公民館等を中心とした社会教育活性化支援プログラム(H26)

その他地域の教育的資源を活用した地域課題解決支援プログラム

もくじ

支援プログラムテーマ
受託自治体名
取り組みタイトル
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1.この事業に取り組んだ背景(地域の現状、抱える課題)
2.事業の目的、目指した成果
3.事業の概要
4.計画立案段階及び取組実施段階における関係者、団体等との連携・協働体制
5.この事業によって得られた成果・得られなかった成果
6.事業実施により構築できた取組プロセス、それを実現するためのノウハウ
7.今後、事業の継続・展開の具体的な方針・戦略
事例シート
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支援プログラムテーマ

テーマ5 その他地域の教育的資源を活用した地域課題解決支援プログラム

受託自治体名

三重県

取り組みタイトル

公民館等を中心とした社会人権教育活性化支援事業

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1.この事業に取り組んだ背景(地域の現状、抱える課題)

三重県では、子どもたち一人ひとりの存在や思いが大切にされる「人権感覚あふれる学校づくり」を進めるとともに、教育的に不利な環境のもとにある子どもの学びが保障される「人権尊重の地域づくり」を進めていくことを取組の柱の一つとして位置づけ、事業を展開してきた。

今日、子どもたちを取り巻く社会には、多くの課題が山積している。特に、家庭の貧困やそれに伴う教育格差の問題が深刻化する中、地域コミュニティーの希薄化等の影響もあり、子育てに悩みや不安を抱える保護者は増加している。また、学校や地域、インターネット上等においては、差別事象が発生しており、子どもたちを取り巻く暮らしの中に偏見や差別がなお根強く存在している。こうしたことを背景として、自らの将来に展望がもてず、不安やストレスを溜めている子どもや、愛情に対する枯渇感を抱える子どもの姿がある。

このような課題は、教育的に不利な環境のもとにある子どもの自尊感情や学習意欲の低下として、顕著に表れている。子どもたちがありのままの自分に自信を持ち、安心していきいきと過ごしていくためには、周りの大人のより良い係わりが必要となる。さらに今後、人と人とのつながりが実感できるような人権文化にあふれた地域づくりを進めるためには、次世代を担う青年層の育成が不可欠となる。

再委託先の伊賀市においては、深刻な少子高齢化とあいまって青年層のつながりが弱くなっている。さらに、人権活動を担っていく「次世代の人権啓発リーダー」の育成が十分進んでない状況がある。昨年度、この事業で世代を越えた「タテのつながり」と地域を越えた「ヨコのつながり」をつくる交流活動を行った。今後、タテとヨコのつながりをさらに強固にするとともに、「高校生や青年にどのような力をつけていくか」を明らかにし、計画的に「次世代人権啓発リーダー」育成に取り組むとともに、学習会の内容についても、青年層のニーズを把握しながら実施していく必要がある。尾鷲市は、三重県南部、東紀州地域の中央に位置し、紀伊山地と太平洋に抱かれた豊かな自然があり、古くからこうした自然と、人との関係が育まれてきた地域である。しかし、社会情勢の変化等により地域の産業が衰退し、少子高齢化・過疎化が進んでいる。こうしたことを背景としながら、地域の活力は低下傾向にある。また、人々の価値観や生活スタイル等も多様化し、地域内でのコミュニティ形成が難しくなる等、人と人とのつながりや関わりの希薄化が懸念されていたり、地震や津波をはじめ大雨洪水等による自然災害発生の不安も増大していたりする地域である。昨年度、「地域住民等すべての人々の安心感や活力が向上する人権尊重の地域づくり」を調査研究のテーマとして本事業を実施した。多様な立場・年齢の住民が一緒になって人権学習や文化的な活動を実施することができ、コミュニティの再整備をはじめ、地縁関係に基づいた相互扶助、支え合う住民間の関係性が再生される兆しが見られる等、大きな成果が得られた。しかし、独り暮らしで不安や悩みを持ちながら生活している高齢者もおり、現在も課題は残されている。

大台町では、人権尊重のまちづくりを推進するため、人権教育指導員(以下、「指導員」)を配置し、指導員を中心に長年にわたり「中高生のつどい」(以下、「つどい」)を開催してきた。これまで、部落問題等の解決に向けた人権教育および啓発に取り組んできたが、指導員個人の力に依存した状況では継続性が担保されないこと、地域課題が少しずつ変化してきていることから、取組の見直しが求められている。また、合併以前の旧大台町で始まった取組であることから、全域にわたる取組には至っていない。子どもたちの参加にあたっては、保護者の理解も重要であり、さらには町民全体への人権教育および啓発活動についても継続して取り組む必要がある。大台町町民福祉課と教育委員会が共催する人権フェスティバルでは、人権講演会や中学生による人権作文の朗読を行ったが、参加者が固定化しており、町民のニーズを適切にとらえ多様な層へアプローチする方法を検討する必要がある。

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2.事業の目的、目指した成果

○人権尊重の地域づくりの推進に向けて、次世代人権リーダーの育成をめざした推進体制づくりや学習活動づくりを研究し、その取組成果等の普及をめざした。

・伊賀市では、昨年度、市内における世代を越えた交流や地域の枠を越えた交流を進めることができた。本年度は、人権啓発活動をしている他市の高校生との交流を行い、次代を担う人材の育成をめざした。

・尾鷲市では、昨年度の課題として明らかになった独居高齢者や乳幼児を持つ母親、中高生等の住民の参加を増やし、現地学習等を通して、住民の人材育成をめざした。また、これまで地域で人権教育の中心的な役割を担ってきた退職教員を活用し、生徒対象の学習支援活動を創設することをめざした。

・大台町では、中高生のつどいを実施することによって「学習」と「行動」の循環が生まれ、先輩の取組を見ることで中高生も数多く育ってきている。本年度は、中高生が自分たちのモデルとなる青年の話を聞き、学んだことを発信することで、人権課題解決のために共に考えていける縦のつながりを創り出すことをめざした。また、青年層の活躍の機会や場をつくり、地域の人権文化の構築を担っていく人材育成をめざした。

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3.事業の概要

三重県教育委員会は、「公民館等を中心とした社会人権教育活性化支援事業」として、県内の再委託先の3市町とともに、公民館等が社会人権教育の拠点としての役割を果たせるよう、人権尊重の地域づくりに向けた「次世代人権教育リーダーの育成」の取組の研究を進めた。

三重県教育委員会においては、再委託先の市町教育委員会と公民館等の代表者等で構成する「社会人権教育活性化委員会」を組織し、情報交換や研修・交流を行うとともに、再委託先と連携・協働を図り、先進的な取組の事例等を集約し、県内の公民館等に発信した。

再委託先においては、次のとおりである。

【伊賀市】
(1)人権啓発活動する高校生(青年)の地域枠を越えたつながりの強化

伊賀市においては少子高齢化が進み、各教育集会所に集う児童・生徒が減少しているが、青年が中心になり教育集会所を拠点に活動している地域もあることから、昨年度は、このような活動を、伊賀市内に発信した。また、他の地域の活動を参考にしながら、より効果的な取組につなげていけるように人権学習交流事業を実施した。

昨年度の参加者アンケート結果を踏まえ、今年度は部落問題を中心に人権学習交流会を行うことになった。そこで、志摩市教育委員会迫間教育集会所や地域住民の全面的な協力のもと、「第1回伊賀市高校生(青年)人権学習交流会」(11月1日)を行い、22人の高校生が参加した。人権学習交流会では、伊賀市と志摩市の高校生を中心に参加者が車座になり、青年の被差別体験や人権活動を続ける思い等について話を聞いた。

その後、迫間の青年の話を受けて、伊賀市と志摩市の高校生が、互いの悩みや不安に感じていることを出し合った。

(2)人権学習交流会をとおした地域を担う人材の育成

昨年度「公民館を中心とした社会人権教育活性化支援会議」において、大阪市立大学の大北先生から、「公民館(教育集会所)活動を行うためには、『コーディネートスキル』と『ファシリテートスキル』の力をつけていく必要がある」という助言があった。教育集会所を拠点に活動している青年の中には、既にこのスキルを有している人もおり、教育集会所職員と共に地域課題を見つけ、解決のための活動を展開している。

また高校生においては、「第1回伊賀市高校生(青年)人権学習交流会」で迫間教育集会所を拠点に活動する高校生と交流したり、「第2回伊賀市高校生(青年)人権学習交流会」(1月25日)で伊賀市の各教育集会所を拠点に活動する高校生と交流したりする中で、自分の思いを語り、共感し合いながら自尊感情を高め、仲間との絆をつくりつつある。

教育集会所に集う小学生や就学前の子どもたちとともに、高校生や青年が活動する「伊賀市教育集会所交流事業『みんなよっといで!』(前期)」(7月31日)では90人の児童が参加し、高校生や青年がリーダーとして盛り上げたり、世話をしたりする姿を見て、後輩が育っていくことをねらいとして活動を計画した。高校生や青年を含めたスタッフ50人が参加した。また、自分の地域で差別をなくすために活動している人達と出会うことにより、次世代人権リーダーのスキルアップを図ってきた。

【尾鷲市】

(1)社会参画の意欲を高める出会いと異年齢交流

隣保館が設置されている尾鷲中学校区では、平成24年度に地域連携のしくみである「尾鷲中学校区子ども支援ネットワーク」が構築された。こうした組織との連携・協働により小中学生等と住民との交流を促進し、コミュニティーの再生とともに地域活力の向上をめざした。具体的には、中学生を対象とした週3回の学習支援、小中学生を対象とした学習支援を夏季休業中に全6日間開催した。週3回の学習支援では、5人の中学生が継続して参加し、全6日間開催の学習支援には延べ250人の小中学生が参加した。

(2)人権・文化を考える住民等交流会

多様な立場・年齢層の住民が一緒になって、人権に関する現地学習や文化的活動を実施することで、参加者同士が交流できる場を創出することをめざした。そのことで、地域づくり等への意欲が高まり、支え合う住民同士の関係性強化が進んだ。第1回は大阪コリアタウンを学習の場とするフィールドワーク、第2回は書道教室、第3回は地域の食文化と人権をテーマに実施した。参加者の満足度は高く、「幼児から高齢者まで、様々な人と一緒に参加して、地域を思う気持ちが強くなった」等の感想や意見が寄せられた。

尾鷲市は、近隣市町も含めて人権に関する幅広い知識を得るための施設・設備や歴史的建造物等を含む、体験的な学習活動の場が極めて少ない。また、尾鷲市は地理上の特徴から、かつては、「陸の孤島」と言われるほど交通の便が悪く、現在においても人々の往来はもとより、情報の流出入は限定的である。こうしたことを踏まえ、交通網(高速道路)が整備され始めてきた本年度の第1回は、これまで興味関心があっても、高齢者や乳幼児を育てている母親等の住民が、簡単に出かけることができなかったスポット(大阪コリアタウン)でフィールドワークを12月23日に実施し、30人が参加した。参加者は、母親とともに参加した3歳児や中高生、85歳の高齢者まで、多様な年齢層の人々が1台のバスに乗車して目的地をめざした。到着後、大阪市生野区に暮らす在日コリアンの歴史や文化に学ぶため、現地NPOの協力を得て、学習会を実施した。その後、それぞれグループごとで、町並み等を見て感じる地域探索学習を行った。

第2回は、普段実施している書道講座をベースに、人と人とのつながりや人権をテーマとした書道教室を12月26日に実施し、12人が参加した。

林町会館がある尾鷲市には、地域固有の歴史や文化の中に、部落問題や女性の人権に関する問題等、今なお十分な改善が図られていない課題が残されている。そこで、第3回は地域の歴史を掘り下げながら、意見交流を行った。人権課題解決の糸口を探り、実践力が向上するように、第3回のテーマを「地域の食文化と人権課題〜交流〜」をテーマとして、全2回実施した。1回目の交流では、尾鷲中学校を会場に、1月24日に実施し、23人の参加があった。子育てに奮闘中の尾鷲中学校PTAと地域の伝統料理である押寿司等を一緒になってつくり、子育ての悩みや高齢者の人権等も話題にしながら交流を深めた。2回目の交流では、林町会館を会場として、2月14日に実施し、40人の参加があった。大阪コリアタウンのフィールドワーク同様、中高生から、高齢者まで多様な年代層の住民が一緒になって、調理教室に参加したり、人権講座を聞いたりしながら、人権尊重の地域づくりについて、交流を図った。

【大台町】

(1)「つどい」と、青年リーダーの意識向上

「つどい」は、隔月を目安に開催し、大台地区(中央公民館)で1回、宮川地区(荻原公民館)で1回開催し、2地区合同で6回開催することで多くの中高生が参加しやすいように配慮した。中高生に限らず、内容によっては小学校6年生や保護者、地域住民へも参加を呼び掛けてきた。大台地区では大台中学校および協和中学校の生徒、宮川地区では宮川中学校及び県立昴学園高校の生徒が活動主体となった。

高校生が中心となって年間計画を考え、町教育委員会は、計画が人権学習の視点を取り入れた活動となるよう助言を進め、活動内容に関連した講師の手配等を行った。また、人権問題の解決に向けて、青年が人権リーダーとしての意識を高められるように、中高生に語る機会を設定した。

2地区合同で6回開催した内容は以下のとおりである。

8月のキャンプにおいて、高校生が企画・運営を実行し、37人の参加があった。川で遊んで触れあった後、中央公民館にもどって部落問題を考える学習を実施した。自然豊かな地形を活かし、触れあいを通した仲間づくりによって、自分の住む地域を好きになるとともに、自尊感情や人権感覚を高めることができた。

9月には、中高生と大人を含めて66人が参加した。部落問題を考える講演会を通して、中高生は差別の不合理さを実感することができた。

10月には中高生のつどいの先輩である20代の青年を2人講師にむかえた。青年が講演を経験することで、次世代リーダーとしての自覚を高めてくれる機会ともなり、講演を聴く参加者は30人であった。

11月には、「つどい」の活動を知らせる掲示物を参加した18人で作り、大台町町民福祉課との共催である大台町人権フェスティバルにおいて、入り口に掲示した。6月から10月までの活動を大台町の住民や中学生に知らせる機会をつくることができた。そのことが12月のクリスマス会での参加人数の増加につながり、70人の参加があった。

12月のクリスマス会では、はじめに障がい者の人権を考える劇団を招聘し、中高生が鑑賞した。

障がいのある劇団員とともに参加する場面もあり、障がいのある人とともに生きることについて、考えることができた。クリスマス会で実施したアンケートからは、部落問題や障がいのある人の人権などの学習機会を今後も得たいという回答が多かった。

2月9日に障がいのある青年と青年の親が演奏する人権コンサートを実施し、22人の参加があった。ありのままの自分でよいというメッセージが伝わるコンサートとなった。

(2)広報活動

前述のように、「つどい」で活動した中高生18人が協力して壁新聞を作成し、大台町人権フェスティバルの会場に掲示した。会場には中学生や地域住民が77人参加し、「つどい」の存在を周知することにつながった。年末の「つどい」には、会場一杯に参加者が集まり、その後の活動にとって大きな弾みとなった。高校生が活動の中心として、企画・運営にあたり、司会などで活躍する姿をアピールできたことで、中学生の「自分も高校生になったら、企画・運営をしてみたい」という気持ちを醸成することができた。また、中高生を支える事務局・教職員・青年・地域住民の継続的な協力関係が生まれたことで、企画・運営への見守りや支援、助言をそれぞれの立場から行うことができた。

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4.計画立案段階及び取組実施段階における関係者、団体等との連携・協働体制

○三重県教育委員会においては、学識経験者を招聘し、再委託先の3市町とともに「社会人権教育活性化委員会」を組織した。

○再委託先における「社会人権教育活性化会議」の構成員について

・伊賀市は、八幡町教育集会所、いがまち人権センター、ライトピアおおやまだ、寺田教育集会所、下郡教育集会所、青山文化センター、市教育委員会、NPO法人いが創造塾。
・尾鷲市は、林町会館、市教育委員会、退職教員。
・大台町は、中央公民館、荻原公民館、町及び町教育委員会、中高生のつどいの卒業生、中高生のつどいを支援する小中高校の教員。

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5.この事業によって得られた成果・得られなかった成果

(得られた成果)
三重県教育委員会においては、再委託先の3市町とともに「社会人権教育活性化委員会」を組織し、事業の前期と後期に、それぞれ研修会及び交流会を開催した。
v 前期には、「次世代リーダーの育成」について、再委託先である地域の現状・課題を踏まえ、住民同士のつながりを従来の地縁型からネットワーク型へと変えることが大切であるということを確認した。

後期には、「お手本となる人生の先輩との出会い」「地元での取組を部外者として見る視点」「学習と行動の循環」「参画の機会や場を創り出す」といった効果的な取組の視点が明らかになった。そして、それらの再委託先における取組成果をパンフレットにして県内の公民館等に配布し、取組の普及を図った。

三重県教育委員会では、多様な主体が各中学校区において、教育的に不利な環境のもとにある子どもを支援する「子ども支援ネットワーク構築事業」(以下「ネットワーク」)を県内全156中学校区で実施している。一方、「公民館等を中心とした社会教育活性化支援プログラム」(以下「プログラム」)では、地域の教育集会所や隣保館、公民館に集う人たちの力を活用し、人権課題の解消に向けた社会教育を進め、中学校区の枠を越えて、子どもを支援した。このことにより、公民館等に集う人々の自己有用感や連帯感が高まり、地域の活性化を促すことができた。県の事業である「ネットワーク」と国の事業である「プログラム」の2つの事業が重なり、地域の課題解決のための大きな力となった。

再委託先において得られた成果は、次のとおりである。

「次世代リーダーの育成」をめざして取り組んだことで、中高生や小学生、青年、高齢者、行政関係者や学校関係者、他市の高校生、地元のNPOなど、幅広い年齢層と多様な立場からの支援を得られ、協働を生み出すことができた。

また、他市や他部局との交流や協働を通して、地元の取組を部外者の視点から見つめることができた。取組のよさや課題に気づくこともできた。そのような取組を通して、地域の人々のつながりが強くなり、新たな協働や人々の参画が創出された。

伊賀市では、志摩市で活動している高校生との交流という新たな取組により、第1回・第2回と合わせて31人の高校生や青年が活動し、参加した高校生は、「他の子の思いに触れ、視野が広がった」「違う考えの仲間ともつながり、人権課題を解決するために、部落解放全国高校生集会において、また語り合いたい」と話している。

尾鷲市では、地域で人権教育の中心的な役割を担ってきた退職教員1人を活用し、中学生対象の学習支援を行った。これにより、5人の生徒の居場所づくりを進めることができた。また、県外研修会では30人の参加があり、昨年度の課題を踏まえて取り組んだ結果、独居高齢者や乳幼児を持つ保護者、中高生の参加者が6人増えた。参加者からは、「興味があっても、日頃行くことができない遠隔地に、幼児から高齢者までの幅広い世代の住民が一緒になって出かけ、学習できることは素晴らしいことである。今後もこのような企画があれば、是非とも参加して、住民間のつながりや信頼関係を深めたい」等の感想が多く出された。

大台町では、中高生の絆を強めるための体験活動と学習会を併せて行い、その積み重ねによって、中高生の参加者が大幅に増えた。年末のつどいでは70人の参加があった。また、10月に実施した、2人の青年が語る会においては、青年が30人の中高生に自分の思いを届けることができた。青年が中高生の時代に参加した「つどい」において、部落問題に関する聞き取り調査に取り組んだこと、差別の不合理さに対する怒りや自分がこれから取り組みたいことを、現役中高生に伝えた。青年は後輩に語ることで、リーダーとしての自覚を持つことができ、11月と12月のつどいでは、より積極的にファシリテーション役を担うことができるようになった。また、自分のあこがれの存在として、「自分も青年のようになりたい」という思いをもつ中高生も見られた。

(想定していたが得られなかった成果)
○三重県教育委員会においては、次のとおりである。
・本事業の成果を取組に反映させる市町がでてきたが、さらに普及を進めることができなかった。

○再委託先においては、次のとおりである。
・青年層のニーズをつかみ、意欲的な参加につながる取組を続けていく必要がある。
・若い世代の住民が地域の人権課題を捉え、その解決に取り組めるよう、活動の充実を図る必要がある。

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6.事業実施により構築できた取組プロセス、それを実現するためのノウハウ

事業実施により構築できた取組プロセスやそれを実現するためのノウハウは、次の4つである。
@他市町との交流の活性化や、仲間づくりを通して高校生の活動意欲や発信力を高めることができた。ここでいう仲間づくりとは、単なるなかよし集団ではなく、同じ人権課題を持 つ生徒が自他の思いを共有し、反差別の仲間を築くことである。

Aボランティアとの協働やNPOの活用を促進することで、学力に課題がある子どもの居場所を創出することができた。学力に課題がある子どもの自尊感情や学習意欲を高めるために、多くの大人の見守りや支援が、有効であることが確認できた。

B異年齢交流を活性化することで、独居高齢者や乳幼児のいる保護者等の参加が増えた。これまで参画のなかった年齢層の住民をターゲットにして、参画しやすい配慮を行うことで、新たな世代の参画を促すことができることを実証できた。

C青年層が活躍する機会や場を創出することで、中高生等の参加が増えた。青年層の姿を見て育った中高生が、青年のように活動したいという思いを持ち、継続的なつどいへの参加へとつながり、そのつながりがまた次の中高生の参加を促している。お手本となる若い世代が活躍する姿を後輩に見せることが、さらに次に続く若い年齢層の育成につながる。

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7.今後、事業の継続・展開の具体的な方針・戦略

三重県教育委員会においては、事業目的に青年層等(次世代人権リーダー)の育成を掲げ、青年層等が中心となって学習会のリーダー役を務めたり、人権フェスティバル等の活動に参画したりできるよう取り組む。

本年度三重県教育委員会は教育集会所や隣保館を拠点として、自尊感情を育んだり、学習意欲を高めたりする取組を実施したが、他の部局と協働して取組を進めることができなかった。今後は、他部局との連携をはじめ、公民館等を拠点とした地域とNPO、他市町の地域や学校との関係強化を図る。

戦略としては、三重県教育委員会主催の市町が集まる会議や教育的に不利な環境のもとにある子どもたちを支援するための研修会等を通して、本年度得られた成果やプロセス、ノウハウを広める機会を年に3回程度持ち、本事業の推進を図る。

また、他部局との連携については、防災対策部と連携し、避難訓練の実施の際に、災害弱者である障がいのある人や外国人等への偏見や差別を解消するための教育も併せて行い、地域住民への人権啓発活動とする。

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事例シート(ダウンロードファイルに同梱)








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この情報の問い合わせ先

文部科学省 生涯学習政策局 社会教育課 公民館振興係
〒100-8959 東京都千代田区霞が関3-2-2
電話:03-5253-4111(内線2974)