公民館等を中心とした社会教育活性化支援プログラム(H26)

その他地域の教育的資源を活用した地域課題解決支援プログラム

もくじ

支援プログラムテーマ
受託自治体名
取り組みタイトル
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1.この事業に取り組んだ背景(地域の現状、抱える課題)
2.事業の目的、目指した成果
3.事業の概要
4.計画立案段階及び取組実施段階における関係者、団体等との連携・協働体制
5.この事業によって得られた成果・得られなかった成果
6.事業実施により構築できた取組プロセス、それを実現するためのノウハウ
7.今後、事業の継続・展開の具体的な方針・戦略
事例シート
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支援プログラムテーマ

テーマ5 その他地域の教育的資源を活用した地域課題解決支援プログラム

受託自治体名

岐阜県美濃加茂市

取り組みタイトル

加茂地域の文化遺産活用事業

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1.この事業に取り組んだ背景(地域の現状、抱える課題)

文化遺産は、地域の歴史や文化的な象徴であり、生活と結びついたものだった。そのような関係性が変質してきた中で、(a)市民や地域又は行政が、将来の世代に伝えていきたいモノ・コトであると見直す、(b)知ることは、地域の魅力を再発見することであり、それを通じて「ふるさと」を愛する気持ちが育まれるなど、新たな視点が挙げられている。文化遺産は、市民にとって求心力のあるもの・拠りどころとして、あるいはコミュニティで共有できるような象徴・物語とも位置づけられるようになっている。

美濃加茂市と隣接町村では、それぞれの社会教育施設と関わりながら、文化遺産に関心を持って活動する市民(団体・個人)がいた。しかしながら、彼らは基本的に身近な範囲を活動領域としていたためか、活動の硬直化、参加主体の高齢化、外部との交流が限られる等、様々な課題が生じている。

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2.事業の目的、目指した成果

前述の課題解決に向け、地域の博物館や公民館等と、現地に残る文化遺産を相対的に位置付け、時には行政枠組を超えて関わり合う・行き交う人々をつなぐことのできるようなシステムの創設・推進が必要と考えられた。それが、博物館と市民が協働して行う調査研究等の学習活動を通じて、文化資源化が進み、それが地域住民を刺激し、活動の深化、展開のための触媒として機能することである。

その結果、文化遺産と関わり合い、支援するようになる人々の関係性が、豊かで信頼感に厚く、密なものになることが期待される。具体的には、(1)住民による学習への参加・体験の機会の創出【地域に根差し、伝えられてきた文化遺産を通じて、身近な地域の新たな一面を発見する】、(2)参加者同士で体験したこと・思いを表現し、交流することで、【文化遺産への関心、親しみを深める】、(3)活動の報告や展示といった活動を通じて、さらに他者と共有し、広げる【文化遺産に出会い、親しむ人々の拡大及び交流の促進】という過程を創っていくものとした。

行政(博物館・公民館)は、文化遺産に関する専門性や蓄積を通じて地域を刺激し、市民と適切な関わりをもつことで、集い、学び、対話が創出されること。またそこで楽しそうに活動している人々に惹かれ、引き寄せられながら、新たな関わりが生まれることが期待される。

以上から今後は、地域の文化遺産と人が関わり合う機会(事業)を通じて、

(1)加茂地域の広域的な行政間のネットワーク(1市6町1村)
(2)住民(団体)同士のネットワーク

を形成することが、

(3)各地で、住民(団体)が活動をこれまでより深められるようにへとつながるように展開することを目指す。

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3.事業の概要

先に挙げた(1)・(2)・(3)の事業として、事業1、事業2、事業3を実施する。

事業1/探訪交流事業
(A)文化遺産調査
学識経験者と文化遺産の所在する市町村の住民が、協働して調査、整理することで、今後の活用をはかる。

(B)探訪講座支援
美濃加茂市及び隣接町村で調査した文化遺産を探訪する講座として開催する。調査を行った探訪先の住民がホスト役となって、案内する。

これらは、趣旨に賛同する地域住民・各団体が定期的に交流できる機会を美濃加茂市で創出するものとなるよう、文化遺産調査・探訪講座を実施した。

事業2/活動公開事業
調査結果や取組みについて、博物館等での展示(「加茂の遺跡展」ほか)を通じて、広げる。
活動の公開・発信として、展示やホームページ掲載を行った。

事業3/フォーラム開催事業【再委託】
「文化遺産と市民−その関わり合いを考える2015」の開催。ゲストスピーカー(岐阜県などで文化遺産に関わる市民や団体、行政担当者)による事例報告、討議を実施する。

ミュージアムフォーラムでは、文化遺産に関心のある市民やその団体、実践的な活動を行っているグループやNPO、行政担当者(博物館等社会教育施設含)などに広く呼び掛け、参加を促すよう進めた。そして、この地域で従来行われてきた文化財の保護、普及教育活動にとどまらない先進的な取り組み事例を報告・共有・検討することで、それぞれが今後の取り組みを進めるための指針となるよう、実施した。

以上の事業1・2・3は、加茂地域の広域連携の試みとして、行政(美濃加茂市・坂祝町・富加町)と協働する市民(加茂の文化遺産探訪実行委員会)による、地域の文化遺産を軸とした活動が進みつつある。ただし加茂地域の自治体は他にも、川辺町、七宗町、八百津町、白川町、東白川村の5町村があるため、順次、連携できる部分を協議しながら事業を進めた。

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4.計画立案段階及び取組実施段階における関係者、団体等との連携・協働体制

【立案段階】
<事業推進>
美濃加茂市、坂祝町教育委員会、富加町教育委員会

<事業実施>
美濃加茂市民ミュージアム、坂祝町郷土資料館・中央公民館、富加町郷土資料館

<連携・協働先>
八百津町教育委員会、加茂の文化遺産探訪実行委員会(展示ガイド、坂祝町郷土史研究会、資料館サポーター)、NPO法人ニワ里ねっと

【実施段階】
<事業推進>
美濃加茂市、坂祝町教育委員会、富加町教育委員会、八百津町教育委員会、東白川村教育委員会、(川辺町教育委員会、七宗町教育委員会、白川町教育委員会)

<事業実施>
美濃加茂市民ミュージアム、坂祝町郷土資料館・中央公民館、旧八百津発電所資料館、古いもの館(東白川村)ほか

<連携・協働先>
加茂の文化遺産探訪実行委員会、NPO法人ニワ里ねっと、発電所資料収集展示研究会、伊深町生涯学習活動推進委員会、地域間・多様な交流グループ、下原古郷の会、本巣市語りべボランティア

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5.この事業によって得られた成果・得られなかった成果

(事業1・2・3を通じて得られた成果)
(1)行政連携
・美濃加茂市と周辺の7町村(加茂郡)について、関わり合いを持って文化遺産に関する事業を実施する機会や情報交換が進んだ。今後の協同に向けた下地をつくることができた。



(2)加茂の文化遺産探訪実行委員会
・前年度から参加している3団体(展示ガイド:美濃加茂市、坂祝町郷土史研究会:坂祝町、資料館サポーター:富加町)について、それぞれが従来の活動(調査、展示、講座開催、行政との連携)を深めることができた。他との交流が、刺激や触発となり、活動を見直すことになった。



(3)連携・協働先の拡充
・前年度の探訪交流事業(調査、探訪講座)、フォーラム開催事業に参加した個人、団体と連携することができた。また今年度の事業を通じて、関わりが生じた団体もある。

【立案段階】
<事業推進:3団体>
美濃加茂市、坂祝町教育委員会、富加町教育委員会

<事業実施:4ヶ所>
美濃加茂市民ミュージアム、坂祝町郷土資料館・中央公民館、富加町郷土資料館

<連携・協働先:3団体>
八百津町教育委員会、加茂の文化遺産探訪実行委員会(展示ガイド、坂祝町郷土史研究会、資料館サポーター)、NPO法人ニワ里ねっと

↓↓

【実施段階】
<事業推進:8団体>
美濃加茂市、坂祝町教育委員会、富加町教育委員会、八百津町教育委員会、東白川村教育委員会、川辺町教育委員会、七宗町教育委員会、白川町教育委員会

<事業実施:6ヶ所>
美濃加茂市民ミュージアム、坂祝町郷土資料館・中央公民館(坂祝町)、富加町郷土資料館(富加町)、旧八百津発電所資料館(八百津町)、古いもの館(東白川村)

<連携・協働先:7団体>
加茂の文化遺産探訪実行委員会、NPO法人ニワ里ねっと、発電所資料収集展示研究会、伊深町生涯学習活動推進委員会、地域間・多様な交流グループ、下原古郷の会、本巣市語りべボランティア

(4)文化遺産の資源化
・管理等の体制が整わない町村において、博物館や資料館、公民館で収蔵されている文化遺産などの調査や整理把握が進み、新たな展示公開(常設、期間限定)につなげることができた。



(5)市民参画・事業に参加・参画した市民の数について。
◎加茂の文化遺産探訪実行委員会主催事業(事業1・2・3)=のべ149名
◎加茂の文化遺産探訪実行委員会関連事業
(参加・連携する各団体が、各地域拠点等で実施した事業:24回)=のべ202名
*合計:351名(別紙加茂地域の文化遺産活用事業活動記録(2014年度)参照)

まとめ
(1)住民による学習への参加・体験
・文化遺産の調査や探訪講座の実施が、地域に根差し、伝えられてきた文化遺産を通じて、身近な地域の新たな一面を発見することとなった。

(2)参加者同士で体験したこと・思いを表現し、交流する
・探訪交流事業、活動公開事業、フォーラムの開催が、文化遺産への関心、親しみを深めることとなった。

(3)活動の報告や展示を通じて、他者と共有し、広げる
・探訪交流事業、活動公開事業、フォーラムの開催が、文化遺産に出会い、親しむ人々の拡大及び交流の促進となった。

(想定していたが得られなかった成果)
<行政連携>
事業実施にあたり、行政協同の内容、程度に大きな差が生じた。それは、当該町村の住民の参画にも影響した。

<加茂の文化遺産探訪実行委員会>
参加する各団体において、新規の加入者を取り入れることができなかった。

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6.事業実施により構築できた取組プロセス、それを実現するためのノウハウ

(1)住民による学習への参加・体験の機会の創出【地域に根差し、伝えられてきた文化遺産を通じて、身近な地域の新たな一面を発見する】・・・文化遺産の調査や探訪講座の実施

(2)参加者同士で体験したこと・思いを表現し、交流することで、【文化遺産への関心、親しみを深める】・・・探訪交流事業、活動公開事業、フォーラムの開催

(3)活動の報告や展示を通じて、さらに他者と共有し、広げる【文化遺産に出会い、親しむ人々の拡大及び交流の促進】・・・活動の公開、フォーラムやワークショップの開催

1.探訪交流事業は、各市町村を舞台にすること、各市町村の住民有志を中心に、協同すること、一般参加者も交えることで、広がりへつながることになると考えられる。

2.フォーラム開催事業は、参加者が自身の活動を振り返る機会になった、他の活動から刺激、触発、考えを深める機会になったものの、参加者同士の交流は限られたものとなった。そのため今後は、ワークショップ手法を取り入れることも検討すべきであると考えている。

3.広域な範囲(行政間)で、市民が活動する場合、安全に往来することができるような支援が必要となる(移動用車両の手配等)。

4.広域な範囲(行政間)で事業を進める場合、中核拠点、地域拠点を設定し、開催される事業内容を調整することが必要である。

5.中核拠点(美濃加茂市民ミュージアム・加茂の文化遺産探訪実行委員会)が地域拠点や住民団体とのネットワークを活かしながら、自主的な学習サークル・グループ設立の相談や支援、交流機会の創出に対応していく。今回その成果が、[伊深町生涯学習活動推進委員会、[地域間・多様な交流グループ]との連携につながった。

6.市民による参画的な活動(文化遺産調査、探訪講座支援、展示公開活動)そのものが、行政が主体的に行う事業(今回は、美濃加茂市民ミュージアムによる「加茂の遺跡」展、同主催講座、坂祝町による東白川村歌舞伎公演in深萱の農村舞台、富加町郷土資料館主催ワークショップ、富加町主催「歴史ウォーキング」)をさらに深められるよう、連動した位置付けになることが必要である。

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7.今後、事業の継続・展開の具体的な方針・戦略

地域の文化遺産と人が関わり合う機会(事業)を通じて、

(1)加茂地域の広域的な行政間のネットワーク(1市6町1村)
(2)住民(団体)同士のネットワーク

を形成することが、

(3)各地で、住民(団体)が活動をこれまでより深められるように

につながるように展開されてきた。
次年度においては現在、各団体において

【八百津町教育委員会】
・平成27年度公民館講座に文化遺産に関する内容を企画。

【坂祝町郷土史研究会】
・加茂の文化遺産探訪実行委員会を通じて、坂祝町郷土資料館等の展示の修正や一般参加者向け講座(拓本技術習得講座)を企画。

【地域間・多様な交流グループ】
・「加茂地域の著名人を知ろう」講座を平成27年2月に開講。4月以降も継続。

【伊深町生涯学習活動推進委員会】
・美濃加茂市と連携して、伊深町の探訪講座を企画。

が計画されている。これらは、

(A)住民による学習への参加・体験
・文化遺産の調査や探訪講座の実施が、地域に根差し、伝えられてきた文化遺産を通じて、身近な地域の新たな一面を発見すること。

(B)参加者同士で体験したこと・思いを表現し、交流する
・探訪交流事業、活動公開事業、フォーラムの開催が、文化遺産への関心、親しみを深めること。

(C)活動の報告や展示を通じて、他者と共有し、広げる
・探訪交流事業、活動公開事業、フォーラムの開催が、文化遺産に出会い、親しむ人々の拡大及び交流の促進をはかる。

に力点が置かれることで、その特性が活かされることになる。そして、

1)探訪交流事業は、各市町村を舞台にすること、各市町村の住民有志を中心に、協同すること、一般参加者も交えることで、広がりへつながるようにする。

2)フォーラム開催事業は、参加者が自身の活動を振り返る機会になり、他の活動から刺激、触発、考えを深める機会になるものの、参加者同士の交流が限られる場合もあるため、ワークショップ手法を取り入れる等も検討する。

3)広域な範囲(行政間)で、市民が活動する場合、安全に往来することができるような支援を行う(移動用車両の手配等)。

4)広域な範囲(行政間)で事業を進める場合、中核拠点、地域拠点を設定し、開催される事業内容を調整していく。

5)中核拠点(美濃加茂市民ミュージアム・加茂の文化遺産探訪実行委員会)が地域拠点や住民団体とのネットワークを活かしながら、自主的な学習サークル・グループ設立の相談や支援、交流機会の創出に対応していく。

6)市民による参画的な活動(文化遺産調査、探訪講座支援、展示公開活動)そのものが、行政が主体的に行う事業をさらに深められるよう、連動した位置付けを行っていく。

以上より、前述の(1)(2)(3)を目指す姿とし、(A)(B)(C)について取り組む上で、1)〜6)を特に留意することで、事業のさらなる展開をはかっていく。

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事例シート(ダウンロードファイルに同梱)


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この情報の問い合わせ先

文部科学省 生涯学習政策局 社会教育課 公民館振興係
〒100-8959 東京都千代田区霞が関3-2-2
電話:03-5253-4111(内線2974)