公民館等を中心とした社会教育活性化支援プログラム(H26)

その他地域の教育的資源を活用した地域課題解決支援プログラム

もくじ

支援プログラムテーマ
受託自治体名
取り組みタイトル
ダウンロードファイル
1.この事業に取り組んだ背景(地域の現状、抱える課題)
2.事業の目的、目指した成果
3.事業の概要
4.計画立案段階及び取組実施段階における関係者、団体等との連携・協働体制
5.この事業によって得られた成果・得られなかった成果
6.事業実施により構築できた取組プロセス、それを実現するためのノウハウ
7.今後、事業の継続・展開の具体的な方針・戦略
事例シート
この情報の問い合わせ先

支援プログラムテーマ

テーマ5 その他地域の教育的資源を活用した地域課題解決支援プログラム

受託自治体名

北海道富良野市

取り組みタイトル

歴史的建造物を活用した町なみ・魅力再発見事業

ダウンロードファイル

(PDFファイル)

ページ上部へ

1.この事業に取り組んだ背景(地域の現状、抱える課題)

歴史的建造物は地域の歴史や産業、当時の建築様式や技術などの文化を後世に伝える貴重な資源である。北海道では比較的歴史のある道南部のまちや100数十年前の開拓期から経済の中心地となった港町でその活用と保全に基づいたまちづくりが行われているところもある。一方、北海道内陸部は開拓入植から歴史が浅く、明治末期・大正期は稀な例で、大半は昭和の建物である。また厳しい自然環境にさらされるために、良好な状態でなおかつ上質の建物は限られるため、専門家を除いては、高い注目を浴びずにリノベーションの機会を失い、消失するのが現状である。富良野市も同じ状況にあるが、自然災害や大火を免れてきたため、市街地を中心に明治末期〜昭和初期の建物が少なからず残されている。しかし歴史的建造物が持つ多様な資源的価値が多くの市民に伝わっていないため、一部の人びとに惜しまれながら一つ、また一つと姿を消している。そのため、市民が富良野市の歴史や文化を継承し、他者に伝え語ることが将来的に困難な状況になりつつある。

ページ上部へ

2.事業の目的、目指した成果

目的:歴史的建造物は地域の歴史・文化を体現する希少な資源であることを市民に伝え、関心層を掘り起こすとともに、市民の意識を向上させて、次々と消失していく現状にある歴史的建造物のリノベーションを進める。

成果:見学会や講演会を商店街、郷土研究会、建築士会等と企画共催、またメディアと連携し地域最大の購読数者数をもつ新聞紙上でコラムを連載して、市民の関心を掘り起し、見学会・講演会の参加者を30名以上、また昨年1件だった団体の講演依頼数を増加させる。このような取り組みを通じて、歴史的建造物の価値を高め、リノベーションの好事例を生み出すとともに、所有者・建築業者等が自ら積極的にリノベーションを進められる体制づくりを目指す。

ページ上部へ

3.事業の概要

初年度に刊行した報告書をもとに市民の意識向上のため、歴史的建造物に関する講演会・見学会を開催するとともに、新聞紙上でコラムを連載、またこれらの学習支援教材としてガイドブックを刊行し、市民はもちろん、所有者・建築業者・行政内部(主に都市建築課・観光課)・商店街等の団体と情報共有して学習支援に努めた。こうした活動を通じて協力団体や市民の意識を高め、都市建築課・地元業者と連携して歴史的建造物のリノベーションを進める。

@コラムの連載
北海道新聞社との連携企画でコラム「続富良野の歴史的建物」を11回にわたって連載(7/3〜8/2)10月以降、市街地の古写真を題材にしたミニコラム「まちの記憶」を10回連載。

Aふらの歴史的建造物ハンディガイドブック作成
報告書をもとに90件のうち57件を取り上げ、A5判22頁のガイドブックを3,000部印刷発行し、市内公共施設、道内の博物館・図書館、近郊の観光施設等に配布。WEB上でも公開。

B講演・見学会の開催
A.団体依頼の講演:観光アカデミー(4/12、18名)ロータリークラブ(3/27、40名)、消費者協会(7/18、15名)、本通振興会(11/21、13名)、北海道建築士会青年部道北地区大会(11/29、25名)、富良野警察署(1/21、23名)全6回延べ134名

B.市民講演会:建築史専門の学芸員を講師に招いて開催(12/6、51名うち市外4名)
C.市民見学会:市街地の歴史的建造物14件(8/31実施、16名参加うち市外2名)
*B・Cは郷土研究会、地元3商店街、建築士会、観光協会と連携開催

C連携づくりで活用事例の創出
富良野市都市建築課の現状変更情報を受けて、所有者とリノベーション希望の新規オーナーと情報共有、昭和初期の住宅1件をカフェにリノベーションした。さらに古い建物のリリノベーションが得意な地元業者と連携し、現在農家住宅1件のリノベーションを模索中。

ページ上部へ

4.計画立案段階及び取組実施段階における関係者、団体等との連携・協働体制

ガイドブックの発行や見学会、講演会の開催では、歴史的建造物に関する理解を深め、互いに情報を共有するため、郷土研究会、地元商店街、建築士会と協働運営を行った。また富良野市都市建築課から報告書に掲載した建造物の現状変更情報(取壊しなど)について教育委員会へ伝達されるよう依頼し、その上で所有者や建築業者などと相談してリノベーションの方向性を探ることができるようになってきた。建築業者の理解も進み、古い建物の活用を比較的多く手がける地元の建築業者と連携して、主に移住者をターゲットにした歴史的建造物のリノベーションを進展させる方向性を見出しつつある。

ページ上部へ

5.この事業によって得られた成果・得られなかった成果

(得られた成果)
団体の講演依頼件数が昨年は1件だったが今年は6件に増加し、市民講演会の参加者数が51名で目標値の30名を上回った。また市内各所に配布したガイドブックも人気で再配布を実施した。講演参加アンケートでは、本市に歴史的建造物が必要とした回答がいずれも9割を超え、また所有者アンケートでは歴史的建造物として注目されることに誇りに感じ、もっと知って欲しいとの回答が8割を超えた。歴史的建造物への関心の高まりを確認できる。また都市建築課、建築業者が理解を深め、連携体制ができたことで、歴史的建造物が取り壊される前にリノベーションへ導く道筋ができつつあり、旧農家住宅1件がカフェに生まれ変わった。この事例は商店・食堂等の店舗が皆無の東山地域に誕生したもので、地域住民の交流・憩いの場としても大きく期待される。

(想定していたが得られなかった成果)
本事業の前半は調査と報告書・ガイドブックの作成にあてたため、住民が主体的に参加できる仕組みを構築することができなかった。調査段階で郷土研究会と協働で実施したが、調査ボランティア募集などで住民が積極的に関わる仕組みを構築できたなら、より効果的だったかもしれない。またすべての建築業者の理解は得られなかったため、歴史的建造物のリノベーションを積極的に進める組織的な体制構築までには至らなかった。こうした状況下にあることや歴史的建造物の可能性に関する理解が深まっていないため、観光コンテンツへの発展には至っていない。

ページ上部へ

6.事業実施により構築できた取組プロセス、それを実現するためのノウハウ

市民・企業・連携団体への多様な学習支援の機会と情報共有を進め、またメディア(新聞社)との連携企画により、歴史的建造物に対する認知度とその価値に対する理解が高まった。また企業の果たすべき社会的責任を求めつつ、事業連携を図ったことによって歴史的建造物をリノベーションする方向性が生まれた。

ページ上部へ

7.今後、事業の継続・展開の具体的な方針・戦略

@歴史的建造物のリノベーション推進
都市建築課、建築士会、建築業者との連携をさらに深め、所有者が放棄することになった建物のリノベーションを協働で進めるとともに、その体制を構築する。古い建物をリノベーションする希望者は本州からの移住者が比較的多いため、企画振興課内の富良野市移住促進協議会と連携し、移住者も主たるターゲットに据えて情報を整理提供できるよう努めたい。しかし一方で、現在の所有者が建物を大切に使用し、後継者へ受け継いでいくことが最も重要なことと考えるため、その価値が次の世代へ伝わるよう学習機会の提供を行うとともに、所有者が抱える問題点や要望等を伺いながら対策をとっていきたい。

A山部地区に絞ったモデル事業展開
当館所在の山部地区に地域と対象を絞って、NPO法人山部まちおこしネットワーク、山部商工会等と連携し、歴史的建造物と山部地域の食を活用したフットパスイベントの実施やファームインで訪れる修学旅行生向け等の学習プログラムの構築を目指す。NPO職員や農業者等が主体的にガイドし、歴史・文化・食を体感できるメニューとする。また事前にNPOや地域住民と協働で住民の視点による建造物等の再調査も実施したい。

B市民・団体への継続的な学習支援
市単費(393千円)で歴史的建造物を紹介する特別展、リノベーションに関する講演会、建造物の見学会を開催予定で、関心層の掘り起こしと拡大に努める。見学者・参加者にはガイドブックを解説資料として配布する。

ページ上部へ

事例シート(ダウンロードファイルに同梱)


ページ上部へ

この情報の問い合わせ先

文部科学省 生涯学習政策局 社会教育課 公民館振興係
〒100-8959 東京都千代田区霞が関3-2-2
電話:03-5253-4111(内線2974)