへの意識向上
@まちづくり講演会の開催により、活動の手段を学び、住民が主役となり進めるまちづくりへの意識の向上が図られる。

A砂川再発見バスツアーでは、郷土資料室や地域の教育資源などを活用し、郷土の歴史を学ぶことで、文化の伝承や百人一首への興味関心が広がるとともに、世代間交流が図られる。

3.公民館活動の活性化、世代間交流の推進
@百人一首交流会を公民館サークルへ移行し、自主的な活動への意識を高めることで、公民館が楽しい活動場所であることを再認識させ、公民館活動の活性化が図られる。

A百人一首まつりの開催にあたり、様々な団体や人材が集まり実行委員会を立ち上げることで、各団体間の連携が図られ、仲間づくりや組織づくりが進む。また、百人一首をきっかけに、子どもから高齢者、さらに中間年齢層の参加促進が図られ、公民館の活性化が図られる。

4.地域、学校、各世代への活動の広がり
@地域での百人一首の取組みを推進し、地域での交流が深まることで、世代間交流が進み、地域コミュニティの再生の足掛かりとなる。

A学校との連携体制の構築により、百人一首の教育・学習資源としての理解が進むとともに、児童生徒全員への周知がより有効となり、参加者の拡大につながる。

B世代ごとに適した働きかけを行うことで、この取組みがより多くの市民に認知され、参加が促進され、さらに世代間交流が進む。

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3.事業の概要

かつて、砂川市は、化学肥料製造業と木材製造業の2大産業の従業員社宅等によって商圏が形成され、近隣の炭鉱街の影響も受け繁栄してきた。社宅や長屋には、人々が集まり日常的に百人一首を楽しみ、北海道独自の競技カルタ「下の句カルタ」に子どもから大人まで幅広い世代が取り組み、文化の伝承が行われるとともに、地域の絆づくりや地域コミュニティ発展に大きな役割を担ってきた。しかし、産業の停滞や炭鉱の閉山等の要因から、当時の活動は現在に引き継がれることなく、百人一首の存在や遊び方を知らない中間年齢層や子どもたちが増えると同時に、住民間のつながりが希薄化し、地域コミュニティの衰退が加速する状況となった。

北海道独自の百人一首「下の句カルタ」は、読み手が下の句だけを読み、下の句が書かれた木でできた崩し文字の札を、3人ずつのチーム同士で取り合うというもので、定着性や継続性、他の活動との親和性や派生効果に優れていること、子どもから大人まで幅広い世代が日常的に交流し楽しみを共有できること、砂川市における地域文化の伝承とともに、地域の絆づくりや地域コミュニティの再生、さらには社会教育の活性化に向けた一助となることが期待できる。このようなことから、課題を解決するための仕組みを作り、住民の当事者意識を育む「きっかけ・手段」として百人一首に着目し、3年間での推進計画を立案し、次のとおり目標を設定し事業展開を図ることとした。

平成25年度(1年目)「公民館で楽しい活動のきっかけづくり」
平成26年度(2年目)「公民館から地域に広がる活動」
平成27年度(3年目)「活動の定着と広がり」

今年度は、「公民館から地域に広がる活動」を目標として、仲間づくりや地域づくりを活動の柱に、次のとおり事業を実施した。

1.人材の発掘・育成・活用
@百人一首サポーターの募集・活用
Aボランティアワークショップの開催

2.学習機会の充実、まちづくりへの意識向上
@まちづくり講演会の開催
A砂川再発見バスツアーの開催

3.公民館活動の活性化、世代間交流の推進
@百人一首交流会を公民館サークルへ移行
A百人一首まつりの開催

4.地域での百人一首の取組み、地域活動への広がりの推進
@町内会等での活動の推進
A学校との連携体制の構築
B各世代への働きかけの強化

これらの取組みを推進することにより、住民が地域活動への参画意識を高める素地をつくるとともに、学習成果を発揮する機会を創出する仕組みを構築し、地域づくりに主体的に関わる住民の育成に取り組んだ。

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4.計画立案段階及び取組実施段階における関係者、団体等との連携・協働体制

計画立案段階においては、まず社会教育課、公民館、図書館、郷土資料室が一体となって事業計画の立案を進めるとともに、百人一首の指導者や町内会連合会、老人クラブ連合会、子ども会育成団体連絡協議会の代表者との意見交流を行うことで、その後の協力体制や事業展開の構築を図った。また、市の児童・高齢者福祉部局と、事業における連携体制について協議することにより、意図的に共同体制が強化されるよう働きかけた。

取組実施段階においては、さらに、学校、PTA連合会、家庭教育サポート企業、青年団体、社会教育関係団体、病院、福祉施設等と連携体制を構築すべく、事業への理解を深める働きかけを行うとともに、協力や参加依頼等を行い主体的な参画を促した。また、市の協働推進部局や社会福祉協議会との定期的な協議の場を設定し、ボランティア等の人材の育成や活用について協力して推進する体制を作り、教育的な人材育成という視点を共有した。

なお、当市社会教育委員に、当初より事業の視察および評価を行ってもらっているが、委員が主催する事業において自ら百人一首への取組みも行っている。さらに、北海道教育庁生涯学習推進局に、事業計画や事業報告作成時に意見をいただくとともに、現在は事業評価にも協力をいただいている。

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5.この事業によって得られた成果・得られなかった成果

(得られた成果)
・百人一首サポーター、百人一首まつり実行委員会、ボランティア講習会の参加者など新たな地域人材の発掘や育成が進み、本事業を通じてボランティア活動の場が広がった。

・本事業の実施により公民館活動の活性化や世代間交流が推進され、百人一首の活動拠点が作られ、継続性のある活動への足がかりができた。

・様々な年齢層、特に今まで公民館へ足を運ぶことが少なかった中間年齢層の方の事業やボランティア活動への参加が促進され、こうした世代の状況や学習ニーズの把握が可能となった。

・百人一首を久しぶりに行う高齢者は皆いきいきとし、笑顔があふれ、生きがい作り、生涯学習の推進につながった。

・百人一首の話は、高齢者等とのコミュニケーション手段として非常に有効であり、話のきっかけが作りやすく、協力関係の構築がスムーズに進んだ。

・大会へ参加する中間年齢層の方は、砂川への転入者や職場でチームを作って参加する場合が多く、新たなコミュニケーションの場の創出につながった。

・子ども達にとって、放課後学校など繰り返し行う環境が整った場合、最初は難しくても毎回新たな発見や理解があり、学びの喜びを感じるとともに、集中力の涵養につながった。

●ありふれた手段の見直し、活用であるからこそ、地域住民とのコミュニケーションを広げるための手段として有効であり、これらの直接的な事業成果は、自ずと住民の主体的な参画意識の向上や、活動機会の創出につながり、継続した学び、地域の絆づくりの第一歩となっている。

(想定していたが得られなかった成果)
・単発の講演会や事業では、対象者や内容が限られてしまい、まちづくりへの意識向上を図るまではいたらなかった。

・子どもの減少などにより、地域での子ども会活動が十分に機能しておらず、地域での世代間交流に広がりができなかった。

・市民団体や市の他部局との連携は進んできているが、地域振興、地域コミュニティ再生に関わる協力体制の構築、組織づくりまではいたっていない。

・高齢者の参加にあたって、床に座って行うことから足や膝など身体的負担が大きく、やりたい気持ちはあってもできない方も多く、普及促進の足かせとなった。

●取組成果の波及効果を最大限に引き出し、活動意欲・学習意欲を地域課題解決への関わりにつなげるためには、継続的な関わり・支援とともに、住民自身に使命感を生むような仕組みづくりに着手する必要がある。

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6.事業実施により構築できた取組プロセス、それを実現するためのノウハウ

@現状分析と課題整理
砂川市だけではなく、社会全体の状況を考慮するとともに、他部局や諸団体との意見交流などを通じて、実態把握を十分に行った。

A目標と成果指標の設定
3年間の目標があり、その上で単年度の到達点を指標として設定したが、成果指標を設定する際には、その根拠を明確にした。

B手段の検討と実施
それぞれの事業が連動し、関連性を持たせるよう検討したが、検討段階から実行委員会や関係者との協働で進め、意思の疎通を図った。また、その効果を高めるため次のような取組を行った。

・子ども等が札の読み方が分かるよう工夫されたフラットファイルを作製し、活用した。
・百人一首の啓発用ポスターを年間を通して会館等に掲示し、興味・関心を継続的に高めた。
・百人一首の木札と木材加工で栄えた歴史を関連付け事業展開を図り、まちへの関心を高めた。
・育成した人材に本事業におけるボランティア活動に関する情報提供を積極的に行った。
・アンケートにまちづくりへの意識向上に関する設問を必ず設け、事業の参考とした。

C事業評価と次年度事業の立案
事業評価にあたっては、事業を視察可能な社会教育委員に依頼した。さらに、北海道教育庁からも意見をいただき次年度事業へとつなげた。

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7.今後、事業の継続・展開の具体的な方針・戦略

平成25〜27年度の3カ年で百人一首を地域に広めるとともに、ボランティアなど地域人材を育成し地域振興を図る体制づくりを行う計画であるが、3年目である27年度は「活動の定着と広がり」を目標に、ボランティア組織や関係団体との連携体制、地域での百人一首の取組みの定着を目指す。今後、百人一首の活動は、公民館におけるサークルとして存続させるとともに、地域においては、町内会や老人クラブと子どもたちが関わりを持てるよう、人材の活用や社会教育関係団体等との連携を深め、住民自身の主体的な活動へ移行していく必要がある。そのため、2年間の成果が住民自身の自己実現として捉えられるよう、他事業とも連動しながら継続した学習活動を支援する。また、本事業を身近な手段を活用し、そこに社会教育のノウハウを加えることで、地域コミュニティの活性化につなげる活動事例として、今後の様々な事業展開において参考としていく。なお、地域課題の解決、まちづくり等に社会教育が学びを通じて貢献できるよう、国が行う地方創生事業との関連付けを行いながら、事業を進めていきたい。

かつては、北海道独自の競技カルタ「下の句カルタ」を子どもから大人まで幅広い世代が取組み、文化の伝承、地域の絆づくりやコミュニティ発展に大きな役割を担ってきた。しかし、産業の停滞や炭鉱の閉山等により、百人一首を知らない中間年齢層や子どもたちが増え、住民間のつながりの希薄化も加速している

「下の句カルタ」は、子どもから大人まで幅広い世代が日常的に交流し楽しみを共有できること、砂川市における地域文化の伝承とともに、地域の絆づくりや地域コミュニティの発展、さらには社会教育の活性化に向けた一助となることが期待される

課題を解決するための仕組みを作り、住民の当事者意識を育む「きっかけ・手段」として百人一首に着目し、3年間の推進計画を立案した

平成26年度(2年目)は「公民館から地域に広がる活動」を目標として、仲間づくりや地域づくりを活動の柱に事業を展開し、住民が地域活動への参画意識を高める素地を作るとともに、学習成果を発揮する機会の創出、地域づくりに主体的に関わる住民の育成に取り組んだ

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事例シート(ダウンロードファイルに同梱)


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この情報の問い合わせ先

文部科学省 生涯学習政策局 社会教育課 公民館振興係
〒100-8959 東京都千代田区霞が関3-2-2
電話:03-5253-4111(内線2974)