公民館等を中心とした社会教育活性化支援プログラム(H26)

その他地域の教育的資源を活用した地域課題解決支援プログラム

もくじ

支援プログラムテーマ
受託自治体名
取り組みタイトル
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1.この事業に取り組んだ背景(地域の現状、抱える課題)
2.事業の目的、目指した成果
3.事業の概要
4.計画立案段階及び取組実施段階における関係者、団体等との連携・協働体制
5.この事業によって得られた成果・得られなかった成果
6.事業実施により構築できた取組プロセス、それを実現するためのノウハウ
7.今後、事業の継続・展開の具体的な方針・戦略
事例シート
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支援プログラムテーマ

テーマ5 その他地域の教育的資源を活用した地域課題解決支援プログラム

受託自治体名

富山県氷見市

取り組みタイトル

博物館における地域回想法の実践プログラム

ダウンロードファイル

(PDFファイル)

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1.この事業に取り組んだ背景(地域の現状、抱える課題)

氷見市は、人口50,516人(2月1日現在)の富山県北西部に位置する地方都市である。高齢化率は34.3%、高齢化が進んだ富山県内においても最も進行した地域の一つであり、その対策は最重要課題である。氷見市立博物館は、昭和57年に開館以来地域に立脚した博物館として、氷見地域でかつて日々の暮らしの中で普段使いされた民俗資料、いわゆる民具を多く保存し、公開している。こうした資料は、高齢者にとって懐かしいものばかりであり、見て、触れることでかつての生活の記憶が思い出されると同時に、他者との会話が弾み、笑顔があふれるきっかけともなる。当館ではこうした民具を活用して、平成23年度からは試行的に、また25年度からは本格的に「地域回想法」の取り組みを進めている。「地域回想法」とは、これまで医療や福祉の分野で非薬物療法の一つとして行われてきた「回想法」を地域に広げることにより、健康な高齢者の介護予防や、生きがいづくり、加えて世代間交流に結び付けることができる取り組みでもある。

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2.事業の目的、目指した成果

社会教育機関である博物館が主導し、福祉と協働して、この「地域回想法」に取り組むことにより、介護職員や地域のサポーターが「地域回想法」の有益性を学び、各々の現場において実践を積み重ねる。

目指す成果としては、市内に地域回想法の輪が広がった状態をイメージし、50,000市民1/5の10,000人が回想法を体験したり、研修を受講したりしたことがある状況を作り出す。
(この指標は、氷見市地域回想法事業実行委員会で協議の上、決定)

なお、こうした課題解決は、長期的な実践と評価を繰り返しながら行われるべきであり、簡単にその成果を得られるものではないことは実践当初から理解している。現在は目の前にいる高齢者が楽しいひと時を過ごしてもらうことを願い、無口であった人々が民具に触れて会話がひろがり笑顔があふれる変化を強く実感している。

また、介護保険部局との連携が現在のところ不十分であると認識している。連携を強めるため、定期的な情報交換の場となる連絡会議を設置して、高齢者の閉じこもりや認知症患者の増大など高齢化社会の諸問題解決を図りたい。

具体的には
・認知症予防に効果があることを科学的に立証するなど、双方が持つ知見をフル活用して、その効果測定の実施
・介護担当職員の地域回想法への参画とノウハウの習得
・地域回想法ネットワークと介護事業所ネットワークとの融合を行う中で介護現場への普及を支援
・介護予防給付からの回想法実践費用支出可能性の検討
・次期介護保険計画に回想法普及、実践の計画化の検討

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3.事業の概要

平成25年度の事業開始からこれまでに、

・市民が博物館に訪問して実施する「思い出語りの会」を延20回、
・介護予防の一次予防事業である「ふれあいランチ」等への「出張回想法」を延25回、
・介護施設へ民具を貸出しての「回想法体験」を延28回

実施し、延3300人を超える高齢者等に回想法を体験してもらっている。
また、今年度は、回想法実践のためのボランティアとの連携、介護専門職への研修の実施を行うことによって、実践の担い手を市内に増やす取り組みを行っている。
この目標を5か年目である平成29年度末までに達成させるために・・・

・地域回想法サポーター(応援団)→地域回想法ボランティア(主体的活動者)
現在30名現在8名
目標50名目標15名
→3つの自主グループ化
→活発な自主活動により目指す成果を達成

このうち、平成26年度に始めた出張回想法「思い出語りの会」は予想をはるかに超える25回の実践を行った。地域に密着した博物館の新たなアウトリーチ活動であり、今後も継続して実施していきたい。

また、今年度、学校現場との連携も始め、「昔の暮らし」の単元を学ぶ小学3年生と、地域のお年寄りとの交流を通して地域回想法の主題でもある、世代間交流の復活を図っていくことも事業化していきたい。加えて、貸出用民具に加えるために平成25年度から実施している藁製品の新規製作では、これまでにワラジ、ゾウリ、タワラ、ネコダ、フカグツ、ツブラ(ミニチュア)を作り、それぞれの貸出に供されている。またその映像記録DVDも併せて貸し出されて、懐かしそうにビデオを見入る介護施設のお年寄りも多く見受けられた。

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4.計画立案段階及び取組実施段階における関係者、団体等との連携・協働体制

連携した各種団体

・介護福祉関係(氷見市地域包括支援センター、市内の介護施設、市外の介護施設)
・地域福祉関係(老人クラブ連合会、地区社会福祉協議会)
・福祉教育関係(氷見高校生活福祉科、富山福祉短期大学)
・学校教育関係(氷見市立宮田小学校)

これらの各種団体は、博物館が地域回想法を実践するまでは、関わりがほとんどなかった団体である。現在は博物館がネットワークのハブとなって各種調整等も行っている。

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5.この事業によって得られた成果・得られなかった成果

(得られた成果)
回想法体験者約3300人(これらの人数は、博物館利用者としては純増である。)
地域回想法サポーター登録者30名
地域回想法ボランティア(主体的活動者)現在8名
藁製品:ワラジ、ゾウリ、タワラ、ネコダ、フカグツ、ツブラ(ミニチュア)及び映像記録DVD(計3本)

(想定していたが得られなかった成果)
現在のところ、介護保険担当部局との連携は不十分だと認識している。その理由は、その認知症予防効果等について科学的データに基づく説得力のある効果を見いだせなかったためである。そのため上記2の通り、連携を強めていきたい。

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6.事業実施により構築できた取組プロセス、それを実現するためのノウハウ

●地域回想法の取り組み開始から現在まで

平成22年地域回想法を「知る」
→どうすればいいのか見当つかず、まずは勉強
→北名古屋市で開催された回想法フェスティバルへ参加。
→回想法関係の論文、書籍の取り寄せ→読み込み
→朧げながら、その効用等に理解が深まる。
→でも、やってみなければわからない。
→介護施設へ民具をもって出かける。→施設利用の高齢者、施設職員に大好評→手応え!
→でも広めるにはどうすればいいか
→介護施設の職員とミーティング。館員とのミーティング
→試行内容の決定
→試行内容
→介護施設からの博物館利用料を無料にして来館を促進→これまで多くなかった介護施設からの利用者が増大
→民具セットを作成して、介護施設等へ貸出→博物館に来ることが難しい施設利用者にも民具に触れてもらうことができた
→博物館主催で回想法研修会の開催→多くの介護職員が理解を深めた。
→理解が一定程度広まり、深まったと認識できるが、まだ一握り
→次のステップとして公民館GPでの実践研究
→実践内容
→健康な高齢者をターゲット
→回想法の効果測定への調査
→わら製品の新規製作

●地域回想法サポーター及びボランティアを増やすためのノウハウ

・研修会の開催により、体験者、理解者を増やす。
・研修会受講者にサポーター登録の働きかけ
・サポーター登録者に、地域での「出張回想法」への同行参加の呼びかけ
・同行参加により経験の積み重ねと、回想法技法の習熟。回数の積み重ねにより、自信をもって実践できるようになる。→地域回想法ボランティア(主体的活動者)に成長する。
・自主的グループ化し、実践回数を増やすことにより、回想法が市内一円に広がる。

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7.今後、事業の継続・展開の具体的な方針・戦略

文化庁の「美術館・歴史博物館の補助事業」に申請する予定であるが、採択される可能性も不明であり、不採択の場合には、様々な可能性を探り(介護保険部局からの支出等)地道に実践していきたい。

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事例シート(ダウンロードファイルに同梱)


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この情報の問い合わせ先

文部科学省 生涯学習政策局 社会教育課 公民館振興係
〒100-8959 東京都千代田区霞が関3-2-2
電話:03-5253-4111(内線2974)