公民館等を中心とした社会教育活性化支援プログラム(H26)

その他地域の教育的資源を活用した地域課題解決支援プログラム

もくじ

支援プログラムテーマ
受託自治体名
取り組みタイトル
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1.この事業に取り組んだ背景(地域の現状、抱える課題)
2.事業の目的、目指した成果
3.事業の概要
4.計画立案段階及び取組実施段階における関係者、団体等との連携・協働体制
5.この事業によって得られた成果・得られなかった成果
6.事業実施により構築できた取組プロセス、それを実現するためのノウハウ
7.今後、事業の継続・展開の具体的な方針・戦略
事例シート
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支援プログラムテーマ

テーマ5 その他地域の教育的資源を活用した地域課題解決支援プログラム

受託自治体名

愛知県

取り組みタイトル

公民館を核とした社会教育活性化事業
〜持続発展教育(ESD)の普及・啓発を目指して〜

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1.この事業に取り組んだ背景(地域の現状、抱える課題)

本年度11月に開催された「持続可能な開発のための教育(ESD)に関するユネスコ世界会議」を契機に、愛知県としては地域のESDの意識をさらに高め、未来を支える人づくりを通じて、ESDに関する取組を発展・充実させることを目指している。

県内、学校教育においては、ESDの推進拠点としての役割を果たすユネスコスクールの加盟校が拡大し、2014年度末で申請中を含めると156校となった。これは、全国でも最多の加盟数であり、持続可能な社会づくりに向けたESD活動は、まず、県内各地の学校で充実してきている。

今後の課題は、地域社会の中で社会教育をとおして、より幅広く県民へのESDの普及・啓発を図っていくことである。

しかしながら、都市化や、市町村合併の影響などにより、昔ながらのコミュニティが成り立たなくなってきている地域がある。市町村の都市部でそれらは顕著にみられる。例えば、30年前は夏休みになるとその期間中、子どもを中心に地域の高齢者が集い、早朝のラジオ体操を実施し、様々な交流が生まれていたが、現在はたった1日だけの体操となってしまった地区がある。地域の社会教育を司る最前線である公民館も、講座中心の流れの中で、公民館主事の非常勤職員化、予算の削減、学習センター化、貸館業務のみの公民館など、社会教育をとおした地域づくりという本来の役割を十分に果たすことができていないのではないか。

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2.事業の目的、目指した成果

そこで、本事業は、県内に約400館設置されている公民館が核となり、行政・関係諸機関をはじめとして、様々な分野で活躍する団体が集い、交流し、「ESD」持続可能な社会づくりについて学び合う機会を提供し、ESDの視点をとおして、住民の手により、地域課題の解決という学びをを図りながら、地域の絆づくりの核となる公民館本来の機能の再生を目指した。そして、公民館を核として、幅広く県民へのESDの普及・啓発の促進を図った。

実際には、県が市町村内で構成されたESD推進協議会等団体に、「公民館を核とした社会教育活性化事業」を委託し、公民館において、ESDの視点で取り組んだ実践を、「社会教育活性化フォーラム」において発表し、ESDに関する学習会を開催することで公民館におけるESD推進の可能性を広く公民館関係者に普及・啓発を図り、今後のESD推進の核となってもらうことを考えた。そして、事業を継続することで数年後、ESDに取り組む公民館が増加することを目指している。

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3.事業の概要

県生涯学習課・再委託先の市町村ESD推進団体・愛知県公民館連合会・愛知県社会教育委員連絡協議会・愛知県地域婦人団体連絡協議会の代表者等を構成員とした「社会教育活性化事業連絡協議会」を実施し、事業の進捗状況の検討を行う。そして、再委託先の事業をよりESDの趣旨に沿ったものに見直し、公民館を核とした「ESD(持続可能な地域社会への取り組み)」を行っていく。また、2月には「社会教育活性化フォーラム〜公民館におけるESDとこれからの社会教育」を実施し、大府市、瀬戸市、田原市の事業実施団体の取組内容を、県内市町村行政関係者、公民館関係者、社会教育委員、NPO等各団体関係者、ESD推進事業関係者等に対して周知、啓発していく。また、公民館におけるESDの先進地区である岡山市の事業を中心になってリードした講師による講演会を実施し、参加者への公民館におけるESDの普及・啓発と社会教育の活性化に向けた方策について研鑽を深めてもらうこととする。さらに、普及、啓発のために活動事例集を作成し、県内市町村に配布する。

以上のように、研修により公民館職員がESD(持続可能な地域社会への取組)の視点をもつことで、社会教育の本来的役割である地域住民等の学習支援を推進する基盤づくりを行う。

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4.計画立案段階及び取組実施段階における関係者、団体等との連携・協働体制

県生涯学習課・再委託先の市町村ESD推進団体・愛知県公民館連合会・愛知県社会教育委員連絡協議会・愛知県地域婦人団体連絡協議会の代表者等を構成員とした「社会教育活性化事業連絡協議会」を、この2年間で計4回実施した。その内容は、市町村ESD推進団体の進捗状況の報告と、今後どのように取り組めばよいか、取組の方向は良いか、「社会教育活性化フォーラム」のなかで、どのような内容をどのように発表すれば、参加した関係者に伝わるかなどを検討した。

県公民館連合会、県社会教育委員連絡協議会、県地婦連は、県内でも有数の社会教育団体である。さらに、大府市の環境の取組は、地婦連が取組の主体となっており、公民館連合会は独自にESDをテーマにした研修会を実施している。県社会教育委員連絡協議会も地域づくりにかかわる研修会を実施するなど、取組市町村と関係社会教育団体は同方向を向いている。2月19日に開催された社会教育活性化フォーラムでも、多くの団体関係者が参加していただいた。

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5.この事業によって得られた成果・得られなかった成果

(得られた成果)
1.県教委と3市の委託先とが連携して事業を実施し、公民館の既成の事業をESDの視点から見つめ直し、再構築することによって、幅広い県民へのESDの普及・啓発のための継続的な仕組を構築することができた。

2.委託先の事業実施推進協議会では、行政・関係諸機関をはじめとして、様々な分野で活躍する団体と集い、交流して活動を行い、ESDの理念を普及、啓発することができた。

3.県においては、各市町村への周知によって社会教育にとってもESDが大切という理念が浸透し、各市町村における持続発展教育(ESD)の普及・啓発を目指した取組を促すことができた。

4.愛知県公民館連合会、愛知県社会教育委員連絡協議会、愛知県地域婦人団体連絡協議会、中部ESD拠点協議会など様々な分野で活動する団体間で共通の目的によりつながり、ネットワークを築くことができた。そして、組織の垣根を越えた連携・協働体制を築くことができた。

5.県内で活用できる公民館におけるESD事業の普遍的かつ効果的なモデルが形成された。さらに、フォーラムの開催や活動事例集の配布によって、その成果を県内各地に広く周知し、社会教育の活性化の一助にすることができた。

6.フォーラム開催時に、参加者を対象として、ESDの普及・啓発に関するアンケート調査を行った。(参加者数H25:137名→H26:146名9名増加)

【アンケート結果より】(評価率(%)=事業を有効と評価した回答数/アンケート回答数)
・事業実施市町村による実践発表評価率H25:98%→H26:93%
・「ESDと公民館」に関する講演評価率H25:94%→H26:96%
・ESDの普及は大切か評価率H26:96%(新規のためH26のみ)
・フォーラムに参加して良かった評価率H26:99%(新規のためH26のみ)

7.委託先から得た成果
・人が集う公民館等の既成の事業をESDの視点から見つめ直し、再構築したことによって、より多くの地域住民に対してESDの普及・啓発を図っていくことができた。特に、子ども世代を対象とすることで、その親へも普及できた。

・婦人会やNPOなどの主体による、大府市ESD推進協議会において、ESDをより多面的に捉えた取組を紹介し合い、情報交換をすることによって、お互いの活動が刺激され、各主体の活動の質的な向上ができた。協議会が、組織の垣根を越えた連携・協働体制を築くことができた。

・公民館が、ソフト面でもハード面でも地域団体同士、また、行政との連携をつなぐ、地域づくりの拠点として役割を果たすことができた。

・固定化する公民館活動に、協議会の意見が加わることで、変化が生まれ、通常公民館に集まる世代だけでなく、あらゆる世代が関われる活動であった。

・地域の人と地元の小学生がともに事業に参加することで、世代間交流の機会となった。

・公民館において、地域特性を踏まえた国際理解を深める生涯学習講座を開催したことにより、地域コミュニティ施策として推進している地域課題を地域住民自らが積極的に活動し、解決に結びつける地域力推進に寄与することができた。

・公民館を運営する地元住民が講座を企画・運営するノウハウを共有することにより、円滑な運営方法や住民ニーズの把握方法など、今後の公民館運営において参考になるとともに、より連携が強化された。

・HP等で広く発信することにより、同様な課題を持っている公民館に対する参考となり、公民館活動の活性化につなげることができた。

・事業について関わった人からのヒアリングを行い評価を実施した。その結果、事業の継続が必要であるということ。多くの方に関わってもらっている点は良いという意見が多かった。今後も継続事業として実施していく必要性のある良い事業であると評価された。3市の事業実施推進協議会の取組によって、公民館を媒体として、人や地域をつなげることができたため、社会教育そのものについても活性化が図れた。以上のことから、ESDの普及・啓発に関する県内各市町村の取組に資する効果的なモデルが形成されたと評価している。

(想定していたが得られなかった成果)
・今回の事業目標の設定に曖昧さがあった。その原因は、教育という息の長い取組にとって、2年という短い期間で客観的で明確な成果を示すことが難いと考えていたために、「県民へのESDの普及・啓発」「公民館本来の機能の再生」など確実に評価できる目標の設定ができなかった。

・目に見える具体的な成果として示すことが困難であった原因として、県が直接実施した事業ではなく、市町村の実施団体に再委託をした事業形態もあげられる。また、もともとユネスコESD世界会議を契機として、「県民へのESDの普及・啓発」、「ESDに取り組む公民館を拡大する」という大きな目標であったことから短期間での評価が難しかった。さらに、県として短期間で評価できる方策を構築できなかったことが反省点としてあげられる。具体的な評価基準を設置しておくべきであった。

今後は、事業として終了した後も、初心を忘れず、県内のESDの普及・啓発をめざし、市町村関係団体のESDの取組、ESDの視点をもった公民館の取組を支援し、見守っていくことが大切だと考えている。

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6.事業実施により構築できた取組プロセス、それを実現するためのノウハウ

事業の連絡協議会を各関係の委員をメンバーに入れ構成したことで、愛知県公民館連合会、愛知県社会教育委員連絡協議会、愛知県地域婦人連絡協議会、中部ESD拠点(RCE中部)など各関係団体と密接な連携を図ることができた。

また、市町村のESD推進協議会に再委託して事業を推進したことにより、県教委として、県民へのESDの普及・啓発を図る拠点をつくることができた。さらに、社会教育の最前線となる公民館でのESDの実践の有効性を実感することができた。

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7.今後、事業の継続・展開の具体的な方針・戦略

本事業としては、終了であるが、本事業の成果を元に、愛知県教育委員会としては、今後の公民館もしくは、公民館職員へのESDの普及・啓発について以下のようなビジョンをもち、展開していく。

1.「ユネスコスクールと公民館の連携による公民館でのESD事業の展開」
H27年度県独自の新規事業「ユネスコスクール活性化支援事業」において、ESDの推進拠点であるユネスコスクールと地域の公民館との連携を推進する。例えば、児童、生徒のESD活動の発表を地域の住民を招いて地域の公民館で実施することを推奨するなどである。現在、県内ユネスコスクールは、150校を越えており、県の規模としては全国一である。また、今後増加することも見込まれる。ESDの推進拠点のユネスコスクールが、地域住民が学び・集う公民館と協働することで、ESDの一層の普及促進と、公民館でのESD活動定着のモデルとなる。本事業では、ユネスコスクール交流会において、県内のユネスコスクールが一堂に会し、日頃の実践の交流を行う場面がある。公民館との連携実践の普及の場とできる。

2.「愛知県公民館連合会との協働によるESD研修・ESD事業研修の展開」
愛知県公民館連合会では、一足先に中部ESD拠点協議会など地域団体と連携を行い、全体研修会のなかで、H26年度、中部ESD拠点事務局長を講師に招き、ESDの研修とシンポジウムを実施した。また、事業計画の中にESD推進を位置づけることができた。毎年、4支部の公民館に研究委嘱を行い、各支部の研修および中央研修会で実践発表を行っている。今後は、ESDを含めたテーマで研究を委嘱・実践し、発表することで、県内公民館でのESDの普及・啓発を図る。その際には、愛知県がこの2年間、計5市のESD推進協議会に委嘱した「公民館GP」の成果が活用されることとなる。

3.「県教委主催の公民館主事等基礎研修、大学との連携による社会教育担当者等研修におけるESD活動の啓発」
愛知県教育委員会生涯学習課は、平成25年度より実施している新しい県生涯学習推進計画の中で、ESDの推進とともに、「生涯学習に携わる職員の専門性向上」を掲げている。そして、見出しの研修会をH25年度より実施(大学との連携はH26年度より実施)している。そこで、その研修の講座にESDの推進を取り入れ、本事業で作成した「公民館におけるESD活動事例集」を配付し、ESDユネスコ世界会議を契機として、ESD推進を展開する県内の公民館等職員、社会教育主事等への研修を実施する。

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事例シート(ダウンロードファイルに同梱)


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この情報の問い合わせ先

文部科学省 生涯学習政策局 社会教育課 公民館振興係
〒100-8959 東京都千代田区霞が関3-2-2
電話:03-5253-4111(内線2974)