公民館等を中心とした社会教育活性化支援プログラム(H26)

その他地域の教育的資源を活用した地域課題解決支援プログラム

もくじ

支援プログラムテーマ
受託自治体名
取り組みタイトル
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1.この事業に取り組んだ背景(地域の現状、抱える課題)
2.事業の目的、目指した成果
3.事業の概要
4.計画立案段階及び取組実施段階における関係者、団体等との連携・協働体制
5.この事業によって得られた成果・得られなかった成果
6.事業実施により構築できた取組プロセス、それを実現するためのノウハウ
7.今後、事業の継続・展開の具体的な方針・戦略
事例シート
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支援プログラムテーマ

テーマ5 その他地域の教育的資源を活用した地域課題解決支援プログラム

受託自治体名

佐賀県佐賀市

取り組みタイトル

学びあうコミュニティの創出と支援者育成プログラム

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1.この事業に取り組んだ背景(地域の現状、抱える課題)

佐賀市は、2005年及び2007年に8つの市町村が合併している。市立公民館は、旧佐賀市と旧町村で設置状況が異なっており、旧佐賀市は19の小学校区ごとに1館、旧町村は小学校区や中学校区に公民館や生涯学習センターまたはコミュニティセンターが設置されている。設置状況が異なるように、公民館職員の配置も旧佐賀市は非常勤市職員、旧町村は市職員や嘱託職員と異なっている。

旧佐賀市では、2006年に公民館運営の一部を地域に委託し、地域委託から4年後の2010年度に「公民館のあり方検討委員会」が設置された。その翌年に委員会の答申を受け、佐賀市教育委員会では「公民館が果たすべき機能に関する方針」を定めた。その方針には、公民館機能を充実させるため「職員の体系的な研修プログラム」「市民の社会参加を高める施策」が必要だと示されている。そして、様々な検討を重ねた結果、2012年4月、公民館の運営は佐賀市の直営に戻った。現在は旧町村の生涯学習センターやコミュニティセンターも社会教育法上の公民館へ統一するとともに、概ね小学校区ごとに整備する準備を進めている。

*旧佐賀市の公民館主事は2006年に地域協議会職員として雇用され、現在は、佐賀市立公民館非常勤市職員に雇用形態が変わっている。

【取り組んだ背景(その1:佐賀市の現状)】
佐賀市では、「参加と協働のまちづくり」を目指すために、2011年から3年間のモデル期間を経て、2014年4月から全校区で地域コミュニティの取り組みを進めてきた。それに伴う機構改革で公民館の支援機能を市長部局に新設した協働推進課に移した。また、基本理念となる「佐賀市まちづくり自治基本条例」も同時期に施行した。この条例が目指す住民の役割を果たすことができるよう、住民に最も身近な存在の公民館職員が支援しながら「意図的」「制度的」に進めていくことが求められている。住民の思いや意識の向上に合わせて住民自治を促進させる社会教育の機能を最大限に活かすとともに、首長部局との広範なネットワークの可能性を基に新たな「参加と協働」の創出を目指している。

*佐賀市での地域コミュニティの定義「住民一人ひとりが連携し助け合って、より安全で安心なまちづくりを目指す地域社会」

【取り組んだ背景(その2:県立生涯学習センターとの協働事業)】
県立生涯学習センター「アバンセ」が県の委託を受けて、「課題解決支援講座」を実施された。佐賀市では2012年から3年間で9つの取り組みを実践した。事業それぞれに成果は上がったが、取り組んだ課題の陰に隠れていた新たな課題もそれぞれに見えてきた。この新たな課題へ対応するため、そして公民館機能の充実を図り、住民自らによる地域力を向上させるためには、公民館職員の力量形成が必須であると考え、公民館GPに取り組んだ。

【抱える課題】
(1)持続可能な地域活動を積極的に推し進める地域人材が不足している。
(2)地域課題に対する住民の意識が受動的である。
(3)課題を解決するための関係団体との交流・情報交換が不十分で、連携・協働が進んでいない。
(4)地域において課題の洗い出しや解決に向けての取り組みが進んでいない。

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2.事業の目的、目指した成果

【事業の目的】
地域人材の育成、登用を軸に持続的な地域活動を支援するため、地域や関係機関と協働して学びあうコミュニティを創り出し、その支援者の育成を図る。

【目指した成果】
(1)持続可能な地域活動の支援を図ること
○自前主義となっている公民館職員の意識の変化を促し、地域の課題を職員自身が探りだせる資質の形成、新たな関係団体とのネットワークを構築できる力の向上、地域の新たな課題に対応するための能力の向上を目指す。

(2)地域課題の解決に取り組む団体の育成や関係機関とのネットワークの構築
○「地域コミュニティ」に対する受動的な地域住民の意識の変化を促し、住民自身が地域の課題に気づき行動していく力の向上を目指す。

(3)地域活動に関して取り組むべき課題を明確にする
○地域課題の洗い出しや解決に向けての取り組みを進めるため、データによる課題把握の方法を開発する。

【成果目標】
(1)持続可能な地域活動の支援を図ること
○公民館職員の地域活動支援者としての意識や行動の変化を促し、住民等への積極的な支援ができるようになる。
○公民館職員が、地域と共に地域課題を発見し具体的な取り組みへとつなげるために「学習の支援」機能を充実させ発展させる力をつける。
●成果指標⇒学習成果を還元するためミーティングファシリテーションの手法を使った会議・講座等を開催する。26年度:50回、27年度:100回、28年度:120回

(2)地域課題の解決に取り組む団体の育成や関係機関とのネットワークの構築
○公民館と地域の連携が進み、地域コミュニティ活動に積極的に参加する住民が増え、地域課題解決に向けた取り組みが進む。
・地域ワークショップ等でのファシリテートの実践。
・「地域コミュニティ活動に積極的に参加したい」と思う住民の割合を増加させ、主体的な取り組みをすすめる。
●成果指標⇒積極的に地域活動に参画する住民の割合。取組み校区で参画率(前年度比)
5%アップを目標とする。
●成果指標⇒地域コミュニティの再生や地域課題解決の支援に取り組む公民館の数を増やしていく。26年度:2校区、27年度:10校区、28年度:19校区

(3)地域活動に関して取り組むべき課題を明確にする
○地域活動に関して取り組むべき課題を明確にする。
・「公民館・地域活動に関するアンケート」の実施。
●成果指標⇒旧佐賀市19校区2,280枚配布回収目標枚数1,900枚回収率83%
・「地域診断プログラム」の開発

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3.事業の概要

(1)持続可能な地域活動の支援を図ること
持続可能な地域活動を支援するため、支援者としての公民館職員の力量形成を行う。
○会議の進め方や合意形成までの道筋を学ぶファシリテーター能力向上の研修の実施
⇒ミーティングファシリテーション研修の実施(8/23、9/2、11/28)

○学習成果の還元の場として、地域ワークショップ等でのファシリテートの実践
⇒各公民館で会議運営の手法を使った会議・講座等の開催(9月〜3月)

(2)地域課題の解決に取り組む団体の育成や関係機関とのネットワークの構築
モデル地区における地域課題(地域振興、防災の拠点づくりなど)解決にむけたプログラム化と団体および関係機関のネットワークづくりを行う。

○過去に地域課題解決に取り組んだ校区をモデル地区として、新たな課題を付加した解決に向けた取り組みを実施しプログラムを再構築する。

○プログラムを実践するための学習や住民ワークショップを実施し地域団体の力量アップにつなげる。
⇒地域コミュニティ実践校区連絡会にて「会議運営」ワークショップの実施(10/20参加者26人)
⇒モデル地区2館によるプログラムの再構築

@兵庫校区テーマ「地域の防災」
対象:自治会未加入世帯
連携機関:佐賀市消防防災課
内容:防災アンケート(配布:6,100枚)、出前講座、ワークショップ

A嘉瀬校区テーマ「藍染からまちづくり」
対象:嘉瀬小学校6年生保護者37人
連携機関:「藍・愛をつむぐ会」

「青藍」の歴史学習、ワークショップ(11/22参加者30人)
藍染体験と作品づくり(1/24、2/7、2/17参加者延べ52人)

(3)地域活動に関して取り組むべき課題を明確にする
○地域活動に関する住民の意識および活動調査を行う。
⇒「公民館・地域活動に関するアンケート」の実施
対象:公民館利用者(18歳以上)
抽出数:旧佐賀市19校区2,280人
期間:平成26年8月11日(月)〜9月5日(金)
結果:回収枚数1,624枚(有効数1,522枚)回収率71.2%(有効数66.8%)

○「地域診断プログラム」の開発
⇒プロジェクトチームによる趣旨、方向性の確認、分析項目の抽出作業、原案作成、開発協議
(7/1、11/14、12/10、1/8、1/21、2/3、2/23)

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4.計画立案段階及び取組実施段階における関係者、団体等との連携・協働体制

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5.この事業によって得られた成果・得られなかった成果

【得られた成果】
(1)持続可能な地域活動の支援を図ること
○新たな気づきからの地域課題の発見、地域活動支援に対しての公民館職員の意識が向上し、行動や実践へとつながるとともに、公民館の自前主義をから脱却する重層的なネットワーク構築の端緒が得られた。

○公民館職員の経験や勘、さらには地域の各種団体固有の想いといった固定概念的な見方だけではない地域課題の捉え方、課題解決の支援方法を考える必要性を感じた。

○学習成果の還元の場としての地域ワークショップ等でのファシリテートの実践を行ったり、各公民館での地域まちづくり協議等の場において「会議運営」の手法を使った会議・講座等を開催するなど、積極的に地域活動支援に関わるようになった。

・各公民館で会議運営の手法を使った会議・講座等を開催した(目標開催数50回⇒68回)

・公民館職員の意識や行動の変化:
研修成果を地域活動支援に役立てようと思った人(9月調査:48.5%)
研修成果を主催講座や地域活動支援で実践した人(3月調査:71%)

(2)地域課題の解決に取り組む団体の育成や関係機関とのネットワークの構築
○公民館職員が会議運営等の開催支援をしたことにより、地域課題の解決に取り組む地区が増加した。

○学習成果の還元の場としての地域ワークショップ等でのファシリテートの実践を行ったことで、住民の意識や行動に変化が現れた。

・地域課題解決の取り組み地区は、モデル2地区に新たに市単独事業実践地区10地区が加わり、合計12地区で実践した。(目標2地区⇒12地区)

【地域課題解決実践地区一覧】


・積極的に地域活動に参画する住民の割合を取組み校区で参画率(前年度比)5%アップ目標(嘉瀬校区10.8%アップ:37人中11人→37人中15人)

・住民の意識の変化:地域課題の解決に取り組むには、まず地域での会議のやり方から改善していく必要があると思った人の割合(10/20アンケートより:61%)

・住民の行動の変化:「会議に集中するようになった」「活発な意見がでるようになった」(実践した公民館職員の感想から)

○地域課題解決推進事業が「佐賀市教育振興基本計画」の重点事業に組み込まれた。

(3)地域活動に関して取り組むべき課題を明確にする
○「公民館・地域活動に関するアンケート」を実施したことにより、居住地の地域コミュニティ活動に対する意識の度合いが分かった。積極的に参加すると答えた人は全体の2割程度で、持続可能な地域となるためには、この数値を高めていくことが必要だと分かった。

また、公民館への期待は「趣味・教養を深める場」が一番高く、公民館の本来の役割である「学びの場」としての期待は低い割合だった。「地域課題の解決」に学びの要素は欠かせないものであるにも関わらず、住民の認知は低い現状にある。今後は、「学びの要素」が住民にとって必要なものだと理解してもらう働きかけが必要だと分かった。

※「公民館・地域活動に関するアンケート」調査実績
回収枚数1,624枚(有効数1,522枚)回収率71.2%(有効数66.8%)

・住民の意識や現状の把握ができ、地域の課題が表面化した。
「居住地の地域コミュニティ活動に積極的に参加したい人は(19.7%)」とまだ低い数値に留まっている。
「今後の公民館に期待することは@趣味・教養を深める場(47.1%)A集いの場(45.5%)」と課題解決や学びの場としての認知が低い

○集計結果をまとめた冊子を市内公民館および関係機関に配布し、地域活動支援に活用する意識づけになった。

○「地域診断プログラム」の開発を行ったことで、「地域診断プログラム」の認知度が高まり、佐賀大学や佐賀県立生涯学習センター、佐賀県公民館連合会をはじめとする多様な知見を持った関係者を結集することができた。

・佐賀県公民館連合会の研究課題としても取り組まれることになり、今後連携した開発が可能になった

【想定していたが得られなかった成果】
(1)持続可能な地域活動の支援を図ること
○支援者である職員の力量形成がまだ十分でない。
・会議運営の手法を実践した人のうち、上手くいかなかった人の割合(3月調査:36%)
*会議運営の手法は「板書、進行役、小グループのワークショップ、時計係、到達点の確認」とした。

(2)地域課題の解決に取り組む団体の育成や関係機関とのネットワークの構築
○住民の地域活動参画意識の高揚や実践を促すことが充分にできなかった。
・「会議運営のワークショップ」の実践は、1地区のみに留まった。(3/15開成校区)
・兵庫校区(モデル地区)のプログラムが自治会未加入世帯へ浸透せず、マンション世帯への出前講座、ワークショップは次年度実施となった。

○地域各種団体や関係行政機関やNPOとの連携はできたが、ネットワークの構築はまだ十分とは言えない。
・関係機関や他部局との意識の共有ができなかった。

(3)地域活動に関して取り組むべき課題を明確にする
○地域診断プログラムの開発をさらに進めるための他部局との広範な連携が不足していた。

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6.事業実施により構築できた取組プロセス、それを実現するためのノウハウ

・公民館職員の経験や勘に頼りがちだった地域課題解決の実践に取り組む前に、「学習」を位置づけ「課題を発見する力」の育成に力を入れ、地域活動支援者としての公民館職員の力量を形成することで、地域住民の意識の変化や行動を促す。「学習」と「実践」を循環させることで、小さな事象に隠れ顕在化していない地域課題を探り出し、新たに重要な地域課題として明示するプログラムとなる。またその過程でデータに基づく診断(根拠)を可能とするために『地域診断プログラム』の開発を位置づけた。

・地域活動を支援する公民館職員の力量形成は、持続的な地域活動を展開するための住民の意識の変化や行動を促す強力なツールとなっており、このプログラム全体がリンクした形になっている。

・「学習」が職員研修にとどまらず、住民を持続可能な地域活動を牽引する人材として発掘・養成し、実践してもらう。

・地域課題解決に向けた取り組みの実践が自主財源地区10館で行われ、市単独事業としての位置づけが進んだ。

・公民館の自前主義をから脱却するため、重層的なネットワーク構築するため主幹課から他部局へ働きかけてもらった。

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7.今後、事業の継続・展開の具体的な方針・戦略

(1)持続可能な地域活動の支援を図ること
地域活動支援者としての公民館職員の力量形成は、住民の意識の変化や行動を促すとともに、重・層的なネットワークを構築する強力なツールとなることから、継続して職員の力量を向上させながら持続可能な地域活動の支援を図っていく。

・公民館職員の更なる地域活動支援の力量形成を図るため、継続してファシリテーション能力向上の研修や各館での実践を行う。

・公民館職員自身の経験や勘、さらには地域の各種団体固有の想いにより隠れて顕在化していない地域課題を探り出し、住民にわかりやすく明示できる資質の形成や、その課題に対応できる能力向上の研修や実践を行う。

・地域活動支援の具体的な取り組みをまとめた実践記録集等を作成し、個人のふりかえりや職員間での共有、協議の資料とし、持続可能な地域活動の支援に活かしていく。

(2)地域課題の解決に取り組む団体の育成や関係機関とのネットワークの構築
地域課題解決推進の取り組みが佐賀市教育振興基本計画の重点事業に組み込まれたことから、今後は、首長部局とも更に連携を深めながら、地域の課題に主体的に取り組む住民の力量形成を図っていく。

・将来的には自主財源による地域課題解決推進の取り組みを全市32地区公民館で展開する。
・地域課題解決推進の取り組みを市内全公民館で共有し、実践検討や活動交流を行いながら事業の精度を上げていく。

(3)地域活動に関して取り組むべき課題を明確にする
・関係団体と連携しながら、継続して『地域診断プログラム』を開発する。

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事例シート(ダウンロードファイルに同梱)



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この情報の問い合わせ先

文部科学省 生涯学習政策局 社会教育課 公民館振興係
〒100-8959 東京都千代田区霞が関3-2-2
電話:03-5253-4111(内線2974)