公民館等を中心とした社会教育活性化支援プログラム(H26)

その他地域の教育的資源を活用した地域課題解決支援プログラム

もくじ

支援プログラムテーマ
受託自治体名
取り組みタイトル
ダウンロードファイル
1.この事業に取り組んだ背景(地域の現状、抱える課題)
2.事業の目的、目指した成果
3.事業の概要
4.計画立案段階及び取組実施段階における関係者、団体等との連携・協働体制
5.この事業によって得られた成果・得られなかった成果
6.事業実施により構築できた取組プロセス、それを実現するためのノウハウ
7.今後、事業の継続・展開の具体的な方針・戦略
事例シート
この情報の問い合わせ先

支援プログラムテーマ

テーマ5 その他地域の教育的資源を活用した地域課題解決支援プログラム

受託自治体名

大分県宇佐市

取り組みタイトル

「Made in Usaを」知って学ぼう、楽しもう!

ダウンロードファイル

(PDFファイル)

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1.この事業に取り組んだ背景(地域の現状、抱える課題)

大分県宇佐市は人口約6万人で、県内最大の穀倉地帯です。北に瀬戸内海、南に山地と豊かな自然に恵まれています。当市の課題としては特に農業人口の減少があり、労働人口は平成12年の30,889人から平成22年の28,635人と2,254人と減少している中で、農業従事者は4,285人から2,691人と大幅に減少しています。当市は6次産業化を図り、多くの産品が生まれています。ブランド認証制度を作り、ご当地映画を製作するなど、地域や産品の価値向上と情報発信に取り組んでいます。

図書館は年間入場者数23万人(平成24年実績)と宇佐市で一番入館者が多い施設ですが、余暇施設としての認識が強く、課題解決に資する施設とは認識されておらず、資料と施設の活用に課題を抱えています。

2013年に国東半島宇佐地域が世界農業遺産に認定されましたが、世界文化遺産と名前が似ていることとなどから「知らない」「わからない」という市民も多くいました。県や市がPRしようという現在においては、認識を高めることが重要です。

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2.事業の目的、目指した成果

図書館において、世界農業遺産認定の要因である生物多様性など地域の豊かさを学び、図書館資料やデータベースなどで学習を深め、各種受講者を中心とした情報発信を支援し、他部局と連携しながら、宇佐市の地域価値を高めること。また、実際に学びを地域活性化につなげている事例を記録に残し、世界農業遺産の周知や活用につなげる。

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3.事業の概要

Program1
MadeinUsaを撮りにいこう〜御許山自然編〜

10月26日(日)宇佐自然と親しむ会大塚政雄氏(20名)
宇佐神宮の奥宮で水源涵養保安林・稲作原初の地形を持つ御許山の自然観察&撮影

Program2
データベース活用講座
11月24日(月・祝)農文協吉野隆佑氏(12名)

Program3
Facebook講座
11月29日(土)web制作・コンサルタント坂本章彦氏(10名)

Program4
MadeinUsa展212月27日〜2月8日(832名)
世界農業遺産パネル展、ため池位置図および宇佐の井堰工事の展示、Program1の参加者による水源としての御許山・稲作原初の地形の写真での紹介。

米づくりに必要な水不足解消のため、宇佐では水利事業が行われた。江戸から明治まで完成まで120年かかった「広瀬井手」と、昭和で国営事業として行われた「駅館川総合開発」である。「広瀬井手」を完成させた南一郎平は、のちに日本三大疏水にも関わることになる。

「米の王国までのみちのり」として、宇佐市の米商人吉田長次郎氏が明治13年粗悪米防止規約(宇佐市)を始め、その動きは明治34年大分県が全国初の県営米穀検査を開始したこ とにつながった。

大分県固有米「大分三井」は大分県農業技術センターが分離固定した米であり、食味の良さから一時期は県下の6割で栽培された「未曽有の品種」だったが、新品種の登場で現在は栽培されなくなった。

その大分三井を、長洲地区で100年の歴史を持つ清酒蔵の小松酒造場が一握りの種籾から復活させ、「豊潤」「大分福」などの酒を生み出し、それらは「宇佐ブランド認証品」となっていることを紹介した。

Program5
発表と講座未来を育てる卵21月31日(土)(80名)
1.大分県固有米大分三井を使った酒造り小松潤平杜氏
酒造りを復活させ、大分県固有米「大分三井」に着目した新しい酒造りを発表。

2.宇佐の生物多様性宇佐自然と親しむ会大塚政雄会長
地形や、貴重な動植物など、自然の豊かさを紹介。

3.世界農業遺産を動かす地域力
国東半島宇佐地域世界農業遺産推進協議会林浩昭会長
ため池づくりの伝統や、中世以来の景観を守った田染の活動、研究課題など。
(Program4・5の内容と5の感想は活動報告書に記載)

Program6
ブランド化に役立つ商標講座
2月15日(日)講師弁理士田代茂夫氏(15名)
商標とは何か、登録要件、識別力、効力、ブランドとは何か、商標登録しているかどうかの調べ方、4月以降の新しい動きについて、特許庁に在籍し、現在も各国の関係者への講師をしている弁理士から紹介してもらう。

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4.計画立案段階及び取組実施段階における関係者、団体等との連携・協働体制

【耕地課】
世界農業遺産の担当課として、「ため池」位置図・シンボルマークの提供、講演会で協力
大分県世界農業遺産推進班との連携、ホームページなどで告知

【農政課】
6次産業推進協議会などでイベント周知、宇佐ブランド認証品のマーク提供
(林業水産課、観光まちづくり課などは周知協力)

【農林水産省九州農政局大分地域センター宇佐支所】
展示パネル作成

【大分県公文書館】
明治期の公文書を貸出

【大分県農林水産研究指導センター】
稲作関連資料や「大分三井」などの貸出

【国東半島宇佐地域世界農業遺産推進協議会】
パネル貸出、ホームページで周知

【大分県知財総合支援窓口】
田代弁理士の紹介、知財事業紹介、相談事業実施

【宇佐自然と親しむ会】
パネル展示を実施

JAおおいた、宇佐商工会議所
イベント周知協力

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5.この事業によって得られた成果・得られなかった成果

(得られた成果)
◆Program1
MadeinUsaを撮りにいこう〜御許山自然編〜
10月26日(日)宇佐自然と親しむ会大塚政雄氏(20名)
宇佐神宮の奥宮で水源涵養保安林・稲作原初の地形を持つ御許山の自然観察&撮影
大分県固有米三井の栽培を見学

宇佐神宮の奥宮である御許山は、近年ロングトレイルなどで注目されている。登山道付近にはため池があり、水源涵養保安林があり宇佐市内を流れる寄藻川の水源であり、湧水もある。 稲作原初の地形を保ち、オオイタサンショウウオの生息地であり、生物多様性に富んでいる。また、女神降臨の言い伝えもある山頂付近は今も禁足地であり、巨木に囲まれ苔むした古道は聖域の雰囲気が濃い。観光関係者の参加もあり、観光パンフレットなどの撮影につながりそうであった。自然観察をしながらの登山は「疲れにくい」「勉強にもなる」と好評であった。

また、大分県固有米の大分三井は御許山の麓で、御許山から涌く水やため池の水を使って契約栽培されている。県内で栽培されている米品種の推移を学ぶともに、県内唯一の場所を見ることが出来た。

アンケート回収した参加者全てから「よかった」と評価があり、「また参加したい」との声もあった。

○各団体のメリット
○宇佐自然と親しむ会・・・新しい自然観察コースの開発、宇佐市の歴史や自然の周知
○ツーリズム大分・・・「豊の国千年ロマン」など、撮影候補の下見
○小松酒造場・・・地域の方に「大分三井」を知っていただくことで、自社の活動周知
ブランディングにつながる

◆Program2
データベース活用講座
11月24日(月・祝)農文協吉野隆佑氏(12名)
受講した専業農家からも「使わなければもったいない」と高評価であった。

「九州のたがやす図書館」にも掲載され、今後読者会やDVD上映会など、図書館の資料を使った活用を連携して行いたいという申し出があった。2年間継続した成果であると言える。 アンケート参加者からは9割の「よかった」1名「ふつう」だった。

○農文協・・・講座をすることで、データベース活用方法をアピールできる。また、今後図書館と連携することで、地域に出かけて、読者との絆をより深められる拠点にできる。また自社資料の有益性を宣伝できる。

◆Program3
Facebook講座
11月29日(土)web制作・コンサルタント坂本章彦氏(10名)
昨年から継続しており、情報発信をしている方もいるが、大分県立歴史博物館も職員の受講からfacebookを開始予定である。社会教育施設の活性化につながった。
坂本氏のfacebookにシェアされ、閲覧は600を超えた。
参加者からは、「思っていたより難しかった」との声もあったが「活用したい」とも。

○坂本氏・・・無料での情報発信を受講者に知ってもらい、地域振興に資することが出来る。
現在大分市の商工会議所からコンサルタントとしても派遣されているが、受講者の生の声を聴き、講師としての経験を次に生かすことができる。

○県立歴史博物館・・・宇佐市内にある博物館。職員が行きやすい場所での講座開催だった。

◆Program4
MadeinUsa展212月27日〜2月8日(832名)
世界農業遺産推進協議会から借りたパネルと、宇佐市の「ため池位置図」を紹介したことで、世界農業遺産と宇佐の関わりを「見える化」することができた。
郷土の先人、南一郎平の功績の再認識と吉田長次郎の再発見につながった。
吉田長次郎の明治13年から始めた米穀検査は、前年大阪の米倉庫で米を腐敗させるという失敗から始まったものだが、現代で言えば「ブランド化」の動きに他ならない。
この検査が大分県で実施された県営初の米穀検査につながった。
(大分県公文書館より借用した公文書、吉田長次郎顕彰碑の写真を展示)
水利改善と品質向上・品種改良があって、「宇佐米」の価値は高まり、県下最大の穀倉地儡「米の王国」と呼ばれるに至った。(米の作付けが多いことは、農水省作成のパネルで展示)
宇佐の先人たちの活躍は、郷土資料を使って紹介することが出来た。
大分県農業技術センターが分離固定した「大分三井」歴史を紹介することで、大分の米の品種改良研究などを紹介できたため、地域の付加価値再発見につながった。
出荷のために宇佐の米が集まった長洲地区は、最盛期には10以上の酒蔵があったが、現在は小松酒造場しか残っていない。明治元(1868)年からの歴史を持つ清酒蔵小松酒造場は、一度酒造りをやめたが、6代目、30代の杜氏が平成20年に酒造りを再開。昭和40年代から栽培されなくなった「大分三井」を酒米として復活させた。「大分三井」を使った清酒3品は、現在「宇佐ブランド認証品」として、地域を代表する品の1つになりつつある。展示で「大分三井」の歴史に触れたため、さらに産品へ付加価値を付けることにつながった。

○世界農業遺産推進協議会・耕地課・・・パネル展を行うことで、世界農業遺産の市民への周知が図れた。また、世界農業遺産に関心をもってもらう上で重要な、地域との関係性を見せることができた。

○宇佐自然と親しむ会・・・写真で自然観察活動を周知できた。また、次年度の活動に、新しい意義を付けることになった。図書館で農業遺産に関連したパネル展も2回開催し、活動の周知につながり、「他の団体から羨ましがられている」。

○大分県公文書館・大分県農林水産研究指導センター
全国初の米穀検査実施が大分県であることを、公文書で裏付けしつつ周知できた。

○大分県農林水産研究指導センター(旧名大分県農業技術センター)
「大分三井」の分離固定は、大分県農業技術センターの実績であり、その種籾を保管・栽培して更新していたのは、現在の大分県農林水産研究指導センターである。そのため、存在意義や価値向上につながる成果紹介となった。

○農林水産省九州農政局大分地域センター宇佐支所
パネルを作ることで、県下最大の穀倉地帯である宇佐市を改めて周知。

○農政課
宇佐の米作りや宇佐ブランド認証品の新たな付加価値発見。

○小松酒造場
蔵や長洲地区の酒造りの歴史、現在の活動を市民に知らせ、ブランド構築に。
(「国東半島宇佐地域世界農業遺産地域ブランド認証制度」につながる)
毎日新聞宇佐の農業史紹介「遺産」の価値明らかに(2015年1月30日)
大分合同新聞メード・イン・宇佐を知ろう。杜氏の小松さん講演(2015年1月28日)

◆Program5
発表と講座未来を育てる卵21月31日(土)(80名)
1.大分県固有米大分三井を使った酒造り小松潤平杜氏
2.宇佐の生物多様性宇佐自然と親しむ会大塚政雄会長
3.世界農業遺産を動かす地域力
国東半島宇佐地域世界農業遺産推進協議会林浩昭会長
それぞれの分野で活躍する方たちが「学び」を基本に地域活性化に活動する姿が見られた。
三名の方たちは初対面であり、この企画で初めて会った。
農業遺産や宇佐について「もっと知りたい」「学びたい」という市民の意欲につながった。
耕地課はボールペンやパンフなどを配布して、農業遺産の周知に努めた。
活動報告書を関係各課・関係者や県内の図書館などに送付。

○小松酒造場・・・酒造りの思いや地域への感謝伝えることができた。
○宇佐自然と親しむ会・・宇佐の貴重さを市民に知らせ、会の活動紹介もできた。
(2月8日〜3月8日までエントランスホールでパネル展示)
○世界農業遺産推進協議会・・・世界農業遺産で重要とされる、生物多様性や「企業との共生」について、関連付けて紹介することで、より世界農業遺産を身近に感じられる企画だった。また、高校生などが参加することで、次世代へ承継につながるという評価。
○耕地課・農政課世界農業遺産・宇佐ブランド認証品や農業遺産の周知につながる。
○宇佐商工会議所・・・地域資源として世界農業遺産の講習も企画していたため、会員への周知に協力。

◆Program6
ブランド化に役立つ商標講座
2月15日(日)講師弁理士田代茂夫氏(15名)
昨年以来、JAへの周知ではなかなか効果がなかったため、6次産業化推進協議会のメーリングリストに情報をながしてもらったところ、6名ほどの参加があった。また、昨年から知財総合窓口から申し出があり、宇佐での知財相談を図書館で実施している。1年間に3回ほど相談会を開催。商標講座を昨年受講した小松酒造場さんが2015年2月に2件の商標を登録。事業の成果でもあるが、講座の直前であり、PRにはつながらなかった。もう一年あれば、周知につながっただろうと思う。

「良かった」も8割あった。

○6次産業推進協議会・・・会員に講座を周知することで、会員の学びにつながる。

○知財総合窓口・・・昨年は商標相談から登録に、今年度も「熱心な方がいる」「実績につながる」と高評価であった。また、大分市に出てこられない相談についても、図書館を会場とすることで相談者や担当の利便性向上になった。

(社)情報科学技術協会より「地方の図書館で地域の振興・活性化に取り組んでいる」と原稿依頼があり、本事業についても言及する予定である。
「情報の管理と技術」5月号掲載予定。

(想定していたが得られなかった成果)
・JAとの連携県本部にはイベント情報として出すなどしてもらったがそれ以上の広がりがなかった。

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6.事業実施により構築できた取組プロセス、それを実現するためのノウハウ

商標講座へはJAおおいたから、宇佐市の6次産業推進協議会へ周知を切り替えた。今年度は世界農業遺産「クヌギ林とため池がつなぐ国東半島・宇佐の農林水産循環」に関連する昨年商標講座を受講し情報発信も行い、現在は長洲地区に唯一残る酒蔵で宇佐ブランド認証品を作っている小松酒造場や宇佐市の米の歴史に注目した「宇佐の水と宇佐の米から」という企画展や講座を開催することで、公文書館や大分県農林水産研究指導センターや「大分県固有米大分三井」を復活させた小松酒造場の製品価値と、米の検査発祥の地という地域の価値を上げることにつながった。

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7.今後、事業の継続・展開の具体的な方針・戦略

佐市の機構改革の一環として、6次産業化・ブランド化を担当していた農政課と世界農業遺産を担当していた耕地課の一部がまとまり、推進室を作ることになっているため、今後は方向を見極めて推進室と連携していくことになります。

本事業で得られた農文協の申し出を活かして、農業関係の情報収集・提供・活用のための講座や読書会・上映会などを協力して行い、農協などとの協力体制を確立していきたいと考えています。

また、世界農業遺産推進協議会からは、図書館で様々な周知が効果的にできることを知っていただいたところで、推進協議会の会長からも評価されているため、本事業の活動報告書などの実績を基に、ファンドの活用を含めて事業展開を検討しています。

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事例シート(ダウンロードファイルに同梱)


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この情報の問い合わせ先

文部科学省 生涯学習政策局 社会教育課 公民館振興係
〒100-8959 東京都千代田区霞が関3-2-2
電話:03-5253-4111(内線2974)