公民館等を中心とした社会教育活性化支援プログラム(H26)

地域振興支援プログラム

もくじ

支援プログラムテーマ
受託自治体名
取り組みタイトル
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1.この事業に取り組んだ背景(地域の現状、抱える課題)
2.事業の目的、目指した成果
3.事業の概要
4.計画立案段階及び取組実施段階における関係者、団体等との連携・協働体制
5.この事業によって得られた成果・得られなかった成果
6.事業実施により構築できた取組プロセス、それを実現するためのノウハウ
7.今後、事業の継続・展開の具体的な方針・戦略
事例シート
この情報の問い合わせ先

支援プログラムテーマ

テーマ4 地域振興支援プログラム

受託自治体名

熊本県宇土市

取り組みタイトル

歴史と文化で元気な宇土市づくりプログラム

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(PDFファイル)

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1.この事業に取り組んだ背景(地域の現状、抱える課題)

近年、本市においても、時代の潮流(少子高齢化・災害の多発・景気低迷等)のなか、農林水産業の衰退とともに市西部地区の住民の流出が深刻な問題となっている。また、人口が増加している市東部地区においてもコミュニティの希薄化が進んでいる。今回のプログラムは、「宇土市総合計画」の地区別構想を基に、地域の課題を明らかにした上で、地区公民館を活動拠点に、「歴史と文化」をキーワードに住民が主体的に参画し、住民自ら考え実践することで地域課題の解決と地域活性化を目指す。
■地域資源(歴史と文化)

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2.事業の目的、目指した成果

■目的平成25年度「@地域資源の再確認」として学習が始まり、26年度は各テーマについて「A地域産業の創出」を目的に、それぞれの活動から波及する「B公民館活動の活性化」と「C地域住民のコミュニティの再構築」効果を目指した。この目的を達成するために、8テーマを選定し、前年度の「うと魅力塾」と称した地域資源の学習を基に、本年度は「描く」と題し、資源の活用策の研究、産業振興の方策検討、産品の開発研究(試作品)、ブランド化の企画検討について取組んだ。進捗が早いものは、次年度計画の「振興策の展開」も行った。

・食材・素材活用プログラムは、農水産加工品・工芸品の開発による地域産業の振興を図る。
・マルメロと七島の新たな農作物の作付けによる農業の振興を図る。
・海苔・ネーブルは、地産地消を育む意識の向上に繋げる。
・自然・文化財活用プログラムは、観光資源の開発による交流人口の増加を目指す。

■平成26年度の目標値
@自主グループの発足:8グループ。
A商品開発・企画案:40案。
B連携団体総数:24団体

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3.事業の概要

平成25年度:地域資源について学習する。
・全体学習会「うと魅力塾」基礎コース@地域資源A地域ブランドB観光について
・報告会「地域資源について語る」12/8
・報告会「地域資源活用の夢を語る」2/16
・各学習会「うと魅力塾」8テーマ応用コース9〜3月

平成26年度:地域産業の創出に向けて地域資源の活用策の企画と実践を行う。
@五色山:マップ作成。地元主催「クイズオリエンテーリングin五色山」を開催
A轟水源と轟泉水道:歴史散策を実施。轟泉水道の井戸を持つ武家屋敷の保存・活用策検討
B七島:刈取作業と七島草履の制作体験を実施
C馬門石:歴史散策実施。彫刻体験講座を実施
D網田焼:歴史散策実施。地元3窯元の作品展示と絵付け体験等を実施
Eマルメロ:「走潟マルメロ会」設立。自主運営による管理作業。走潟マルメロが復活・結実
F海苔:海苔のパッケージのデザイン。海苔巻き体験を実施
G網田ネーブル:新メニューの開発。劇団と菓子店連携による土産物の全国展開

・全体学習会8/21、市長、講師「新しい公共と実践型地域人材育成」講話。
・成果発表イベント3/8地域資源の活用について検討してきた成果を、体験教室・商品の展示販売のかたちで実践・発表した。

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4.計画立案段階及び取組実施段階における関係者、団体等との連携・協働体制

・テーマに取り上げた地域資源は、過去14年間の市史編纂事業の成果を基に文化課で選定。
@五色山:オリエンテーリングは「五色山ふれあい会」が主催。活動経費は子どもゆめ基金助成、マップは文化課、音響はNPO、昼食の準備は伍四季花クラブの協力制も連携が図られた。
A轟水源と轟泉水道:武家屋敷保存のため、関係者の協力を得ながら「文化課」主体の取組。
B七島:観光ボランティア、七島栽培経験者
C馬門石:観光ボランティアによる歴史散策。お地蔵さん工房による彫刻体験
D網田焼:地元3窯元と連携した展示会の開催。観光ボランティアによる歴史散策案内
Eマルメロ:設立した「走潟マルメロ会」から地域全体の連携へ波及
F海苔:NPO法人網田倶楽部の「おこしき一番海苔」パッケージデザイン。巻き巻き隊。
G網田ネーブル:駅カフェとメニュー開発。劇団と菓子店を結びつけネーブル菓子の全国展開

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5.この事業によって得られた成果・得られなかった成果

■目標達成度
@自主グループの発足計画=8グループ→実績=新規設立1、既存団体活動強化1、NPOと協働2、行政主導3、行政主体1。
A商品開発・企画案の提案計画=40案→実績=41。
B連携団体数計画=24団体→実績=26団体

(評価者コメント) @地域資源の再確認:全体学習会とテーマ別学習会によって対象となる地域資源の魅力の再評価と新たな事実の発見等により、地域住民の地域資源の評価が高まってきている。 A地域産業の創出:地域資源を活用した地域課題解決としての地域産業の創出への取り組みが既に始まっており、ネーブルを使った洋菓子が販売されたことをはじめ、商品化に向けた多数の試作品が開発されており、規模は小さいが産業のかたちが徐々に現れてきている。 B公民館活動の活性化:各公民館を中心にテーマ別学習会が行われただけでなく、地域資源をテーマとする新たな公民館講座が開催されるなど、公民館の活性化に大いに貢献している。 C地域住民のコミュニティの再構築:地域資源をテーマとした実践的学習会のみならず、まち歩きやオリエンテーリング等の地域を巻き込んだイベント等が開催されたことで、地域への「絆」や「愛着」の醸成がみられ、地域課題である地域コミュニティの再構築につながっている。


(想定していたが得られなかった成果)
活動主体となる担い手の組織化が不十分

(評価者コメント)
担い手となる組織・団体は、五色山は「五色山ふれあい会」、マルメロは走潟地区で在来食文化復活に向けマルメロ苗木の植樹活動に取り組む「走潟マルメロ会」(平成26年4月設立)、網田ネーブルは網田駅の指定管理者を務める「NPO法人網田倶楽部」という、新設・既存の団体が担い手団体となっている。しかし、その他のテーマについては、担い手はいるものの組織化には至っておらず、今後は新たな組織の育成や更なる既存組織の巻き込みが課題となる。

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6.事業実施により構築できた取組プロセス、それを実現するためのノウハウ

地域資源の選定:市総合計画から各地区の課題を抽出し、その課題を解決できる歴史的・文化的要素を持つ地域資源8テーマを所管(文化課)で、過去14年間の市史編纂事業で収集・調査した内容を基に、産業化が期待できる資源を選定した。

参加意識の向上:参加者自ら考える地域資源の特性や自慢話、それを活かした産業化の物語を語ることで、自己の夢が描き出され、活力と僅かな収入の希望が持てる内容になるよう努めた。

マスコミの活用:新聞やテレビのマスコミに登場することで、参加者の意識・意欲が高まり、周りにも事業のPR効果が出る。市広報や公民館便りでも活動が紹介された。

行政のポジション:「五色山ふれあい会」「走潟マルメロ会」の活動に文化課が支援をする立場をとった。イベントの内容を充実させるために、MAPや解説資料を作成、自主グループのメンバーではできない部分を文化課がサポートする協力体制を築いた。

活動拠点の整備:取得した武家屋敷を、次年度以降も8テーマを総合的に継続・展開するための拠点として整備を図る。商工観光課で行っていた「馬門石地蔵工房」「硯工房」も文化課所管に移し、「うと魅力塾」として行う。

(評価者コメント)
テーマに関連する地区主催の事業やイベントには「うと魅力塾」との協働を積極的に働きかけ、事務局(市教育委員会文化課)職員が自発的に事前準備等の支援を行うことで、主催団体等から信頼と評価につながった点も見逃せない。さらに、中間・年度報告会で地域資源についてのディスカッションが行われたように、単なる学習ではなく、「地域への想い」という地域アイデンティティの醸成を重視したプログラムとなっている点も評価できる。

特徴としては、参加者の募集において、一般公募を基本としながらも、テーマを担う組織づくりを想定し、担い手となり得る知識や経験を有する個人や組織に向けて事務局(市教育委員会文化課)から積極的なアプローチが行われており、これらの担い手の参加がプログラムの実践に効果をもたらしている。また、担い手の参加が促進した要因としては、地域の実情を踏まえた地域活性化や地域産業の創出に結び付く適切な地域資源の選定が行われたことがあげられる。これは、過去14年間の市史編纂事業の内容を基に、歴史的・文化的要素を持つ地域資源を文化課が選定したもので、適切な資源選定に結びついたといえる。

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7.今後、事業の継続・展開の具体的な方針・戦略

・8つのテーマ全て次年度も継続し、地域産業の創出の実現に向け、さらに活動を進める。

@五色山:「ふれあい会」を主体に、交流イベント等を開催し、コミュニティの再生を進める。
A轟水源と轟泉水道:武家屋敷を拠点に「うと魅力塾」の活動及び情報発信を行う。
B七島:資源保護のため人工的に小規模な植え付けを行い、復活・活用を図る。
C馬門石:石彫工房を武家屋敷に設置。散策コース策定し実践する。
D網田焼:網田焼に特化したイベントの開催。陶芸展、絵付・作陶体験、歴史散策の実施
Eマルメロ:植栽の追加、県補助を受け産業化を目指す。地場大手菓子メーカーと連携
F海苔:地域ブランド化に向けた方策の研究・実践(天日干し海苔のPRを支援)
G網田ネーブル:網田ネーブルに特化したイベントの開催。食品開発、ブランド化を目指す。

(評価者コメント)
@プログラムの継続性の確保:3年目から各テーマの事業化等の実践的取り組みが本格化するため、今後は宇土市の自治体としての単独の予算措置を基本としつつも、国や熊本県が実施する補助事業への申請等の対応が必要と考える。また、「うと魅力塾」を継続する上で、活動の拠点となる施設の設置は重要であるため、先に紹介した通り武家屋敷「高月邸」の活用計画については、文化財であることを踏まえた学習・人材育成拠点としての対応が求められる。

Aプログラムを担う専門的人材育成:これまでテーマ毎の学習会や調査研究を通して、参加者自ら学び、考える能動的学習(アクティブラーニング)が一部で実践されているものの、学習会の中には事務局である文化課職員の対応なしでは回らない所もあり、今後は公民館を拠点とした地域住民の継続的取り組みとする必要がある。そのためには、能動的グループ学習の基盤となるグループワークの手法やグループの中で意見集約を促進するファシリテーション等についての学習プログラムを導入し、地域住民主体の能動的で継続的な学習会運営に移行させる必要がある。

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事例シート(ダウンロードファイルに同梱)


















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この情報の問い合わせ先

文部科学省 生涯学習政策局 社会教育課 公民館振興係
〒100-8959 東京都千代田区霞が関3-2-2
電話:03-5253-4111(内線2974)