公民館等を中心とした社会教育活性化支援プログラム(H26)

その他地域の教育的資源を活用した地域課題解決支援プログラム

もくじ

支援プログラムテーマ
受託自治体名
取り組みタイトル
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1.この事業に取り組んだ背景(地域の現状、抱える課題)
2.事業の目的、目指した成果
3.事業の概要
4.計画立案段階及び取組実施段階における関係者、団体等との連携・協働体制
5.この事業によって得られた成果・得られなかった成果
6.事業実施により構築できた取組プロセス、それを実現するためのノウハウ
7.今後、事業の継続・展開の具体的な方針・戦略
事例シート
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支援プログラムテーマ

テーマ5 その他地域の教育的資源を活用した地域課題解決支援プログラム

受託自治体名

神奈川県真鶴町

取り組みタイトル

海の自然を活かした地域活性化と観光振興〜海を学び、海に親しむ場づくり〜

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1.この事業に取り組んだ背景(地域の現状、抱える課題)

真鶴町は神奈川県西部に位置し、人口8千人余り、超高齢化が進む海辺の町である。町内にある真鶴半島は、県の天然記念物である照葉樹林と豊かな海の自然が今なお残され、岩礁の海岸線と黒潮の影響により水産生物をはじめとした多様な生物、生態系を育む地域であるが、この地域の豊かな海の自然知る機会も少なく、高齢化による漁師の減少や海での遊びを伝える人材の減少、子どもたちの遊び方の変化により町民と海との関係が薄くなってきている。首都圏近郊で豊かな自然に恵まれているが、その地域資源を町民も行政も実感できず、漁協やダイビング事業者など海辺のステークホルダーの連携もほとんど無いまま、観光業にも地域の魅力としても活かせていない現状が続いている。地域のアイデンティティとして豊かな海の自然を再認識し、活用する必要性がある。

一方で、真鶴町では平成18年から小学校等の遠足で、真鶴半島三ツ石海岸に訪れる県内近隣市町村や静岡県東部の市町村の児童に磯の生物観察の指導を行う、「海の学校」事業を行ってきた。多い年には3000人を超える町内外の児童への指導は、町立遠藤貝類博物館の元館長があたり、当時横浜国立大学の大学院生であった水井涼太氏もその指導を補助していた。その後、水井氏は海の学校をヒントに、持続可能な海と人との関わり合いを構築することをミッションとした特定非営利活動法人ディスカバーブルーを平成23年2月に横浜国立大学発ソーシャルベンチャーとして設立した。同年10月にディスカバーブルーの企画・発案で、真鶴町とディスカバーブルーで神奈川県「新しい公共の場づくりのためのモデル事業」に応募し、採択され、本事業につながる協働の枠組みができた。その中で、漁協をはじめとした真鶴町内の海に関わるステークホルダーの協力のもと「海を学び、海に親しむ場づくり」に取り組み、協議会の設置や一般市民向けの海に親しむイベント等を実施してきた。

さらに昨年度、公民館等を中心とした社会教育活性化支援プログラムに採択され、協議会参加団体の連携強化や海に親しむためのイベント開催などに加え、町役場職員等に向けた海の自然を知る研修会を実施し、職員の海の自然の認知の向上と、それを活かしていこうという意識改革が進みつつある。

しかしながら、役場内の他の施策や動きとの連動はまだほとんどなく、さらに町内の事業者や他の団体とのつながりや活動の基盤づくりを進める必要があるとともに、海に親しむためのイベント等のアピール不足などの課題が存在し、観光促進においては、活動は独自・単発、かつ波及性の低い状態であることは否めない。

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2.事業の目的、目指した成果

そこで、本事業では、海辺のステークホルダーの連携と豊かな海の自然を町民・行政ともに深く理解し、その上で持続可能な利用を図ることで、地域の魅力の再発見や観光促進に活用することで、町の活性化を図ることを目的とした。そのために、町内の海に関わるステークホルダーとの連携協力体制の維持と強化を図るため協議会を4回実施するとともに、参加する役場部局や団体を現状の10から12へ増加し、事業の進捗や課題を共有し、取り組むことを目指した。また、海を活かしたまちづくりと人材育成として、役場職員向けの研修会を3回、観光事業者等を対象とした講習会を4回実施し、海の自然の理解と地域の海の豊かさを実感してもらうことで、行政運営や観光促進への活用を意識してもらう。さらに、町内のみならず、町外への海の自然に触れ合い理解する機会を創出する一般向けイベントを5回(他に自主事業7回程度)、町内児童向けイベントを4回、さらに漁協等との連携事業を3回開催することで、海の自然、生物、生態系の理解増進と環境保全意識の普及啓発、地域の魅力の再発見や観光促進を図る。これらイベントの参加者に対してアンケートを実施し、満足度(5段階評価で上位2項目)目標値80%、町民参加者には「地域の魅力を再発見できた」目標値80%、町外参加者には「真鶴へまた訪れたいか」目標値80%を得る。これにより真鶴=海の自然を楽しむ観光地としてのイメージの確立と浸透を目指す。イベント周知においては、新聞ラジオ等取り扱い20件、町外のイベント広報協力団体(ちらし配架)目標値30団体を目指すとともに、facebookページの情報発信強化を図る(目標値400「いいね」)。これらを通して、周辺地域(真鶴町外)からの集客を目標値20市区町村とし、町外のより広範への周知を図り、真鶴訪問のきっかけをつくる。

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3.事業の概要

(1)町内の海に関わるステークホルダーとの連携協力体制の維持と強化(3回実施):「海を学び、海に親しむ場づくり協議会」を実施し、ネットワークの構築と本事業についての意見・協力得るとともに、評価と改善点についての議論を行った。(台風の影響により1回中止。)

(2)海を活かしたまちづくりと人材育成
@海を活かしたまちづくり研修会の開催(3回実施、参加者数35人(内訳:首長部局職員26人20歳〜39歳の職員21人)):地域資源である海の自然の理解浸透を図るため、町役場職員を対象に海の生物観察や沿岸域の植生に関する研修を行った。

A海の自然を伝える担い手づくり(4回実施、参加者数15人):町民有志、観光・宿泊関連従事者、観光ボランティアなど多様なバックグラウンドを持った人材に海の自然を広く知ってもらいそれらを活用するための講習会を開催した。

(3)海を学び、海に親しむ場づくり
@一般向けイベント「海のミュージアム」(5回実施、参加者数53人)(自主事業については19回実施参加者数290人):磯の生物観察会やプランクトン観察会など、海の自然を解説するためのイベントや民宿宿泊者向け夜のプランクトン観察会などを行った。

A町内児童向け「真鶴自然こどもクラブ」(4回実施、参加者数40人):休校日に町内の自然や生物、生態系を解説する事業を実施した。

B漁協等との連携事業(3回実施、参加者数359人):町のイベントでの漁協の魚直売エリア内での海のプランクトンの紹介や、「真鶴まちなーれ」との連携による磯の生物スケッチを実施した。

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4.計画立案段階及び取組実施段階における関係者、団体等との連携・協働体制

計画段階においては、町立遠藤貝類博物館と海の生物・環境やその指導に関する専門性を持つNPOと協働で行った。実施段階においては、「海を学び海に親しむ場づくり協議会」において、企画に関する助言、アドバイス得るとともに、様々な協力や連携を得ることができた。

【協議会参画団体】:真鶴町漁業協同組合、岩漁業協同組合、東京フリーダイビング倶楽部、横浜国立大学大学院環境情報研究院附臨海環境センター、一般社団法人真鶴町観光協会、特定非営利活動法人ディスカバーブルー、真鶴町立遠藤貝類博物館、真鶴町教育委員会、真鶴町産業観光課、真鶴町企画調整課、真鶴未来塾(オブザーバー参加)、真鶴町商工会青年部(オブザーバー参加)

さらに町内児童を対象とする企画においては、まなづる小学校およびPTAなどにも協力いただいた。
また、町役場向け研修には神奈川県立生命の星・地球博物館に講師を依頼した。

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5.この事業によって得られた成果・得られなかった成果

(得られた成果)
予定していた事業は概ね開催できた。協議会の設置により、情報共有だけでなく、参画者の多面的な視点による意見交換が行われるとともに、町内の地域振興に携わる団体のオブザーバー参加を得るなど、ネットワークがさらに広がってきた。役場職員や町内観光業事業者向けの研修では、地域資源としての海の自然の価値を再認識するとともに、参加者同士および本事業の主催者側との交流も深まり、本事業への理解も得ることでイベントチラシの店舗設置を希望する店舗が増えた。また、町内外一般向けのイベントの実施では、アンケート結果から参加者の満足度等に関する目標としていた数値は達成し、真鶴の地域資源としての「海」の有用性を実証することができた。さらに、広報などについて町民からの積極的な協力を得る機会も増えた。なお、本事業により町内小中学校のふるさと教育の改訂、地域再生総合計画など他事業への反映や、当事業のノウハウについて近隣博物館による視察を受けたり、他の地域振興イベントや活動団体などとの新たな連携ができた。

(想定していたが得られなかった成果)
プレリリースを行い、新聞掲載(3紙4回のみ)やFacebookページを開設し「いいね」を獲得することで「真鶴=海の自然と親しむ場所」というイメージ作りにつなげること(「いいね」数225で目標値に達せず)による広報効果を狙ったが、参加者アンケートより、イベント情報の周知についてはそれらによる効果が低く、インターネットでのキーワード検索や知り合いの口コミなどから入手する割合が高いことがわかった。また、SNSの活用の仕方に課題があったと考えられるため、広報戦略の改善が必要である。

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6.事業実施により構築できた取組プロセス、それを実現するためのノウハウ

「海」という地域資源を活用することで真鶴町の活性化・観光振興を目標とし、解決方策を博物館と専門知識を有するNPOが社会教育として取り組む内容とすることで、海のステークホルダーや役場、町民などとの合意形成や賛同を図った。解決方策としては、海に関わるステークホルダーとの連携の場として協議会を設置し、役場の縦割りを外部から崩した。また、海辺のステークホルダーの連携やつながりを重要視し、何かを決議することによる対立がないよう様々な意見を出していただくため、会議に出席することに義務や負担は設けず、その場に来てもらうことを目標にし、本事業の企画についてアドバイスをいただけるような形をとり、何かを決議するようなことはなく、会議の半分はフリートークでゆるい雰囲気で行った。役場職員や町内観事業者向けの研修では、町外からのイベント参加者と同様に海の生物や自然と触れ合う楽しみや、地域資源の価値・魅力を実感してもらい、地域活性化、観光振興ESDとしてのプログラムデザインを投げかけ、活動に巻き込んだ。また、参加募集にあたっては、事業者を1件ずつまわって周知した。一般向けには海と親しむ場として様々なイベントを開催し、町内の広報誌やソーシャルメディアを活用した情報発信や、町内各事業者との連携企画をこちらから提案して実施した。事業の評価は、協議会等で参加者アンケート結果を提示し、町外からの集客に寄与していることを実証した。次年度に向けても、本事業の継続と拡充をはかるが、その他役場職員からも町の取り組みについて相談等を受けるようになった。

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7.今後、事業の継続・展開の具体的な方針・戦略

これまでの取り組みにより、本事業の町内での協力者や賛同者が増加し、事業のすそ野が広がってきた。そこで、今後についても、町内での理解増進、賛同者・協力者の確保に務め、協議会を継続する。役場職員向け研修会、「海の自然を伝える担い手づくり」については引き続き実施したいが、予算の確保が求められるため、地方創生総合戦略による関連交付金や、その他の補助金等を検討する。一般向けイベントの一部は有料で行っているが、参加者負担で開催できるような形を目指し、海に関するステークホルダーや事業者、役場各部署とさらに連携を深め、真鶴町の特徴的な「海のエコツアー」として定着を図りたい。「豊かな海の自然」という地域特性を活かして、海に関するステークホルダーや多様な事業者と連携しながら地域活性化を目指す。

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事例シート(ダウンロードファイルに同梱)



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この情報の問い合わせ先

文部科学省 生涯学習政策局 社会教育課 公民館振興係
〒100-8959 東京都千代田区霞が関3-2-2
電話:03-5253-4111(内線2974)