公民館等を中心とした社会教育活性化支援プログラム(H26)

その他地域の教育的資源を活用した地域課題解決支援プログラム

もくじ

支援プログラムテーマ
受託自治体名
取り組みタイトル
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1.この事業に取り組んだ背景(地域の現状、抱える課題)
2.事業の目的、目指した成果
3.事業の概要
4.計画立案段階及び取組実施段階における関係者、団体等との連携・協働体制
5.この事業によって得られた成果・得られなかった成果
6.事業実施により構築できた取組プロセス、それを実現するためのノウハウ
7.今後、事業の継続・展開の具体的な方針・戦略
事例シート
この情報の問い合わせ先

支援プログラムテーマ

テーマ5 その他地域の教育的資源を活用した地域課題解決支援プログラム

受託自治体名

福岡県

取り組みタイトル

公民館等の機能を活かした人権教育活性化事業

ダウンロードファイル

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1.この事業に取り組んだ背景(地域の現状、抱える課題)

本県では「福岡県人権教育・啓発基本指針」(平成15年6月)に基づき、人権教育に関する施策の総合的かつ効果的な推進に努め、その結果、県民の人権問題に対する認識は着実に高まりつつある。しかし、「子育て等に関する県民意識調査」では「地域で育児を助け合う環境が十分でない」という回答が79.8%あり、地域の中で子育て困難な親の存在が認められる。また、福岡県「人権問題に関する県民意識調査」での外国人の人権が尊重されていないこととして「習慣等が異なるため地域社会で受け入れられにくいこと」という回答が28.0%あり、人権課題を有する人が、地域社会で孤立・埋没化している現状がある。これらの課題解決については、個人への支援等と合わせて、生活基盤である地域コミュニティにおける孤立・埋没化の防止及び相談・交流の充実等、人と人との関係性を活性化させる支援が不可欠であり、人権課題を有する人の課題解決には地域コミュニティの再生や強化を図る取組において、「地域住民が話し合う・憩う・集う」といった機能を持つ身近な社会教育施設である「公民館等」の活用が有効であると考えた。

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2.事業の目的、目指した成果

<事業の目的>
地域の人権課題解決に向けて公民館が持つ機能を活かし、地域住民の地域の課題に対する意識と課題解決のための活動意欲、人権課題を有する人の地域に対する肯定的な感情と自己有用感、地域住民と人権課題を有する人のつながりを向上させ、人権課題の解決に向けて、地域コミュニティの再生・強化を図る。

<目指した成果>
(1)関係機関・団体等との連携による効果
○各種機関・団体の連携・協働による取組の肯定的評価を高める。

(2)地域住民の意識の向上
○地域住民の地域課題に対する意識が高まる。
○人権課題を有する人に対する意識が高まる。
○学習会等地域活動への参加人数が増え、参加している地域住民が運営に主体的に参画する。

(3)人権課題を有する人の意識の向上
○交流事業への当事者参加人数が増え、人権課題を有する人の自己有用感が高まる。
○地域とのつながりを実感することで、地域への肯定的評価が高まる。
○交流会等において当事者自身が地域の活動に参画する。

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3.事業の概要

再委託先は3つの地域(筑紫野市教育委員会・筑前町教育委員会・苅田町)に指定し、その実情に応じて、3つのテーマ(@地域の人権課題の把握A人権課題当事者の孤立防止B人権課題を地域ぐるみで解決)を選択し、公民館等と教育委員会や福祉部局等の行政機関、地域の人権課題解決や公共的活動への参加に意欲のある住民、企業、研究機関、NPO等と連携し、取組を進める。

○筑前町教育委員会
<テーマ:地域の人権課題の把握>
地域住民が住民による地域支援組織(つながり隊)を組織し、独居高齢者宅訪問や公民館での学習会を通して地域課題の把握を行い、その課題解決に向けた学習会・交流事業を行う。

@教育委員会を中心とした実施体制の確立
・生涯学習課、隣保館、町関係各課(人権・同和対策課、こども課、福祉課)、地域組織、福岡県教育庁北筑後教育事務所を中心とした体制づくり

A地域住民による地域支援の組織化
隣保館事業(青年学級・たんぽぽの会)に関わる地域住民の人材バンク情報を活用し、地域住民による地域支援の組織化【「つながり隊」】
・高齢者支援組織(既存の地域の青年団に参加する青年層を対象に組織化)
・子育て支援組織(既存の地域の子育て保護者会に参加する保育所の保護者等を対象に組織化)

B地域支援組織会議の開催
公民館(隣保館)の利便性・即応性及び情報バンク的な機能を活用し、「地域住民による地域の実態把握」「人権課題に関わる学習」「学習会・交流事業の企画」のための地域支援会議の開催

・第1回会議事業概要・事業計画について
・第2回会議年間事業計画
・第3回会議第1回グランドゴルフ交流会打ち合わせ
・第4回会議グランドゴルフ交流会を終えて・情報交流
・第5回会議第1回子育て交流事業準備(計画)
・第6回会議第1回子育て交流事業準備(作品づくり)
・第7回会議第1回子育て交流事業準備(発表練習)
・第8回会議第2回子育て交流事業計画(親子クッキング)
・第9回会議第3回子育て交流事業計画(内容確認・役割分担)
・第10回会議独居高齢者訪問事前学習及び訪問※民生委員講師招聘
・第11回会議本年度活動の総括※実態把握アンケート実施
・第12回会議独居高齢者訪問※民生委員講師招聘
・第13回会議本年度の活動総括※アンケート・聞き取り分析
◇つながり隊ニュース作成・配布「子育て・高齢者支援についての活動報告」

C地域支援組織による孤立防止を図る活動の実施
隣保館の機能としての「相談・交流の場」・「身近な施設としての利便性」を活用して、交流事業、学習会、訪問事業の企画・実施

(ア)子育て交流事業
・第1回…町の行事(文化祭)への参加を通した交流活動
・第2回…親子クッキング
・第3回…町の行事(人権フェスタ)への参加を通した交流活動

(イ)子育て学習会
・講師招聘による講演

(ウ)独居高齢者訪問事業
・訪問事業に関わる学習
・独居高齢者訪問

(エ)グランドゴルフ交流会
・高齢者と青年団との交流(異年齢交流)

○苅田町
<テーマ:人権課題当事者の孤立防止>
公民館において、公民館講座「かんだ国際交流ひろば」を年間9回開催し、地域住民と在住外国人との交流の場を作り、孤立した在住外国人の居場所を確保し、他の地域サークルや地域の学校と連携し、在住外国人が講師になった学習会や交流会を開催し、地域住民が在住外国人の悩みや要望を知る場を作り、在住外国人の自己存在感や自己有用感を高め、地域住民とのつながりを作る。9回の講座は、「保育園、幼稚園、学校関係の行事」、「地域の祭りやイベントなどの行事」、「国際交流イベント(公民館講座)」の内容で、孤立しやすい在住外国人を中心に町内及び近隣在住の外国人及び地域住民を対象に実施する。

@講座の開催
(ア)保育園、幼稚園、学校関係の行事
・第3回…「子どもひろば(小学校の放課後クラブ)留学生と遊ぼう」

(イ)地域の祭りやイベントなどの行事
・第6回…「アジャタ大会」

(ウ)国際交流イベント(公民館講座)
・第1回…「和のマナー講座」
・第2回…「和菓子作り講座」
・第4回…「お弁当文化を学ぼう」
・第5回…「館外研修町内見学」
・第7回…「マンデーサロン(高齢者向けのサークル)の皆さんと」
・第8回…「お正月の迎え方講座」
・第9回…「交流イベント」

A外国人が活躍できる場の設定
・公民館において当講座以外の講座等での講師

B外国人が相談しやすい環境の整備
・同じ立場の外国人を公民館に配置し、相談支援(1名配置)

Cアンケート調査の実施
・外国人向けの英語版アンケートの作成と外国人の意識の変容の把握

D地域ボランティアの活用
・7つの地域ボランティア団体への協力・支援の募集

E広報の拡充
・地域の広報誌や町のSNSやホームページの活用
・講座後の報告チラシの公民館掲示板や町の広報誌への掲載

○筑紫野市教育員会
<テーマ:人権課題を地域ぐるみで解決>
地域の課題である同和問題を解決するために、同和地区住民と地域住民との交流の場としての地域イベントを開催するためのまちづくり運営委員会を設置し、地域住民が主体的に参画できるよう事業計画を立て、その中で、イベント実行委員会を設置し、地域住民が主体的にイベントを運営し、地域住民と同和地区住民との交流の場を作り、課題解決を図る。

@事業の推進を図る運営委員会の組織化と地域課題の共有化
(構成団体:自治会、子ども会、老人会、NPO団体、隣保館)
・1回…実施体制の確認等
・2回…住民アンケートについて
・3回…住民アンケート・新規事業について
・4回…住民アンケート・新規事業について
・5回…写真deワークショップについて
・6回…写真deワークショップについて
・7回…住民アンケートについて
・8回…写真deワークショップの実施について
・9回…写真deワークショップの実施について
・10回…写真deワークショップの総括・オータムコンサートにおける出展内容の協議
・11回…オータムコンサートについて
・12回…文化交流会について

Aイベントの企画運営を行う実行委員会の組織化
(構成:運営委員及びイベント参画に意欲のある地域住民)
期日8月4日9月2日10月6日10月18日11月7日


B新規イベントの実施
・地域住民の新たな出会いやつながりを生み出し、地域の魅力を再発見する目的の新規イベントの開催(写真deワークショップ)

C既存イベントの充実
・地域課題を意識した地域住民との交流イベントの開催

(ア)オータムコンサート
(イ)文化交流会(もちつき、そば打ち体験など)

D地域住民の意識を図るアンケートの実施
・地域住民の地域に対する愛着度やつながりの深さ等に関する意識を把握し、取組の参考とするためにまちづくりアンケートの実施

○福岡県
@研究委員会の開催
・事業の実施状況について、県と再委託先で研究協議する場(研究委員会)を設置し、適切な推進体制の整備を図るとともに、実施内容充実・検証のための指導助言を行う
(構成委員:再委託先担当者、教育事務所社会教育主事、県教育庁人権・同和教育課総括及び担当者、学識経験者)

(ア)第1回研究委員会…本事業における事業計画に関する説明及び協議
(イ)第2回研究委員会…事業の中間報告及び事業報告書等に関する説明及び協議
(ウ)第3回研究委員会…本年度の事業報告について

A支援プログラムの普及
・各地域での成果を整理し、県内各市町村等への研修会等や学習資料による普及

(ア)福岡県人権教育研修会における実践報告
(イ)人権教育学習資料に支援プログラムの成果を掲載

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4.計画立案段階及び取組実施段階における関係者、団体等との連携・協働体制

計画立案段階では、本事業の研究委員会を設置し、その構成を本県教育委員会と各再委託先3地域の行政機関(2教育委員会と1町)とした。各再委託先に実行委員会を置き、そこにそれぞれ関係機関やNPO、地縁団体等の協働体制を構築した。以下に書く再委託先における連携・協働体制は以下の通り。

○筑紫野市教育委員会
行政機関(人権教育担当課・公民館事業担当課)、自治会、老人会、社会福祉法人、NPO

○筑前町教育委員会
行政機関(人権教育担当課・公民館事業担当課)、NPO、地域民生委員、学識経験者

○苅田町
行政機関(公民館事業担当課)、企業、商工会議所、大学、小・中学校、高校

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5.この事業によって得られた成果・得られなかった成果

(得られた成果)
○筑前町教育委員会
本事業によって、これまで、孤立化していた独居高齢者や子育て層の保護者への支援をすることができた。既存の若者組織を活用し、地域住民が主体となる組織を新たに立ち上げ、地域住民が主体的に孤立した地域住民への支援を行い、地域住民とのつながり作ることができ、組織的に課題解決のために動くことができた。また、若者組織を活用したことは、これからの地域のリーダーとなる若者の人材育成につながった。

アンケート結果から
・地域の中で子育てについてよく話す9名(前回調査5名)
・地域住民の高齢者に対する関心9名(前回調査9名)
・地域住民が自分たちにもできることがあるという意識8名(前回調査8名)
・声掛けの頻度「いつも」11名(前回調査5名)

○苅田町
これまで地域で孤立した外国人への十分な支援ができていなかったが、本事業によって、支援を充実することができた。公民館で外国人の居場所を作ることや、地域の講座での講師等を経験することで、地域の中で自己存在感を高めることができ、地域で貢献できる人材育成にもつながった。さらに、それを支える地域のボランティアを集めることで、地域住民の活躍の場となり、結果的に地域住民が地域の課題に対して関心を高めることができた。

・地域住民の講座の参加人数182名
・ボランティアとしての地域住民参加人数地域ボランティア7団体67名
・新たな在住外国人の参加人数41名

○筑紫野市教育員会
本事業によって、それぞれで活動していた地域の関係機関・団体、NPO等の代表がまちづくり運営委員会に参画したことは、参画した関係機関・団体、NPOのつながりを強固にすることができ、地域課題を共通理解しただけにとどまらず、組織的に地域住民を巻き込んで、課題解決に向けた動きを作ることができ、新たなイベントを開催することができた。

・地域のイベントで新しく知り合った人がいる。19名(対象:写真deワークショップ参加者21名)
・地域住民からイベント運営に参画した人数24名(昨年度18名)
・住んでいる地域が好き576名(対象:地域住民683名)

○成果によって得られた効果的な方法

・地域の人権課題の効果的な把握方法
・孤立・埋没化している人を地域での孤立を防止する方法
・課題解決のための地域の関係機関・団体等による連携・協働体制
・地域住民の地域課題の解決に向けた意識を高める方法
(想定していたが得られなかった成果)
・記載なし

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6.事業実施により構築できた取組プロセス、それを実現するためのノウハウ

○筑前町教育委員会
<取組プロセス>
・既存の若者組織の発掘
・若者組織を中心とした地域支援組織づくり
・地域支援組織による学習会・交流会・訪問事業の実施
・学習会・交流会でのアンケート及び訪問事業における実態把握
・実態を分析し、実態に即した学習会・交流会・訪問事業の実施
・研究委員会による成果評価
・支援プログラムの修正と修正した支援プログラムの実施

<実現するためのノウハウ>
・公民館から人材バンク情報を活用し、既存の地域組織を発掘
・若者を中心とした地域支援のための組織の立ち上げ
・地域の実態を熟知している人や機関を活用する
・学習会・交流会で必ず、アンケート調査を行い、地域住民の意識の変容を分析

○苅田町
<取組プロセス>
・行政担当課が公民館と協議し、既存のボランティア団体、地域の学校、企業に広く協力依頼
・公民館において孤立化した地域住民に焦点を当てた講座・交流会を企画
・地域住民の講座・交流会に関して地域住民に広報する
・地域のボランティアによる孤立化した地域住民の支援
・研究委員会による成果評価・確認
・支援プログラムの修正と修正した支援プログラムの実施

<実現するためのノウハウ>
・担当課だけでなく地域の実情を熟知している関係者との会議を実施
・地域住民に対して町の広報誌やSNS、ポスターを活用し、情報発信
・当事者のニーズを把握するために、回答しやすい内容のアンケートの作成
・当事者が相談しやすい、同じ立場の人を公民館に配置

○筑紫野市教育委員会
<取組プロセス>
・まちづくり運営委員会を設置
・まちづくり運営委員会を開催し、地域の課題の共通理解を図る
・地域住民主体の実行委員会によるイベントン企画・運営
・住民意識調査の実施
・研究委員会による成果評価・確認
・支援プログラムの修正と修正した支援プログラムの実施
・事業の成果や課題を地域住民に発信

<実現するためのノウハウ>
・運営委員会を設置し、担当課、自治会、関係団体、NPOが入り、地域の課題に関する協議や学習会を実施
・積極的に行事に関わる地域人材を発掘し、イベント実行委員会でイベントの企画・運営に携わるよう働きかける
・地域の課題につながるアンケート項目を立て、地域住民の意識の変容を分析
・定期的に住民意識調査を実施し、住民の意識変化を分析
・アンケート結果に基づき、事業の効果を高めるための工夫
・地域独自の運営を目指し、必要となる知識・ノウハウを広げるために、研修会での発表や冊子の作成及び発信

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7.今後、事業の継続・展開の具体的な方針・戦略

(1)再委託先が主体となり、本年度の評価を踏まえて修正した支援プログラムを実施することに対する支援を行う。

(2)事業成果を整理し、県内各市町村等に研修会や冊子等で普及を図る。
@福岡県人権教育研修会における実践報告
A人権教育学習資料に支援プログラムの成果を掲載

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事例シート(ダウンロードファイルに同梱)




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この情報の問い合わせ先

文部科学省 生涯学習政策局 社会教育課 公民館振興係
〒100-8959 東京都千代田区霞が関3-2-2
電話:03-5253-4111(内線2974)